韓国発! 大人気WEBマンガ原作のサスペンスアクション!! 『神と共に 第一章:罪と罰』は、主演作が軒並み大ヒット中のハ・ジョンウやチュ・ジフンらが文字通り常世&現世で大暴れする、まさかの法廷モノ×SFアクションというブッ飛び大作だ!
WEBマンガ文化が盛んな韓国から真打ちとなる大作が登場!
なんだか長ランみたいな服を着た男性2人(しかも片方は古臭い武器みたいなの持参)とヘタレ顔の消防士、オフィスカジュアル風のベビーフェイスな女性、そして背景には重力を無視して元気にジャンプする3人組のシルエット……。これほどまでに内容が予想できない、なんか少年ジャンプの扉絵みたいなポスターも珍しい。しかし『神と共に 第一章:罪と罰』は、その設定が映画開始10分ほどでスッキリ説明されるという、非常に明快なマンガ的作品でもある。
それもそのはず、本作は韓国の人気WEBマンガが原作のサスペンスフルなファンタジーアクション映画。日本よりもWEBマンガ文化が盛んな韓国では人気作品が映画/ドラマ化されるパターンが少なくなく、EXOスホの出演で話題になった『飛べない鳥と優しいキツネ』(2018年)や、『シルミド/SILMIDO』(2003年)のカン・ウソク監督が手がけた『黒く濁る村』(2010年)、記録的なヒットで社会現象を巻き起こしたドラマ『ミセン -未生-』(2014年~)などが有名どころだろうか。
신과함께 포스터를 따라그려봤습니다 (트레이싱으로 잡혀감) pic.twitter.com/BtlOmS4mXL
— 주호민 (@noizemasta) November 29, 2017
中でも『ミセン -未生-』は日本で「HOPE~期待ゼロの新入社員~」としてリメイク版ドラマが製作されたが、この『神と共に』は作画家をチェンジしたリメイク版マンガ「神と一緒に」が展開中。なにしろ原作者ジュ・ホミンの絵は「み◯すり半◯場」風というか、こんな(↑)絵柄であるからして……よくぞ映画化に際してここまでイケてるキャラに置き換えてくれたものだと関心してしまう。
裁判に勝って死者を転生させよ! ブッ飛んだ世界観とストーリーを完璧に再現
各々のキャラ立ちという面ではマンガ版のほうが勝ってはいるものの、今をときめく人気俳優ハ・ジョンウやチュ・ジフンが過剰にドヤっとキメたメインビジュアルには、それだけで観たくなってしまう圧がある。
そんな『神と共に 第一章:罪と罰』のメイン設定をざっくり説明すると、人間は死後49日の間に7つの地獄を巡って生前の罪を裁かれ、全ての裁判で無罪を勝ち取った者だけが現世に転生する資格を得られる……というもの。そこで死者の弁護を請け負う冥界からの使者が、死者の転生を請け負う弁護士カンニム(ハ・ジョンウ)、チャラいが武闘派の護衛ヘウォンメク(チュ・ジフン)、死者の生前を見通せる人情派の補助弁護士ドクチュン(キム・ヒャンギ)というわけだ。
“四十九日”や“地獄”といった馴染みのある設定からも分かるように、韓国には日本と同じく仏教に基づく死生観があり、三途の川や閻魔大王(イ・ジョンジェ)も登場する。ただし韓国版の地獄の厳しさはハンパじゃなく、7つの地獄でそれぞれ裁判を受けなければいけないうえに、その周辺ではハードモードの「風雲たけし城」みたいな命がけの(もう死んでるけど)アトラクション、さらに人面魚やモンスター軍団が待ち構えていたりするからさあ大変。
そんな斬新な地獄絵図をハイクオリティなVFXで表現しており、まるで遊園地の絶叫系アトラクションが全面リニューアルしたみたいな、まったく新しい“地獄ツアーズ”を体験することができるのである。
少年ジャンプ的なシーンまできっちり映像化してみせた監督の手腕
ド派手なハイパーアクションとスリリングな法廷モノが違和感なく……というか「そういう細かいことはいいから!」とばかりに強引にミックスされ、2時間強をダレることなく突っ走る本作。あえて例えるなら、法廷モノの傑作『レインメーカー』(1997年)に人気漫画「幽遊白書」をぶち込んで韓国風味に味つけした……というのは若干無理があるかもしれないが、とにかく今まで観たことがないパワフルなストーリー/映像に仕上がっているのだ。
それにしても、こんなハチャメチャな展開をまとめ上げたキム・ヨンファという人、一体どんな監督なの!? と経歴をチェックしてみたら、本物のゴリラがプロ野球リーグで大活躍するというブッ飛んだ怪作『ミスターGO!』(2013年)を手がけた人だったので、色々と納得。ゴリラが人間と一緒に野球するくらいなんだから、こんな感じの“あの世”だって普通にあるわ、きっと。
EXOのD.O.が驚きの演技力を披露! 第二章はさらに壮大な展開に
物語の鍵を握るのは、少女を救うために命を落とした消防士のジャホン(チャ・テヒョン)。寝る間も惜しんで働きまくり、難病に冒された母と学生の弟に仕送りしていた彼は転生待ったなしかと思いきや、予想外の“ワケあり人生サバイバー”だったものだから、さすがの地獄も騒然。裁判の過程で母の秘密を知ったジャホンが、愛情と悔恨に押しつぶされそうになりながら「母に会わせてくれ!」と懇願するシーンは、思い出すだけで鼻水が垂れてくる。
とにかく、この世とあの世を行ったり来たりして振り回しておきながら、最後には“母子愛”という万国共通のネタで嗚咽を漏らすほど大号泣させるという破格のスケール感は、ぜひとも劇場で体験していただきたい。
しかも、本作は“第一章”というタイトル通り2部構成となっており、2019年6月28日(金)には『第二章:因と縁』の公開が控えている。第一章に引き続きEXOのD.O.が難易度の高い繊細な演技を披露しているので、K-POPファンも必見! ちなみにマ・ドンソクの兄貴も重要な役でがっつり出演するぞ!!
大きなスクリーンで観てこその迫力満点な映像、そして燃えて泣ける人情派アクション映画に飢えているのならば、ぜひともチェックしておきたいSF大作だ。
『神と共に 第一章:罪と罰』はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2021年1月放送。