ディカプリオ44歳、ブラッド・ピット55歳。ハリウッドの新時代を築き、未だ現役バリバリのスター2人が、落ち目の俳優とそのスタントマンを演じた新作について語った。
ハリウッド同時代のレオとブラピが互いを称え合う
タランティーノの新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で超ビッグネームの二人、レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットがダブル主演を果たした。時代の変化とともに取り残され、西部劇テレビシリーズが打ち切りになってしまったスター(レオ)と、そのスタントマン(ブラッド)を演じるブラックユーモア。二人の現役バリバリスターはそれを楽しんだ様子である。
レオ「子どもの頃から映画業界で育ってきたから、こういうキャラクターには親しみがある。時代が変わって、業界の最前線を退かざるを得ないけれど、信頼されていてコネクションも友だちも多い、そんなキャラクターだね」 タランティーノとは『ジャンゴ 繋がれざる者』(2012年)以来のタッグだ。
もう一方のスタントマン・クリフを演じるブラッド・ピットは『イングロリアス・バスターズ』(2009年)でタランティーノと組んでいる。「リックとクリフは二人で一人のキャラクターなんだ。フレンドリーでね、良いときも悪いときも一緒にいる。映画業界にはこういう人達が確かにいるよ」 また、舞台となった背景について「69年は暴力的な年だったと言われるけれど、“Cinema Love”な年だったと思う。ハリウッドの映画産業が変化した年で、時代を変える作品が何本も公開された年だ。ハリウッド思春期の終年と言えるんじゃないかな」と語った。
マーゴット・ロビーは実在した女優シャロン・テートを演じた。その役作りに関してマーゴットは「脚本をもらって、私に何を望まれているのかを考えました。軽さ、明るさ、それから無垢さ、という感じかなと思ったんですね。セリフから考えて、探求の日々(笑)でしたね」
ビッグ同士、初共演の感想を聞かれて、まずはレオが答える。「ブラッドは俳優になった背景や経緯も僕と似ているし、同世代で、だいたい同じ頃に仕事を始めている。マルチな俳優で、真のプロフェッショナル。ハリウッド新時代を代表してきて、それでもどこかアウトサイダーなところも残している俳優だと思う。今回一緒に仕事をして友だちになれたと思うよ」
ブラッドは「レオはガッツがあって、ベストを尽くしてシーンを牽引してくれるし、救ってくれる。グレートで面白いやつだよ」とこちらも大絶賛。
二人のやり取りを、満足げにタランティーノが見守っていた。
文:まつかわゆま
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』 CS映画専門チャンネル ムービープラスで2021年6月放送