伝説的武侠小説をドニーが映画化
“宇宙最強”ドニー・イェンの新作『シャクラ』は、久々の本人監督・主演にして武侠アクションである。
武侠小説の大家・金庸の小説「天龍八部」を原作としたドニー念願の企画。剣を使ったバトルも含めド派手でキメキメのアクションが展開される。
「ドニーが求める仕事のレベルはむちゃくちゃ高い」
ドニー演じる主人公・喬峯は仲間殺し、親殺し、さらには少林寺での武術の師匠を殺した濡れ衣を着せられる。逃亡生活の中でもあくまで堂々と、そして行動原理は人のため。まあとにかく、今回もドニー(長髪)がハチャメチャにカッコいい。
本当に、そのための映画みたいなもんですから。
そう言って笑うのは、本作のアクション監督である谷垣健治さん。ドニー作品の数々に加え『るろうに剣心』シリーズ(2014~2020年)も話題になった。
ドニーからのオファーは、いつも直電だという。
ドニーから仕事の話がきたら、まずどうやって断るかを考えますね(笑)。他の現場も大変ですけど、やっぱりドニーが求める仕事のレベルはむちゃくちゃ高いので。『レイジング・ファイア』の時は『るろうに剣心』を撮影中の極限状態の時に電話がきて、思わず本当のスケジュールを話しちゃったんですよ(苦笑)。
中国の古装片(時代もの)を撮った経験があまりなかったので躊躇したんですけど、ドニーは「日本で『るろうに剣心』のアクションを手がけた人間が、その感覚で中国で古装片をやったら新しいものができるんじゃないか」と言ってくれました。
ドニー作品のアクションを作る大変さの一つは、現場で次々と湧き出るアイディアに即座に対応して具現化すること。かなり大規模な撮影であっても“プラン通り”には絶対にならない。ギリギリまでさらにいいアイディアを求めて改良していくのがドニー流だ。
たとえばですけど、急に「ここは武術というより変わったダンスっぽい動きがいいな」って言い出すんですよ。で、僕が速攻でスマホで検索する。“ロシア ダンス バレエ”みたいに。そこで出てきた映像を直感で選んでドニーに見せて、「そう、こういうの!」となったら超ラッキー。
注意深く見てもらえばわかるんですが、エンディングの必殺技を発する時にロシアンダンス風の動きがあるのはそういった、完全に現場での思いつきなんです(笑)。だから、その場での瞬発力が凄く大事ですね。たまに“俺たち、スマホがない時代はどうやって映画作ってたんだっけ?”って思いますけどね(笑)。
『シャクラ』
宋代の中国。丐幇(かいほう)の幇主・喬峯(きょうほう/ドニー・イェン)は誰からも慕われる英雄的な存在だった。だがある日、何者かに副幇の馬が殺害され、その犯人に仕立て上げられてしまう。しかも自分が漢民族ではなく契丹人であるという出自まで明かされ丐幇を追放される。自らを陥れた人間を探し出し、さらに自身の出生の真実をつきとめるため喬峯は旅にでる。しかし、彼の行く手には更なる罠が仕掛けられていた! 武林最強の技、「降龍十八掌」を使い、襲い来る刺客たちをなぎ倒す喬峯。果たして彼は黒幕を突き止め復讐を果たすことが出来るのか!?
監督:ドニー・イェン カム・カーワイ
アクション監督:谷垣健治
出演:ドニー・イェン
チェン・ユーチー リウ・ヤースー
ウー・ユエ チョン・シウファイ
制作年: | 2023 |
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2024年1月5日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー