テーマは【映画と髪型】! ファッション、音楽、ヘアスタイルを語る
特別企画【映画×Tシャツ】「ミレニアル世代が注目!話題のヴィンテージTコレクターが鬼才キューブリックを“Tシャツ”で語る」に続いて、今回は「MERICAN BARBERSHOP(メリケンバーバーショップ)」代表、結野多久也さんを迎え【映画と髪型】をテーマに語ってもらった。
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まず始めに、神戸と福岡で展開する「MERICAN BARBERSHOP」とは、“男性が身だしなみを整える場+社交場”という床屋が持つ伝統的なカルチャーに、ストリートカルチャーを掛け合わせた唯一無二の個性を放つバーバーショップだ。ラジカセから大音量の音楽が流れ、“ネオクラシック”をテーマに選び抜かれたインテリアが並ぶ広々とした空間の中、たしかな技術を持つスタッフが腕を振るう。喫茶&バーラウンジも併設し、DJイベントやアーティストを招いた音楽LIVEを開催するなど、カルチャーを愛する人々の溜まり場となっている。
地元のカルチャー好きに支持されるバーバーショップを経営する結野さんは、時間を見つけては神戸の映画館に足しげく通うという映画好き。映画に登場する印象的な髪型についてヴィンテージTシャツ専門Webショップ「ANYTEE」代表の9brickさんと語ってくれた。
ミッキー・ロークの生き様やルックス、全てが印象的だった
9brick:まずは、結野さんが気になった映画の登場人物の髪型を教えて下さい。
結野:『ブレイド』(1998年)のウェズリー・スナイプスが、一番先に出てくる。M字に綺麗に剃り込んだパンチパーマは強烈だね。“デイウォーカー”っていう敵から呼ばれる名前もいいし。
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それと、やっぱり、『ランブルフィッシュ』(1983年)のミッキー・ローク。とにかくカッコいい。髪型もキマッている。「セックス・ピストルズ」のシド・ヴィシャスを彷彿とさせるロンドン・パンクスなスタイルだね。退廃的な!それと、モーターサイクルボーイっていう、名前がまずヤバいじゃん(笑)。彼が色盲だから全編白黒なんすよね、確か。彼の見てる目線っていう。ミッキー・ローク自身の人生に、ストーリーがあるじゃないですか。ボクシングが好きすぎて、実際ボクサーになってボコボコにされて、整形を繰り返して……みたいな。そん時のピークが『ランブルフィッシュ』じゃないですか、完全に。この時は艶っぽいんですよね。
9brick:色気がありますね。
結野:日本の映画だと『爆裂都市 BURST CITY』(1982年)はちょっと色モノだけど、髪型もファッションも強烈だったね。石井聰亙っていう監督の、パンクバンド対パンクバンドの争いっていう、ヤベェ映画。
それと忘れられないのが『タクシードライバー』(1976年)のロバート・デ・ニーロ。物語が大きく展開するときに、髪型を変えてバチッとキメて現れるんだけど、映画のトーンもガラッと変わる。ちなみに、これは左右を丸刈りにして中央部分の髪だけを残す“モホーク”っていう髪型です。
ハリウッド俳優の定番は綺麗に整ったクラシックな髪型
9brick:これぞ旬な髪型って聞かれるとハリウッド・スターでは誰が思い浮かびますか?
結野:ジェイク・ギレンホールが一番イマドキっすね。横刈り上げでフェードして、上で遊ばせるっていう。これは“ザ・今”っす。
結野:“ザ・マッチョ”でアイコニックなのは『フューリー』(2014年)の ブラッド・ピットかな。アンダーカット(サイドとバックを刈り上げること)して、上を全部流すスリックバックという髪型。
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それをもっとビジネスサイドに持ってくると“ザ・クラシックス”って感じで、『ラ・ラ・ランド』(2016年)のライアン・ゴズリングの髪型だね。クラシック・サイドパートっていうんだけど、トップをユルくして、軽く刈り上げて七三に分ける。
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9brick:日本でも定番になりつつある髪型ですね。
結野:これ海外ではもうずっと定番っす。日本人の髪型が長すぎるんだよね。
9brick:ロングヘアーにしたいって人は多いと思います。
結野:ロングヘアーが許されるのは美少年だけ(笑)。ティモシー・シャラメ(『君の名前で僕を呼んで』)とか若い頃のレオナルド・ディカプリオとか。ディカプリオは、『華麗なるギャツビー』(2012年)のクラシックな感じまで幅広く似合うのがヤバい。あと、コリン・ファレルが一時やっていたけど“マンバン”って髪型はなかなか似合う人いないよね。アンダーカットして、伸ばして流して、後ろで結ぶ髪型。
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9brick:他にイケてるなって思った最近の髪型はありますか?
結野:『ブラックパンサー』(2018年)のマイケル・B・ジョーダン! 『クリード』(2015年~)では坊主頭だったけど、『ブラックパンサー』のジョーダンは今っぽい。
“I waited my entire life for this.” #BlackPanther pic.twitter.com/jkNhbI3mjf
— Black Panther (@theblackpanther) January 11, 2018
9brick:この人を見ると、去年流行ったチャイルディッシュ・ガンビーノの「This is America」MVを思い出します。
結野:ガンビーノはエレガント!グラデーションをつけて刈り上げた、いわゆるフェードです。
初めて雑誌の切抜きを持っていってマネした俳優は?
9brick:映画を観ているとき、俳優の髪型はチェックしていますか?
結野:やっぱり見ちゃうんですよね、絶対。あとファッションと音楽。どんな曲が流れているのかな? って。
9brick:それは「MERICAN BARBERSHOP」を始めてから?
結野:ずっと好きなんですよ。音楽も髪型もファッションの一つなんで。映画には、その要素が全部ミックスされているから見ちゃうんですよ、昔から。内容は忘れても、画は覚えていたいなって。
9brick:今までにマネした映画の登場人物の髪型は?
結野:『ドーベルマン』(1997年)のマニュって奴(ロマン・デュリス)がいて、クラブでオナニーするような奴なんですけど(笑)。コイツの髪型はマネしましたね。初めて切り抜きをサロンに持っていって「これでお願いします!」って。ゴリゴリのピンパーマなんだけど。18歳とかハタチくらいの頃ですね。ピンパーマは、めちゃくちゃスパイラルなアフロみたいな髪型です。
9brick:その通りの髪型になりましたか?
結野:全然ならなかった(笑)。9brcikさんはマネした髪型ある?
9brick:高3か大学1年くらいのときに『トレイン・スポッティング』(1996年)が流行っていて、ユアン・マクレガーに憧れて坊主にした。で、ああいう映画が好きな女の子と知り合って、付き合い始めたんです。それは映画のおかげ(笑)。
ANYTEE
Tシャツギャラリスト。"着るアート"をコンセプトにヴィンテージTシャツを関連カルチャーとともにpopup形式で企画展示販売する"anytee"オーナー。2019年7月19日(金)~8月18日(日)まで東京上野の「みんなのギャラリー」で現代アートとヴィンテージTシャツのコラボイベントを開催。詳しくはInstagramにて。