日本を護れ! 恐怖の化身ゴジラと3大怪獣が激突
初代『ゴジラ』(1954年)の直接的な続編の一つとして描かれる『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』(2001年)。この作品の最も特徴的な点は、ゴジラが「太平洋戦争で命を落とした英霊の思念の集合体」という存在で、全作品通して唯一の“白目”を剥いた顔という、絶対的な恐怖の化身となっているところだ。
それに立ち向かう怪獣は、シリーズを代表する怪獣、モスラ(最珠羅)と(キング)ギドラ(魏怒羅) 、そして名怪獣バラゴン(婆羅護吽)。この三体が、それぞれ古来より国土の海・天・地を守ってきたとされる伝承的存在「護国聖獣」として登場する。
ゴジラ映画の重要期に製作されたドラマ性も高い原点回帰作
監督は、90年代後半に日本特撮の頂点を極めた「平成ガメラシリーズ(『ガメラ 大怪獣空中決戦』1995年~)」の金子修介。特撮監督には、同じくガメラに参加していた神谷誠が初登板。名怪獣群を「怨霊vs神」として新たに造形したのは、現在ウルトラマンシリーズを始め怪獣造型の第一人者となっている品田冬樹。音楽の大谷幸もゴジラシリーズを初担当するなど、これまでにない新体制で製作された。
ドラマ面では、ジャーナリスト・由里(新山千春)がメディアとして「ゴジラという災害を追う」姿と、その父であり1954年のゴジラに家族を奪われた過去を持つ軍人・立花(宇崎竜童)が防衛軍として「ゴジラという脅威に立ち向かう」姿が描かれる。
ゴジラはその存在自体が強大な自然災害であり、かつ人類が水爆実験で生み出した不死身の脅威という出自であるからして、この二面に光を当てた本作は、真の原点回帰を果たしていると言えるだろう。
絶対的な存在の“覚醒”を描く『大怪獣総攻撃』と『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』
そんな『大怪獣総攻撃』は2019年5月30日(木)、ハリウッド版ゴジラ最新作『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の世界同時公開直前という絶好のタイミングで、BSテレ東にて放送される。『キング・オブ・モンスターズ』ではゴジラ、モスラ、キングギドラが同時に対峙する。これは2001年公開の本作品以来のこと。さらに『キング・オブ・モンスターズ』のキャッチコピーは「王の覚醒」だが、実は本作も「王の目醒め」が大きな見所なのだ(その“王”の正体は劇中で!)。
それぞれの怪獣の特徴や魅力が容赦なく全開フルバーストされている『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』。『キング・オブ・モンスターズ』鑑賞前でも鑑賞後でも、ぜひ一度ご覧頂きたい。これがゴジラの生まれた国、日本の怪獣バトルだ!
文:大内ライダー
『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』をはじめ、ゴジラ ミレニアムシリーズをCS映画専門チャンネルムービープラスで2022年2月ほか放送
『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』
ハリウッド版「ゴジラ」最新作!前作『GODZILLA ゴジラ』から5年後の世界が舞台。モスラ、ラドン、キングギドラらの神話時代の怪獣たちが復活し、世界は破滅へと歩みを進める。
制作年: | 2019 |
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監督: | |
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