おじいさん、ツルハシ1本でナチのタマ刈りに
むかしむかし、ある所に黄金を探すおじいさんがおりました。ある日、やっと黄金を見つけたおじいさんは、お供の馬と犬と一緒に大変喜びました。ところが、ふるさとに帰ろうとするおじいさんたちにかわいそうなことが起こってしまいます。なんと、帰る途中で意地悪な人たちに黄金を取られてしまったのです。
おじいさんはツルハシ1本で芝刈りに行くことに決めました。
そう、黄金を奪った憎きナチスどもの命という芝を刈りに。
……と、あらすじを読み聞かせした子供も「え? 今なんて!?」と耳を疑うであろう映画が日本で公開される。それが『SISU/シス不死身の男』だ!
舐めた野郎は誰であろうが許さねえ!
第二次世界大戦末期。ソ連に加えてダメ押しのようにナチスにも攻め込まれ、フィンランドの治安は混沌を極めていた。そんな、命が空気より軽い状況をガン無視して金塊を掘り続ける、変わり者の爺様がアアタミであった。
雨が降ろうが槍が降ろうが、頭上を爆撃機が飛ぼうが、荒野で土くれを掘り続ける日々。だが遂にアアタミの努力が報われる日がやってきた。悲願のデッカい金塊を掘り当てたのだ。
ホクホクで黄金をカバンへ詰め込み、家族同然の愛犬と愛馬と共に里に戻ろうとするアアタミ。だが彼は不運(ハードラック)と踊(ダンス)っちまう。なんと道中で、はぐれナチスに遭遇したのである。
結果、「そこでジャンプしてみろよ」というノリで因縁をつけられ、金塊をカツアゲされそうになるのだった。普通であれば、もう泣くか黙るかの2択しかない状況だ。だがアアタミは第3の手段に打って出る。
舐めた野郎は誰であろうが許さねえ! だ。
……というわけでアアタミは、変わり者の爺様からアグレッシブな爺様へトランスフォーム! 片っ端からナチスをベコベコにしていくのであった。
そうしてカツアゲを回避したアアタミの前に、はぐれナチスの本隊が遅れて到着。かつての仲間が「ひき肉です」な惨状を目の当たりにし戦慄するナチス本隊であったが、軍人としてメンツを潰されたこともあり、憎きアアタミを手加減なしで追い詰めるべく進軍を開始する。
だが、彼らは知らなかった。かつてアアタミがフィンランド最強の“1人暗殺部隊”と呼ばれていた元軍人だということを……! はたして勝つのは爺様か、はぐれナチスか!?
こうして何も無い大地を舞台に、荒ぶる魂が咆哮するサバイバル昔話が始まるのであった。
『SISU/シス不死身の男』
1944年 第二次世界大戦末期、ソ連に侵攻され、ナチス・ドイツに国土を焼き尽くされたフィンランド。凍てつく荒野を旅する老兵アアタミ・コルピ(ヨルマ・トンミラ)は、愛犬ウッコを連れ、掘り当てた金塊を運ぶ途中でブルーノ・ヘルドルフ中尉(アクセル・ヘニー)率いるナチスの戦車隊に遭遇、金塊も命も狙われるハメに。アアタミが手にしているのは<ツルハシ1本>と<折れない心SISU>だけ。それでも戦場に落ちている武器と知恵をフル活用し、ナチス戦車隊相手に、機銃掃射を浴びても、地雷原に追い込まれても、縛り首にあっても、挙句の果てに戦闘機にツルハシ1本で食らいついても、絶対に死なない!それどころか、機関銃を撃ちまくる敵には埋めてあった地雷をぶん投げ、一撃で爆殺。戦場にたまたま落ちていた武器と知恵で次々とナチス軍を討ち破る。
彼こそはかつてソビエトとの冬戦争に参加し、家族を殺された報復として、たったひとりで300人ものソビエト兵を殺した<伝説の兵士>だった。
アアタミはいかにして戦い、そして生き抜くのか――。そしてアアタミの目的地とはー?
監督・脚本:ヤルマリ・ヘランダー
出演:ヨルマ・トンミラ アクセル・ヘニー
ジャック・ドゥーラン ミモサ・ヴィッラモ オンニ・トンミラ
制作年: | 2022 |
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2023年10月27日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開