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なぜジャッキー・チェンは『ラッシュアワー』が不満だったのか? いま観ても最高に楽しい大ヒットアクションの製作ヒストリー

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ライター:#齋藤敦子
なぜジャッキー・チェンは『ラッシュアワー』が不満だったのか? いま観ても最高に楽しい大ヒットアクションの製作ヒストリー
『ラッシュアワー』©MCMXCVII New Line Productions, Inc. All Rights Reserved.
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「アジアのジャキー」から「世界のジャッキー」に

『ラッシュアワー』(1998年)は、ジャッキー・チェンにとって複雑な思いを抱かせる映画らしい。初めて完成された映画を見たジャッキーは、“ショックで立ち直れないほど”がっかりしたという。にもかかわらず、『ラッシュアワー』は世界中で大ヒットし、シリーズ化され、しかもクリス・タッカーとのコンビが復活し『ラッシュアワー4』も製作されるという。ジャッキーをがっかりさせたのに世界中で大ヒットした『ラッシュアワー』とは、一体どんな映画なのだろう?

ラッシュアワー (字幕版)

©MCMXCVII New Line Productions, Inc. All Rights Reserved.

 

舞台は1997年、中国への返還直前の香港。中国の貴重な文化財を密かに持ち出そうとしていたジュンタオ一味を阻止したリー警部補(ジャッキー・チェン)は、その後ロサンゼルスに転任したハン領事(ツィ・マー)の娘が誘拐されるという事件が起こり、領事の要請でロサンゼルスにやってくる。誘拐事件を担当するFBIは、よそ者に口出しされたくないし、怪我でもされたら国際問題だと、ロス市警にリーを警護させ、捜査に近づかせないようにしようと画策する。その役目を仰せつかったのが一匹狼のカーター刑事(クリス・タッカー)だ。

『ラッシュアワー』©MCMXCVII New Line Productions, Inc. All Rights Reserved.

口八丁のカーターは囮捜査で爆弾犯(クリス・ペン)を追い詰めたものの、手違いから警官に怪我を負わせた上に、路上で爆弾を爆破させて、停職寸前、市警としてはちょうどいい厄介払いだった。こうして言葉も文化も性格も違う中国・アメリカの2人の刑事がタッグを組んで、誘拐事件の捜査にあたることのなるのだが……。

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