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『ビバリーヒルズ・コップ』は、コメディ番組「サタデー・ナイト・ライブ」で注目を集めたスタンダップ・コメディアンのエディ・マーフィを世界的なスーパースターにした記念碑的な作品で、シリーズ3本それぞれに特徴がある。
文化ギャップで笑いを誘うコメディ調ハードボイルド『ビバリーヒルズ・コップ』
1984年製作の第1作目の監督は、このあと『ミッドナイト・ラン』(1988年)や『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』(1992年)を撮って有名になるマーティン・ブレスト。不良少年上がりの敏腕黒人刑事が、荒れた工業地帯デトロイトからファッショナブルなビバリーヒルズへ乗り込み、難事件を解決するというプロットで、黒人と白人、貧乏人と金持ち、田舎と都会という文化のギャップを活かしたコメディ色の強いハードボイルド映画になっている。
――デトロイト市警の刑事アクセル・フォーリー(エディ・マーフィ)は、親友マイキーの死の真相を突き止めるため、休暇をとって上司に無断でビバリーヒルズへ。マイキーの元雇い主で画廊のオーナー、メイトランド(スティーヴン・バーコフ)が怪しいと目をつける。
ビバリーヒルズ署のボゴミル警部補(ロニー・コックス)は巡査部長のタガート(ジョン・アシュトン)と若手刑事ローズウッド(ジャッジ・ラインホルド)にアクセルの尾行を命じるが、アクセルは簡単に二人を巻き、メイトランドが美術品の荷に隠して麻薬を密輸していることを突き止める。
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