キアヌは役者兼スタントマン!?『ジョン・ウィック:チャプター2』
アクション映画史的に前人未到の戦闘スタイルをアピールした『ジョン・ウィック』は大ヒットを記録。2017年には続編『ジョン・ウィック:チャプター2』が公開された。
『チャプター2』で描かれるのは、前作の戦いから数日後。凄まじい死闘から生還したジョンは憔悴しきっている……と思いきや、どう考えても長期間にわたって血が滲むような特訓をしましたよね? と思ってしまうぐらいレベルアップした戦闘スキルを披露。
本作から単独で監督を務めることなったチャド・スタエルスキは撮影前、「アクションの中で感情も表現したい。だからキアヌを役者としてだけではなく、スタントマンとしても扱うことにした」と宣言。さらなる戦闘スキルの向上を目指し、キアヌは撮影が始まる4カ月以上前からトレーニングを開始。格闘面では、ブラジリアン柔術家ジャン・ジャック・マチャドらマチャド兄弟から直々に指導を受けた。
射撃では、3ガン・マッチ――ハンドガン、アサルトライフル、ショットガンの3種を使い分けながら様々なターゲットを撃っていく実弾射撃競技のチャンピオンとして有名なタラン・バトラーのもとで修行……って、どちらもアクションの練習じゃなくてガチの戦闘トレーニングとしか思えないが、とにかくキアヌは(本当に)強くなった。
その結果、前作でのガン・フーはハンドガンを使用している時のみに披露していたが、本作からはアサルトライフル(TTI TR-1 ウルトラライト)やショットガン(ベネリ M4スーペル90)などの長物の銃を使ったガン・フーを披露するようになる。ちなみに本作でジョン・ウィックが使うハンドガン(TTIグロック34コンバットマスター)などの銃器は、射撃の師匠タラン・バトラーおすすめのものを使用している。
ジョン・ウィックの戦闘スタイルは、それだけではない。前作でも披露した、車を運転しながら戦う“カー・フー”のスキルアップもキアヌに与えられた課題だった。前作では1969年式マスタングを運転し、90度スピンを披露したキアヌは今回、さらに運転テクに磨きをかけて180度スピンをマスター。さらに、車の激突場面も自ら運転している。
伝説の殺し屋になるための修行の日々をキアヌは、「練習はどんどんハードになってきて、僕の私生活は完全にない。でも、そっちの方が集中できるよね」とカルト教団に洗脳された人が言いそうな発言を(イイ意味で)している。
さらにジョン・ウィックといえば、前作では「バーにいた3人の男を鉛筆で殺したことがある」という都市伝説のオーナーになっていた。キアヌは2作目の撮影の1年前から、「頼むから! 次は実際に鉛筆で殺すシーンをやらせて!」とチャド監督におねだりし続けた結果、鉛筆による殺人シーン、“ペン・フー”が実現。要するに、キアヌは他人の耳の穴に鉛筆を突っ込んでみたかった、ということですよね?
これだけキアヌの情熱と真心が込められた『ジョン・ウィック:チャプター2』は前作を凌ぐヒットを記録。この年は人気ドラマ『ザ・ボーイズ』(2019年)の原作コミックをリリースしている出版社ダイナマイト・エンターテインメントから全5号のコミック版「ジョン・ウィック」もスタート。この作品では、映画版よりも以前のジョンが現役の殺し屋だったころを舞台に、彼が裏社会で「ババヤガー」と呼ばれる経緯が描かれている。
A young John Wick emerges from prison and embarks upon his first, epic vendetta! What are the Three Bills? Who is Calamity? And who was John Wick before he became the Baba Yaga? Read the thrilling origin story! Order John Wick #1 HERE: https://t.co/8DRplAVehI pic.twitter.com/l28Kpf4b7g
— Midtown Comics (@MidtownComics) November 28, 2017
『ジョン・ウィック:コンセクエンス』
裏社会の掟を破り、粛清の包囲網から生還した伝説の殺し屋、ジョン・ウィック。地下に身を潜めながら、全てを牛耳る組織:主席連合から自由になるために立ち上がった。組織内での勢力拡大を狙う若き高官、グラモン侯爵は、これまで聖域としてジョンを守ってきたニューヨークのコンチネンタルホテルを爆破、ジョンの旧友でもあった盲目の達人ケインを強引に引き入れ、ジョン・ウィック狩りに乗り出す。そんな中、日本の友人シマヅの協力を求めてジョンが大阪のコンチネンタルホテルに現れた……。
監督:チャド・スタエルスキ
脚本:シェイ・ハッテン マイケル・フィンチ
出演:キアヌ・リーブス
ドニー・イェン 真田広之
ビル・スカルスガルド ローレンス・フィッシュバーン
シャミア・アンダーソン ランス・レディック リナ・サワヤマ
スコット・アドキンス イアン・マクシェーン
制作年: | 2023 |
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2023年9月22日(金)より全国公開
CS映画専門チャンネル ムービープラス 新作映画情報番組「映画館へ行こう9月号」
キアヌ・リーブスが伝説の殺し屋に扮した大ヒットアクションの第4弾『ジョン・ウィック:コンセクエンス』を映画ライターのギンティ小林が徹底解説!川本耕史、伊澤彩織のインタビューなど盛りだくさんでお届け!
MC:小林麗菜 ゲスト解説:ギンティ小林
出演:川本耕史、伊澤彩織