「キアヌさんが『任せとけ、僕がケータリングを用意する!』って」
―キアヌ・リーブスさんといえば、数々の“イイ人伝説”がありますよね。今回一緒にお仕事をされて、キアヌさんのナイスガイぶりを体験することはありましたか?
伊澤:(川本さんに)何から言います?
―そんなにあるんですか!?
川本:僕がドイツに入った時、アクションの練習場に行ったらお水が用意されていたんですが、キアヌさんだけ違うお水を飲んでいたんです。特別なお水なのかな? と思ってキアヌさんのマネージャーさんに聞いたら、購入金額の何パーセントかが寄付されるシステムのお水を飲んでいたんです。どの国に行っても、そうされているようです。
―本当に普段から、そういうことを心掛けている方なんですね!
川本:撮影前にアクションを作っていた間、スタジオでランチタイムがあるんですが、スタジオの周りにお店が全然ないんです。プロダクションからランチ代は出ていたんですが、Uber Eatsに頼むと届くまでに時間がかかるし、食べに行くと往復1時間半から2時間かかってしまうので、みんな「アクションを作る時間が少なくなる」と困っていたんです。そうしたらキアヌさんが、「任せとけ、僕がケータリングを用意する! 何がいい?中華か、フランス料理? ドイツの料理? 日本の寿司? うどん……わかった、もう全部用意する!」と言ってくださって、次の週のランチタイムから、キアヌさんがお金を出してケータリングを用意してくれたんです。
―気前の良い方ですね!
川本:それから2021年の6月には伊澤さんたちが合流してくれて、スタントマンが30~40人になったんですが、全員のランチ代をキアヌさんが出してくれました。
伊澤:私は撮影が終わって帰国したら、『ジョン・ウィック4』と書かれた柔術着が届いて……。
―粋なプレゼントじゃないですか!
川本:キアヌさんは、映画に参加した全スタントマンに柔術着を配ったんです。撮影の最後まで残っていたメンバーは手渡しでいただいていたんですけど、「日本に帰ったメンバーにも送りたいから」と言ってくれて、皆さんのアドレスを調べて送ってくれたんです。
―……すごい。こちらが思った以上のイイ人伝説を残していますね。
伊澤:そうなんです(笑)。
川本:ロレックスをもらったアメリカ人スタントマンもいました。
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キアヌからもらった「世界で一番美味しいカップケーキ」
伊澤:『ジョン・ウィック』にずっと関わっているアメリカのスタントマンにキアヌさんが直筆の手紙を渡していて……なかなかいないじゃないですか、スタントマンに直筆の手紙を渡すスターなんて!
川本:最後まで残っていた日本人メンバーは、柔術着以外にもコンチネンタルホテルのメダルとか、いろんなものをいただきました。
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伊澤:他にも、撮影でキアヌさんにたくさん殺されている人は、何回殺されているか数えるんですよ。たくさん殺されるとTシャツをプレゼントされるので。
―どういうことですか!?
川本:10回死んだ人は「10」、20回以上死んだ人は「20」と書いて、Tシャツをもらえる枚数が増えるんです。
―物騒な話ですが、ラジオ体操のハンコみたいですね。
伊澤:そんな感じです。1回でいいから殺されたかったです(笑)。
川本:日本人スタントマンでも20回殺された人がいるので、「10」のシャツと「15」「20」と3着もらっていました。……あ、今日そのTシャツを持ってくればよかったですね(笑)。
伊澤:あと、キアヌさんから「世界で一番美味しいカップケーキ」をいただきました。
―世界で一番美味しいカップケーキ!?
伊澤:大阪・コンチネンタルの撮影が始まる前と終わる時に、『ジョン・ウィック4』と書かれているプレートが載ったカップケーキを全スタッフに配ってくれたんです。
今年の夏は川本耕史さん@kawa0060 ファイトコレオグラファーのもとJOHN WICK 4のアクションチームに参加させてもらってました。映画公開が楽しみすぎて眠れません。
— Saori Izawa 伊澤彩織 (@izwsaori) December 29, 2021
人生で一番おいしかったあまあまカップケーキ🧁🔫 #JW4 https://t.co/HkirbGuyCG pic.twitter.com/KIz31GWsHt
―じゃあ、そのケーキをマルコ・サロールさんも食べたんですね!?
川本:マルコさんは食べていないかも。ストイックな方なんですよ。アクションのリハーサルを2、3時間やった後もひたすら自分で筋トレして、脈拍を測って、なんか首をひねって「もう1回行こう!」って運動して……みたいなことを常にやっていましたから(笑)。
―マルコ・サロールのファンには貴重なお話です! あとはファンとして素朴に気になるのが、ジョン・ウィックの射撃と柔術を組み合わせた戦闘スタイルを「ガンフー」と呼んでいますが、撮影現場でもそう呼んでいたんですか?
川本:呼んでましたよ。チャド監督が「ガンフー、ガンフー」と言うので(笑)。
―ちゃんと呼んでいるんですね、安心しました。
―では最後に、映画を楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いできますか?
川本:『ジョン・ウィック:コンセクエンス』は、いろんなファイトのセクション、シーン、ロケーション、武器、ファイトスタイルがあるので、楽しみにしていてください!
伊澤:本当にすさまじい作品になっています。ぜひ劇場でアクションをたくさん堪能してもらえると嬉しいです。日本人スタントマンもいっぱい頑張ってます。よろしくお願いします!
川本:しまった! それは俺が言うべきだった……(笑)。そうですね。日本人スタントマンも頑張りました。いいチームでした!
伊澤:(蛍光色の靴下を履いていた取材クルーを見て)これは余談なんですけど、蛍光色を身に着けていると、映画に出てくる犬に嚙まれてしまうので気をつけてください(笑)。
川本:それはあるね! その靴下はダメなんですよ。
―『ジョン・ウィック:コンセクエンス』に出てくる、賞金稼ぎのミスター・ノーバディ(シャミア・アンダーソン)が連れていた猟犬のことですか?
伊澤:あの犬は蛍光色に向かって噛みつくように訓練されているんです(笑)。
川本:だから、現場でその靴下を履いてたら噛みかつれますね(笑)。
―最後の最後にレアな情報をありがとうございます!
伊澤:キアヌさんの“キングシート”の話もしたかったな。
―え! キアヌさんのイイ人伝説まだあるんですか!?
取材・文:ギンティ小林
撮影:町田千秋
ヘアメイク:赤井瑞希 スタイリスト:入山浩章(※伊澤)
YONLOKSANのカットソー、YOAKのシューズ、Folk/Nのリング、Folk/Nのピアス、20/80のチェーンネックレス(すべてUTS PR/03 6427 1030)、ビンテージのシャツ(Sick Tokyo/@sick_shibuyatokyo)、ユーズドのパンツ、ソックス(Front11201/@front_11201)
👇【インタビュー前編はこちら】👇
『ジョン・ウィック:コンセクエンス』は2023年9月22日(金)より全国公開
『ジョン・ウィック:コンセクエンス』
裏社会の掟を破り、粛清の包囲網から生還した伝説の殺し屋、ジョン・ウィック。地下に身を潜めながら、全てを牛耳る組織:主席連合から自由になるために立ち上がった。組織内での勢力拡大を狙う若き高官、グラモン侯爵は、これまで聖域としてジョンを守ってきたニューヨークのコンチネンタルホテルを爆破、ジョンの旧友でもあった盲目の達人ケインを強引に引き入れ、ジョン・ウィック狩りに乗り出す。そんな中、日本の友人シマヅの協力を求めてジョンが大阪のコンチネンタルホテルに現れた……。
監督:チャド・スタエルスキ
脚本:シェイ・ハッテン マイケル・フィンチ
出演:キアヌ・リーブス
ドニー・イェン 真田広之
ビル・スカルスガルド ローレンス・フィッシュバーン
シャミア・アンダーソン ランス・レディック リナ・サワヤマ
スコット・アドキンス イアン・マクシェーン
制作年: | 2023 |
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2023年9月22日(金)より全国公開
CS映画専門チャンネル ムービープラス 新作映画情報番組「映画館へ行こう9月号」
キアヌ・リーブスが伝説の殺し屋に扮した大ヒットアクションの第4弾『ジョン・ウィック:コンセクエンス』を映画ライターのギンティ小林が徹底解説!川本耕史、伊澤彩織のインタビューなど盛りだくさんでお届け!
MC:小林麗菜 ゲスト解説:ギンティ小林
出演:川本耕史、伊澤彩織