鳴り止まない歓声!まさに第72回カンヌ映画祭の前半のクライマックス
レッドカーペットに最後に登場する監督をはじめとしたキャストたちよりも目立っていたのは、もちろん、エルトン・ジョン本人。背中にロケットマンと銀ラメで書かれたジャケットを着て、登場。会場に入ると満場の拍手を一身に集めていた。『ボヘミアン・ラプソディ』の監督ブライアン・シンガーが降板した後、最終的にまとめたことで有名になったデクスター・フレッチャー監督が、今回は1人で最初から最後まで自分の作品として作ったエルトン・ジョンの伝記的ミュージカルである。
俳優でもあるフレッチャーはミュージカルも好きな監督で、今までも『サンシャイン/歌声が響く街』などの日本公開作がある。『ボヘミアン・ラプソディ』はミュージカルではない音楽映画だったが、『ロケットマン』は歌もダンスもあり、台詞がわりに歌が使われるところもオーソドックスなミュージカルと言えるだろう。
両親の愛を求め与えられなかった子供時代、ピアノの才能を発揮し、音楽学校を経てバンドを結成。見出されてツアーからアルバムの発売へ。そして名コンビとなる作詞家と出会い、ライブを成功させヒットを連発していく。その一方で自身がゲイであることに気付き、利用され、酒とドラッグに溺れ、周囲とぶつかり孤独になっていくエルトン…。
タロン・エジャトンがそんなエルトン・ジョンを快演。
お馴染みの名曲をタロンが歌い上げるとライブ会場のように拍手が起こり次のセリフが聞こえなくなるほど。まるで応援上映である。映画的な手法を駆使したミュージカル映画として『ラ・ラ・ランド』以来の楽しさを届けてくれる作品である。これも大ヒットが期待できそうだ。
ラスト、もちろんエルトン・ジョンは現役でしかも幸せを掴んでいるのでハッピーエンド。場内が明るくなった途端、観客総立ち、拍手の嵐。挨拶するエルトン・ジョン、タロン・エジャトンは涙を拭う。拍手はいつまでも続いていた。
文:まつかわゆま
『ロケットマン』2019年 8月23日(金) 全国ロードショー!
ロケットマン
音楽界の最高峰グラミー賞を5度受賞し、「ローリングストーン誌が選ぶ歴史上最も偉大なアーティスト100組」にも選ばれた伝説的ミュージシャン”エルトン・ジョン”の半生を映画化した話題のミュージック・エンターテイメント超大作!
制作年: | 2019 |
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出演: |
2019年 8月23日(金) 全国ロードショー!
カンヌ映画祭スペシャル2019
<日本オフィシャル・ブロードキャスター>CS映画専門チャンネル ムービープラスにて
2019年5月25日(土)カンヌ映画祭授賞式 日本独占生中継ほか、受賞作&関連作計6作品放送