山下智久の英語セリフに耳福！ Huluオリジナル『THE HEAD』Season1 ネタバレなし解説＆注目ポイント振り返り【Season2配信目前】

福士蒼汰がメインキャストとして参加することでも話題の海外ドラマ、Huluオリジナル『THE HEAD』Season2が2023年6月17日（土）よりHuluにて独占配信が決定。すでにアメリカやフランスなどで放送・配信がスタートしているが、日本国内じわじわと話題が広がっている新シリーズ開幕に備えて、Season1の注目ポイントをネタバレなしでざっくり解説してみよう。

隔絶された南極基地で何があったのか？

物語の舞台は南極、科学研究基地＜ポラリス6＞の内部とその周辺。防寒を怠れば、ものの数分で死に至るような極寒の世界だ。人類にとって重要な任務を担っているという基地内には、学者はもちろん医者や看護師もいれば、エンジニアにメカニック、料理人もいる。しかし、そんな個性豊かな面々が和気あいあいと過ごしていたはずの南極基地は、数ヶ月の間に凄惨な“殺人現場”になっていた――。

『THE HEAD』Season1 ©Hulu Japan

第1話の冒頭、シチュエーションもズバリな『遊星からの物体X』（1982年）のオマージュの数々にニヤリとさせられるだろう。それはさておき、物語は夏季隊が冬季隊に任務をバトンタッチした6ヶ月後、なぜか3週間も連絡を断っている冬季隊のもとに、心配した夏季隊が駆けつけるところから早くもアクセル全開になる。なにしろ隊長のヨハンら夏季隊の面々が到着した基地は、7人死亡、2人行方不明、1人生存（おそらく）という地獄絵図に変わり果てていたのだ。

『THE HEAD』Season1 ©Hulu Japan

ヨハンは、冬季隊のメンバーだった妻アニカが“損傷の激しい謎の遺体”ではない、もしくは行方不明のうちの一人であることを祈りつつ、焦る気持ちを抑えて調査を進める。しかし現場で発見された生存者、医師のマギーは“T3”状態＝記憶喪失や精神病などを伴う症状にあり、聞き取りもままならない。なぜ彼女はパニック状態に陥っているのか？ そもそも、なぜ隊員たちは死んだのか？ しかも、数人は見るも無惨な状態で……。

『THE HEAD』Season1 ©Hulu Japan

観る者の「なぜ？ 何が？」を刺激し続ける構成

冬季隊のメンバーは隊長のエリックを筆頭に、高名な生物学者アーサーと彼を支える遺伝学者のアニカ、医師のマギー、微生物学者のアキ（演じるは山下智久！）、看護師のエヴァ、ハイテク担当のヘザー、通信員のマイルズ、調理師のラモン、エンジニアのニルスの10名。それぞれ暗い過去や後ろめたい狙いを抱えてはいるようだが、これまではお互いをヘタに刺激することなくやりくりしてきたはずだ。

『THE HEAD』Season1 ©Hulu Japan

そんなこんなを踏まえつつ、物語は現在（＝夏季隊の調査）と回想（＝マギーの証言）、過去（＝数年前の調査で起こったこと）という複数の時間軸を行き来しながら描かれる。ただし、それで視聴者が混乱するようなことはなく、観る側の「なぜ？ 何が？」を刺激し続ける構成になっているあたりが見事。毎話、各々のドロリとした内面が徐々に絞り出されるため、この事件が計画的なものなのか、突発的なものなのか、誰がどこで凶行に走っても、いつ何が起こってもおかしくない、極限状況を見守ることになる。

https://www.youtube.com/watch?v=tK1dcEVkoyU