とにかくキモすぎクリーチャーに要注意!『キャンドル・コーヴ』
シーズン1『Channel ZERO:キャンドル・コーヴ』は、同名の子ども番組に関する都市伝説がベースになっている。実際に幼少期に観たのか、もしかしたら夢なのか……? そんな非常に曖昧な子ども番組の記憶を持つ大人たちがネット上で情報を共有して大いに盛り上がるも、結局どんな番組だったのか一切判明しなかったという、ツウ好みのジワリと怖い都市伝説だ。
とはいえ、それだけではドラマシリーズ化するには物足りない。この『キャンドル・コーヴ』ではその都市伝説をビルドアップし、視覚的にかなりファンタジックな恐怖映像をぶち込んでくる。多くの人が生理的に「うわっ!」となるであろうキモ系のクリーチャーも登場するのだが、特にトライポフォビア(集合体恐怖症 ※検索は自己責任で!)の人は要注意。
物語の主人公は、幼少期に起こった失踪事件で双子の兄エディを失った児童心理学者マイク。いまだに発見されていないエディに“呼ばれて”故郷に戻ったというマイクは、次々と不可思議な事件に巻き込まれていく。謎のクリーチャーや奇妙な着ぐるみが真っ昼間から堂々と現れるあたりが、いかにもトラウマ化した幼少期の悪夢といった雰囲気で超怖い。
45分弱×7話という構成は長すぎず短すぎず、じっくりと恐怖を紡いでいくスタイルで観る者のメンタルを確実に蝕んでいく、そんな意地の悪さ(褒めてます)が秀逸だ。
https://www.youtube.com/watch?v=GuvK_VOP9-c
思春期ティーンのトラウマが恐怖を生み出す『ノーエンド・ハウス』
シーズン2『Channel ZERO:ノーエンド・ハウス』は、その名の通り“ノーエンド・ハウス”と呼ばれる神出鬼没の不思議なお化け屋敷にまつわる都市伝説がテーマ。この屋敷には6つの部屋があり、進むにしたがって恐怖度が上がっていき、最後の部屋までたどり着いた者は行方不明になるというウワサがある。ご想像の通り、その屋敷にチャレンジした若者たちがヤバい目に遭う……というストーリーだ。
とにかくこのお化け屋敷、入って5分くらいですでにめちゃくちゃ怖い。いわゆる密室モノのセオリーを踏襲しつつ、アトラクション気分で参加した若者たちの警戒心の薄さも上手く利用。個々のトラウマを増幅させる恐怖描写によって、いつの間にか当事者のような気分に陥らせる。
例えるならば、遊園地によくあるウォークスルーお化け屋敷的な恐怖だろうか。苦手な人は自分で足を進められなくなってしまうそうだが、本作はドラマなので怖がりつつもズンズン進んでしまう。やだもう止まって!!
とはいえ、思春期の少女や少年(みんな美女! 美男!)たちによるスタイリッシュな青春ストーリー風の仕上がりで、全6話ということもあってボリューム的にも『キャンドル・コーヴ』より精神的な負担は軽いはず。たぶん。
ちなみに主人公の少女マーゴの亡き父親を演じるのは、コメディからサスペンス~犯罪モノまで幅広く活躍するジョン・キャロル・リンチおじさん。そのデカい図体と奥行きのある顔面力はここでも圧倒的なインパクトで、被害者なのか加害者なのか飛び道具なのか分からなくなるほどの存在感を発揮している。
……そんなわけで、毎日少しずつ鑑賞しても良し、連休中にイッキ観しても良しの注目ホラー『Channel ZERO』シリーズ、Huluには字幕版と吹替版があるのでお好みに合わせてどうぞ! なお本国ではシーズン4まで配信されているので、今後の更新にも期待したいところだ。
https://www.youtube.com/watch?v=wCzdBiNCucw