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大号泣韓ドラ!イッキ見不可避な理由とは?ディズニープラス『照明店の客人たち』全8話独占配信中(ほぼネタバレなし解説)

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ライター:#BANGER!!! 編集部
大号泣韓ドラ!イッキ見不可避な理由とは?ディズニープラス『照明店の客人たち』全8話独占配信中(ほぼネタバレなし解説)
ディズニープラス『照明店の客人たち』© 2024 Disney and its related entities
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第5話からは怖さ転じて大号泣? 驚きの感動展開

第4話ラストの衝撃を経ての第5話<再会>は、オープニングからして“ここからが本番ですよ”と言わんばかりに雰囲気を変えてくる。出口の見えない暗いトンネル(地下鉄)は、生死を彷徨う人々の内面をイメージしているのだろうか。

そして物語は第1話で視聴者に大きな「???」を植え付けた、気弱な会社員ヒョンミン(オム・テグ)と、バス停で出会った怪しいスーツケースの女性ジヨン(キム・ソリョン)の関係に、ついに踏み込んでいく。あの“滴り落ちる血”は何だったのか? というスリラー展開が、どんでん返しと言えるほどに印象を変えて突き刺さってくるので、要注目だ。

会社員のヒョンミンとジヨン
ディズニープラス『照明店の客人たち』© 2024 Disney and its related entities

発狂寸前に陥った女性作家ソネの状況も、大きく印象が変わってくる。なぜ彼女は「マンションは嫌」と言って郊外の一軒家にこだわっていたのか? そんなソネと一緒に部屋を探している年上女性の顔に、見覚えはないだろうか……? さらに女子高生ヒョンジュを中心に、それぞれ接点はなかったように見えた彼らが、じつは“ある体験”を共有していたことも示唆される。

男子高生ジウン
ディズニープラス『照明店の客人たち』© 2024 Disney and its related entities

第6話に入ると、これまでチラ見せされた“恐怖や不思議のディテール”が次々と異なる角度から描かれ、その一つ一つが強く心を打つ。あんなに怖かったあのシーンの裏に、こんなにも悲しい話があったのか!? という衝撃が、すさまじいギャップを伴って迫ってくるのだ。同時に、なぜか“交流の輪の中”に含まれていない人物がいることも分かる。看護師ヨンジと例の男性刑事だ。このあたりの謎も、続く7~8話でイッキにつながっていく。

看護師ヨンジ
ディズニープラス『照明店の客人たち』© 2024 Disney and its related entities

「切なくも温かい人間愛を描いた感動のヒューマンミステリー」という謳い文句のとおり本作は、後半からは完全に<号泣必至の人間ドラマ>へと変貌。あらゆる伏線がどんどん回収されていく過程で、世代やジェンダー、国も文化も超越した驚きと感動を与えてくれる。

照明店の店主ウォニョン
ディズニープラス『照明店の客人たち』© 2024 Disney and its related entities

「生死の狭間」が呼び起こす本能的な涙腺崩壊

第6話まで鑑賞すれば、本作が“死後の世界”と密接に関係していることに察しがつくだろう。照明店に並ぶ電球の明滅、画面全体がモノクロに変わったり、「非常ベルの赤」と「緊急避難の緑」が強調される演出などは、誰にもいつか訪れる<生と死の境界線>を意識せざるを得ない。そして納棺師ソッキと“会話”していた相手の言葉の意味も分かり、苦しみの中にある淡い安堵の感情が、じわじわと胸を締めつける。

女子高生ヒョンジュと母
ディズニープラス『照明店の客人たち』© 2024 Disney and its related entities

昏睡状態でICUに横たわる人々と“それ以外”の人々は、物語の中では様々な形で交流している。日本では「現世(うつしよ)と常世(とこよ)」と呼んだりするが、本作のメイン舞台となるのは常世のほう。そして看護師のヨンジにだけは“視える”ことを知ってか知らずか、常世に足を踏み入れている人々が、何かを訴えようと彼女の前に現れていた。

看護師ヨンジとずぶ濡れの男性
ディズニープラス『照明店の客人たち』© 2024 Disney and its related entities

第7~8話でも引き続き訴えかけられるのは、人間の「意思」の強さ、そして「生・死」は当事者一人だけのものではないというメッセージだ。意識なく床に伏す人の多くは現世に強い想いを残していて、なんとか「還って来よう」と戦っている。しかし現世での境遇によっては“他者の意思”が干渉したり、中には“還ること”自体を選ばない者もいるだろう。もちろん意思の介在する間もなく逝ってしまう人もいるが、それとて“消滅”したわけではないのだと。

ジヨン
ディズニープラス『照明店の客人たち』© 2024 Disney and its related entities

感情移入度がハンパじゃない! 観る者の胸を打つキャストの熱演

本作は謎の店主ウォニョンのグラサン姿と相まって、つい『世にも奇妙な~』的な枕詞で語りたくなるが、もちろんウォニョン自身にも照明店へとつながる物語がある。いろんな意味でイレギュラーな群像劇だけに、優れた脚本はもちろんのこと、キャスト陣の熱演が観る者の感情を揺さぶってくる。

女子高生ヒョンジュと照明店の店主ウォニョン
ディズニープラス『照明店の客人たち』© 2024 Disney and its related entities

ヒョンジュを演じる若手シン・ウンスを筆頭に、セリフに頼らず母の愛を表現したイ・ジョンウン、ドラマ『Pachinko パチンコ』への抜擢でも知られる実力派キム・ミンハ、天然の生真面目さが滲み出るイケメン筆頭オム・テグ、唯一の恋愛要素を担うキム・ソリョンなど、物語を追うごとに見事に印象を変えてくるから、みんな本当にスゴい。

女子高生ヒョンジュと母
ディズニープラス『照明店の客人たち』© 2024 Disney and its related entities

中でも異質なのはペ・ソンウ演じる刑事で、彼が今後のキーパーソンになることは明らか。ジャージャー麺屋の怪しい店主サンフン(キム・デミョン)との<グラサン継承>とでも言いたくなるやり取りは、もはやSFアクションのようなカタルシスにあふれている。

刑事とジャージャー麺屋の怪しい店主サンフン
ディズニープラス『照明店の客人たち』© 2024 Disney and its related entities

また、「寒がりおじさん」ことパク・ジョンピョや「ずぶ濡れおじさん」ことパク・ヒョックォン、日本のネット怪談を彷彿させる「身長2メートル超えの謎の女性」を怪しく演じたキム・ソンファなど、重要な伏線を担うサブキャラ陣の名演にも心を打たれる。このあたりは現役バリバリの俳優であるキム・ヒウォン監督の功績もあるかもしれない。

謎の女性
ディズニープラス『照明店の客人たち』© 2024 Disney and its related entities

最後の最後まで驚きの連続! 気になる今後の展開は……?

本作は最後までイッキ観した後、巧みな伏線や細かな演出を確かめるために2周、3周して観てしまうだろう。例えばオ・ヘウォン演じる女性警官のシーン(第3話)にも意味深なカットがあるし、いくつかの「???」が随所に配置されていて、まったく油断できないのだ。そもそも繰り返し観られるだけの強度がある作品は多くないが、前半のスリラー展開の意外性のおかげだろうか、2周目以降に発生する“覚醒”感の気持ちよさは、本作の大きな推しポイントとも言える。

照明店の店主のウォニョン
ディズニープラス『照明店の客人たち』© 2024 Disney and its related entities

さて、同じくカンフル原作の『ムービング』を観た人は、「今回は超能力合戦じゃないのか~」なんて思ったかもしれないが、本作の最後の最後、あるシーンには思わず叫び声をあげてしまうはず。未鑑賞の人のために詳細は避けるが、本編でさんざん驚かせ泣かせた挙げ句、結末の“匂わせ”でも期待値をブチ上げてくるのだ。カンフルは一体どこまで見据えて物語を紡いでいるのか……? ぜひ『照明店の客人たち』をイッキ観しつつ、さらなる展開を推理してみてほしい。

『照明店の客人たち』はディズニープラスで全話独占配信中

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『照明店の客人たち』

どこかもわからない、暗い街をさまよう人々。一部の記憶を無くした彼らがいたのは、”生と死の境目”の世界だった。なぜ彼らはこの場所に辿り着いたのか。そして、元の世界に戻ることはできるのか――。
やがて人々は、彼らの過去、現在、未来の鍵を握る、ある路地裏の照明店へと引き寄せられていく……。

監督:キム・ヒウォン
脚本:カンフル(『ムービング』)

【キャスト】
ウォニョン:チュ・ジフン(『支配種』、「キングダム」シリーズ、「宮 -Love in Palace-」)
ヨンジ:パク・ボヨン(「今日もあなたに太陽を ~精神科ナースのダイアリー」、「アビス」、「力の強い女ト・ボンスン」)
刑事:ペ・ソンウ(「ザ・キング」)
ヒョンミン:オム・テグ(「遊んでくれる彼女」)
ユヒ:イ・ジョンウン(「Missナイト & Missデイ」「パラサイト 半地下の家族」)

制作年: 2024