チュ・ジフン&ハン・ヒョジュ競演は大正解!ずっと観ていたい存在感
物語は、何者かに命を狙われるユン・ジャユCEOとBF社、同研究所を非難する密告メール、<シチズンX>なる集団によるランサムウェア(※身代金要求型ウイルス)攻撃などなど、様々な“悪意”が一斉に起こるところから始まる。よく「連続ドラマは最初の1~2話は我慢」なんて言われるが、私たちにも身近な環境問題/サイバー問題を混ぜ込むことでドキュメンタリックな空気感すら醸し出していて、1話目から登場人物の挙動に目が釘付けになってしまうだろう。
さて、そんな本作におけるチェウン元大尉の主な役割としては、ユンCEOを外部/内部を問わず“攻撃”から護ること。当然ながらそれは表向きであって、彼には彼の“絶対に成し遂げたい目的”があり、その裏側には国家レベルのシゴトも関わっていて、みるみる緊張感が漲ってくる。そういった政治的陰謀に加え、第2話からは分かりやすくSF展開も増えるので、身長190センチ近いチュ・ジフンによる迫力たっぷりなアクションシーンにも注目したい。
対するハン・ヒョジュも実は170センチと高身長で、ジフンと並んでも凸凹感はナシ。『人狼 』(2018年)で見せた儚さと怪しさをクールビューティー全開マシマシにしたような存在感で、しかし時おり幼い子どもみたいにキュルンとした表情をのぞかせもして、まるで脳に直接訴えてくるような神々しい美しさに四肢の先が痺れそう。第3話へとつながる“大企業ミステリー”なドキドキ展開は、彼女の冷ややかな表情と相まって失神レベルだ。
「食えない奴ら」大集合! 好バランスの実力派キャスト陣にも注目
そんな主演2人の演技だけをとっても眼福モノだが、もちろん韓国映画/ドラマには欠かせないキム・サンホらクセつよ名バイプレイヤーたちも顔を見せ、どうしてもツルリとしがちなSFドラマにいい塩梅のザラつきをプラス。とくに気になるキャストとしては、和牛・川西にクリソツでおなじみのイ・ヒジュンや、こちらも芸人ミックス顔だが玄人好みするイケメンのイ・ムセンらがヌラリとした好演を披露している。
他にも、かなり日本ウケしそうなファーストサマー的ルックスの持ち主であるパク・チヨンや、『犯罪都市 NO WAY OUT』(2023年)でも絶妙な軽味を出していたチョン・ソクホなど、韓優リストアップがはかどる好メンツ。あと、SFみマシ担当のAI秘書も何気にイイ押し出しの強さで、はたして物語にどう絡んでくるのかニヤニヤが止まらない。
リバイバル日本公開『ソイレント・グリーン』とも共鳴する“水面下の危機”
なお、社名のBFとは<Blood Flee>、つまり「殺生ナシよ」ということであり、これは本作の英題でもある。今年5月には、2022年を舞台にしたディストピアSFの金字塔『ソイレント・グリーン』(1973年)のリバイバル上映もあるが、こちらも爆発的な人口増加と急速な気候変動を背景にした食糧難にまつわるお話だった。あまりにもドンピシャなタイミングは偶然とはいえ、人類の足元を掬うような“水面下の危機”を描いた作品に、いま注目が集まっているのかもしれない。
現実世界では、行き過ぎた遺伝子研究・培養技術は本格的なクローン開発等に繋がるだろうし、やがて軍事転用される可能性もあるだろう。これまでさんざん私たちが苦笑いでスルーしてきた《物語》であっても、歴史上初めてリアルタイム中継されている大規模虐殺をスルーするような、あるいは政治家が堂々と裏金を貯め込んで居直っているような、あらゆる“理(ことわり)”が大きくズレてしまった世界においては、もはや全てが現在進行系だ。
『支配種』はディズニープラスで2024年4月10日(水)より独占配信
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