大泥棒・ルパン三世の「はじまり」の物語
ルパン三世の“少年時代”を描いたスピンオフアニメ『LUPIN ZERO』(ルパン ゼロ)が、2022年12月16日(金)よりDMM TVにて独占配信(全6話)される。
『LUPIN ZERO』では、原作の「少年ルパン」編から着想を得つつ、懐かしくも新しいオリジナルストーリーが展開。まだ何者でもない少年ルパンが高度経済成長期の日本を駆け回り、世紀の大泥棒になるまでのビギニングを描く。ノスタルジーを感じる、中学生時代のルパンと次元にも注目したい。
主人公・ルパンを演じるのは、『うしおととら』や『東京リベンジャーズ』といった人気アニメ作品に出演してきた畠中祐。祖父のアルセーヌ・ルパンから盗みの技術をしこまれた中学生時代のルパンに、どのような形で命を吹き込んだのか必見だ。
のちにルパン三世の相棒になる少年・次元を演じるのは武内駿輔。17歳でアニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ』のプロデューサー役に抜擢され、以降『アナと雪の女王』をはじめ数々の話題作で活躍している。
このたびBANGER!!!では、畠中と武内にインタビューを実施。熱い“ルパン愛”を持った二人が、『LUPIN ZERO』に挑むプレッシャーやお互いへのリスペクトなどを赤裸々に語ってくれた。
「(少年ルパン役は)祐にしかできないと思った」
―『LUPIN ZERO』のお話をいただいたときの第一印象と、台本を読んで感じた魅力について聞かせてください。
武内:最初、共通して「ここに手をつけるんだ」みたいなのはあったよね?
畠中:そうだね。オーディションの企画書を見たとき、「“あのルパン”なわけないよな」とは思ったんですよ。
武内:僕も、“次元”って書いてあるから「ルパンと次元と言ったら『ルパン三世』しかないな」と。オーディションの段階では、少年時代のルパンと次元のやりとりが書いてあったんですね。だけど実際に見たことがない光景なので、どういう風にやればいいのかな? と、台本をもらったときにすごく感じました。自分なりに考えて取り組んだ結果、ありがたいことにお話をいただくことができて、しかもその相手役が(※畠中を指す)。この作品はやっぱりルパンが大事だと思うので、僕が選ぶなら祐だろうなと思っていたら、本当にそうなりました。「でしょうな。そりゃあ祐以外できないよ」と。まあ祐はそんなこと思っていないでしょうけど(笑)。
畠中:いやいやいや!(笑)。次元が武内くんって聞いたとき、「彼は相当、研究するな」というのが目に見えていました。それがこの作品の完成度をすごく高めるだろうし、僕も相当プレッシャーだなと。
武内:『ルパン三世』は完成されたイメージがあって、「ルパンとはこういうものだ」という印象が強い作品だと思うんですが、台本を読むとそうではなくて、“未完成”なルパンと次元がそこにいたんです。役者としての成長という、僕たちのパーソナルな部分と彼らの成長を繋げやすいという意味では、ちょっと気が楽になりました。作品を通して彼らを知っていければいいという内容だったのも、すごくよかったなと思います。
それに、笑いあり涙ありアクションあり、中学生が抱える思春期の悩みもすごくドラマチックに描かれていたので、非常にやりがいのある台本だなと感じました。「祐は大変だろうな」とは思いながら(笑)。
畠中:(笑)。オーディションの段階ではルパンを意識せずに演じたんですが、台本をいただいたときに「だけっどもな」って台詞が書いてあったんですよ。「むっちゃルパンじゃん!」と思いました。
武内:台本に書いてあるんだ! って思ったよね。
畠中:そう。「“だけっどもな”と書いてあるということは、やっていいんだ」と思いました。以前から『ルパン三世』シリーズをPART1からずっと観てきましたが、それを思い切りやるときだなと。「山田康雄さんだったらどうやってアドリブをするかな? というところから(はじめた)」。
ルパン&次元“語録”をデータ化!? 過去作品を徹底研究
武内:『ルパン三世』シリーズのPART3まで全部観返して、ルパンと次元のアドリブをデータ化したんです。たとえば何かを避けるときに「あららら」なのか、「うわー!」なのかっていうのは、データを取っていくとなんとなく(わかる)。そういう“教科書”をまず作って、自分たちで考える……みたいなことをやりました。
畠中:ルパンと次元の“語録”を作りましたね。
武内:もちろん、僕ら役者は台本に書いてあることを文字通りやるのが仕事だとは思っていますが、それとはまた違うというか。
畠中:他じゃやらないけれど、山田さんたちの『ルパン三世』の現場では平気でばんばん(アドリブが)飛び交っていたのなら、こっちもちゃんと踏襲しないと! って思いました。
―ルパンと次元を演じるにあたって、特に意識されたポイントを教えていただけますか?
武内:山田康雄さんと小林清志さんの人生観がキャラクターにすごく表れているので、ルパンと次元を知ることは、山田康雄さんと小林清志さんを知るとイコールで繋がるんです。そこはお互いの共通認識としてありました。
畠中:そうですね。
武内:山田康雄さんと小林清志さんはどういった生い立ちで、どんな人生を歩まれて、どういう仕事をし、どんなキャリアを重ねたのか……(畠中と)お互い、インタビューや書籍を読んだりもしました。
僕の場合、次元を知るということはルパンを知ることでもあると思い、山田康雄さんと小林清志さんのことをそれぞれ調べました。調べていくと「どうやって役と向き合ってきたのか?」が見えてくるから、そこを大切にしたいなと思いました。
畠中:面白いのが、そういうものを読んでいくと、すごく“まんま”なんですよね。山田さんはルパンのまんまで、すっごく照れ屋さんでシャイなんだけど、寂しがり屋。ルパンという仮面を被っていても、内面がすごく繊細で優しいんです。厳しさの裏に優しさがある、ルパンという器が見えてくる感じがしましたし、その部分は踏襲したいなと思いました。山田さんの人生がすごくルパンに表れているのだとするならば、ちょっと自分が出てきてしまったときは、ちゃんと自分を使っていかなきゃいけないなとも思いましたね。そうじゃないと、たぶん(山田さんから)怒られるなって(笑)。
武内:結局、自分でやらないとダメなんだよね。なぜなら、初代の皆さんもそうやっているから。山田康雄さんのルパンを物真似する形では、役者としての取組みとしては違うなと。素の芝居でキャラクターと向き合うというところは一番大切にしつつも、やっぱり僕たちもルパンと次元に対して求めていることがありますから。
全力で、山田康雄さんと小林清志さんにぶつかっていく 『LUPIN ZERO』声優 畠中祐×武内駿輔インタビュー【後編】に続く
取材・文:BANGER!!!編集部
撮影:落合由夏
『LUPIN ZERO』はDMM TVで2022年12月16日(金)より独占配信
『LUPIN ZERO』
少年は、如何にして“ルパン三世”となったのか?
1967年に連載を開始した、モンキー・パンチの人気漫画『ルパン三世』。
その後さまざまなメディアで、世界を股にかけて活躍してきた世紀の大泥棒にも、まだ青い「少年時代」があった……。
『LUPIN ZERO』は、ベールに包まれた彼のビギニングをついに描き出す。
舞台は、原作連載当初の昭和30年(1960年)代。まだ何者でもない「少年ルパン」が、高度経済成長期の日本を駆け巡る!
少年と悪党のスリルある対決。父親・ルパン二世や、祖父・ルパン一世との因縁。そして、のちの相棒・次元との出会い……。
原作でも描かれている「少年ルパン」編からヒントを得つつ、懐かしくも新しいオリジナルストーリーが展開される。
原作:モンキー・パンチ
監督:酒向大輔
声の出演:畠中祐 武内駿輔
早見沙織 行成とあ
安原義人 古川登志夫
制作年: | 2022 |
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DMM TVで2022年12月16日(金)より独占配信