なぜか今「シティーハンター」が世界的にアツい!?
アニメ「シティーハンター」と聞いて“懐かしい!”と感じるのは、30代後半から40代半ばくらいの世代だろうか。<週刊少年ジャンプ>で1985年から連載がスタートした北条司によるマンガが1987年にアニメシリーズ化されたもので、新宿の街でスイーパー(始末屋)として暗躍する主人公、冴羽リョウとその仲間たちの物語だ。特番も含めると90年代後半までアニメ化が続いた長寿作品でもある。
同時に他アジア圏ではオリジナル要素を加えた実写映画として度々映画化されており、その自由度の高さもあってか、かなりの人気コンテンツとなっている。ジャッキー・チェン主演で1993年に公開された同名映画は日本でも有名で、アニメ版とは似ても似つかないもっさりしたリョウ=ジャッキーが白いスーツ姿でドタバタアクションを繰り広げる珍作だった。
原作も各国で翻訳版が出版されるほどの人気で、特にフランスでは「ニッキー・ラルソン」の名で親しまれており、今年めでたく実写化されるという。原作ファンならば、仏語版マンガでリョウが“ムッシュ”と呼ばれていたのをご存知だろう。とにかく全世界的に今(なぜか)シティーハンターがアツいのである。
色んな意味で鍵になる! 香というキャラクターの重要性
さて、今回の劇場版ではシティーハンターへの依頼=XYZを描くお馴染みの掲示板がAR仕様になっていたりと、現代らしいアップデートも楽しい。しかし、やはり気になるのはリョウのキャラクターの改変だ。
なにしろ原作/アニメのリョウは、登場するなり堂々と女性のスカートめくりをするわ何かと「もっこり!」と口にするわ、とにかく筋金入りの変態である。現代のコンプライアンス基準からしたら完全にNGなキャラなのだが、その辺りはリョウのサイドキックである槇村香が放つハンマーの最初の一撃に添えられた「時代に配慮しろ!」的なセリフから、制作側の気遣いが伺えた。
香はいわゆる“ツンデレ”の走りとも言えるキャラであり、シティーハンターの物語には欠かせない存在だ。本作では巨大な陰謀を暴くきっかけとなるだけでなく、リョウの(下半身の)暴走を制止するという意味でも、原作/アニメ版以上に重要なポジションを担っている。多くのファンが期待するであろう、リョウとの関係の前進にも注目していただきたい。
挿入歌には往年のテーマソングを贅沢に使用!
もちろんスゴ腕の元傭兵ファルコンaka海坊主とパートナーの美樹、敏腕刑事・野上冴子、シティーハンター誕生のきっかけとなった作品「キャッツ・アイ」の3人も登場。さらに劇中では「CITY HUNTER ~愛よ消えないで~」「Angel Night ~天使のいる場所~」「SARA」「SUPER GIRL」「Get Wild」などなど往年の主題歌が挿入され、古参ファンへの目配せも十分である。
気になる声優陣は、神谷明、伊倉一恵、玄田哲章、戸田恵子(キャッツ・アイ/瞳)らオリジナル版の面々に加え、山寺宏一や大塚芳忠など大物をキャスティング。劇場版オリジナルキャラの声をあてる飯豊まりえも、声優初挑戦とは思えない見事な演技力を披露しているので注目してほしい。
『劇場版シティーハンター 〈新宿プライベート・アイズ〉』は2019年2月8日(金)より全国ロードショー
『劇場版シティーハンター 〈新宿プライベート・アイズ〉』
裏社会ナンバーワンの腕をもつシティーハンター冴羽リョウは、新宿に事務所を構え、相棒の槇村香と様々な依頼を受けている。そこに、何者かに襲われたモデル・進藤亜衣がボディーガードの依頼にやってきた。美女の依頼を快諾したリョウだが、もっこり全開のやりたい放題…。亜衣がキャンペーンモデルを務めるIT企業の社長・御国は、なんと香の幼馴染。一方、海坊主と美樹は傭兵が新宿に集結する、という情報を入手。そして、傭兵達は何故か亜衣を狙うのだった…。敵の正体を探る冴子が直面する巨大な陰謀!来日する大物武器商人と最新兵器。御国の登場により、すれ違う獠と香。シティーハンターは亜衣と新宿を護りぬくことができるのか!?
制作年: | 2018 |
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監督: | |
出演: |