予習ゼロでOK!超タイトかつ濃密アクションが展開
本作の監督・谷口悟朗が原案・クリエイティブ統括を務める2022年にフジテレビで放映されていたTVアニメ『エスタブライフ グレイトエスケープ』と同じ世界観で本作は描かれており、『エスタブライフ』の主人公<逃がし屋エクストラクターズ>が本作にも登場するなど、同じ世界観の中での広がりを感じさせる作品だ。本作の中では、その世界観は触れる程度にしか説明はされないが、映画が進むにつれてストーリーの中でその内容をきちんと理解できるようにしているのでご安心を。
さらに昨今では大作の上映時間が3時間超も当たり前になっている中で、本作は97分という超タイトな時間に収まっているのも潔い。それでいて超カッコイイ義足兵器や、アクションのカメラワークなどアニメでしか表現しえない濃密アクションがオープニングからクライマックスまで随所で炸裂しているので、観終わった後で時間以上の満足感を得られること間違いなしだ。
『サンダードーム』とのシンクロぶりに感涙!
そして別稿でも触れられているように、本作は過去の様々なメディアからの影響を感じさせる作品となっている点も特徴的。しかし、それが「俺、これ好きなんすよ」というオタク特有の押しつけがましい感じではなく、あくまでも物語の中で自然に出ているのも好感度が高い。
特に『マッドマックス』シリーズ(1979年~)からの影響は至るところに存在しており、特に『怒りのデスロード』(2015年)からの影響は非常に大きいと感じたが、個人的には「荒野の圧政都市から桃源郷へ列車でのエスケープ」というシチュエーションがシリーズ第3作『サンダードーム』(1985年)とバッチリシンクロしていて、世間的に数少ない『サンダードーム』派の僕としては涙が出るほど嬉しかった。
ということで早速クチコミも好評な本作。ぜひ大きなスクリーンで観て、超絶アクションに酔いしれて頂きたい。
文:高橋ターヤン
『BLOODY ESCAPE -地獄の逃走劇-』は全国公開中
Presented by 2024 BLOODY ESCAPE製作委員会
『BLOODY ESCAPE -地獄の逃走劇-』
人体実験によって改造人間となったキサラギは、ある組織に追われていた。
その組織とは、分断された「東京」の制覇を目論む不死身の吸血鬼集団「不滅騎士団」。
さらに、殺された親分の敵討ちを誓うヤクザたちも追っ手に加わり、全てを巻き込んだ大抗争へと発展していく。
「元から生きる理由は無いが、コイツらに殺される理由もない──」
改造されあらゆる武器を仕込まれた身体と自らの特殊な“血”を駆使して、キサラギの地獄の逃走劇が始まる!!!
監督・脚本・原案:谷口悟朗
共同脚本:永井真吾
アニメーション制作:ポリゴン・ピクチュアズ
企画・プロデュース:スロウカーブ
キャラクターデザイン原案:コザキユースケ
音楽:中川幸太郎
主題歌:アツキタケトモ「匿名奇謀」
声の出演:小野友樹
上田麗奈 斉藤壮馬 内田雄馬 ゆきのさつき
倉田雅世 福山潤 置鮎龍太郎 中谷一博
大橋彩香 高橋李依 長縄まりあ 速水奨
三木眞一郎 日高里菜 山寺宏一
制作年: | 2024 |
---|
2024年1月5日(金)より全国公開中