観たぞ! 最狂バイオレンス『BLOODY ESCAPE』
世界が『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015年)のように荒廃した世界。新宿は『ニューヨーク1997』(1981年)や『ジャッジ・ドレッド』(2012年)のような高い塀で分断され、『仁義なき戦い』(1973年)に登場するようなゴリゴリの反社たちが管理するディストピアになっていた。
そんな街に、ヴァンパイア軍団から追われる半分機械・半分吸血鬼の男がやって来る。彼は、巨大反社組織から狙われた少女と出会い、ふたりは『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のように新宿を脱走し、新天地を目指して荒野を武装マシンで爆走する。
しかし、そこに改造ヴァンパイアに恨みを持つヴァンパイア軍団が現れ、改造ヴァンパイア・巨大反社組織・ヴァンパイア軍団が三つ巴のバトルを荒野で繰り広げる!
――という、アクション映画ファンやバイオレンス映画ファンが大好きな要素がパンパンに詰まった奇跡のような映画があるなら観たいですよね? これが、あるんですよ! 2024年1月5日(金)から全国の劇場で公開される映画『BLOODY ESCAPE -地獄の逃走劇-』が、そういう作品なんです! アニメファンだけじゃなく、実写アクション映画ファンにも是非観てほしい作品なので、今からその魅力を解説させてください!
午後ロー魂あふれるタイトル!『エスタブ』ファンも期待して間違いなし
この作品、まず素晴らしいのが、今どき珍しいぐらい景気の良いタイトル!「ブラッディ」、「エスケープ」、「地獄」、「逃走劇」って物騒なワードばかりで、とても2024年に公開される映画とは思えません。テレビ東京の午後のロードショーで放映されるアクション映画や東映Vシネマ的なスピリッツあふれるタイトルになっていて、大変好感が持てますよね。
そんな本作の原案・脚本・監督を担当したのは、『コードギアス』シリーズ(2006年~)や『ONE PIECE FILM RED』(2022年)の監督として知られる谷口悟朗さん。先日、BANGER!!!で谷口監督のインタビューをやらせてもらったのですが、そこで監督は「好きな映画の影響を自然と受けた作品になっている」と語ってくれました。
が、大好きな映画の影響を受けつつ、そこに谷口監督ならではの味付けがされた結果、近未来バイオレンス映画ファン、SF映画ファン、アニメファンが観たことがない、斬新かつハードコアな世界観をアピールしてくれる仕上がりになっています。
ご存知の方もたくさんいると思いますが、本作は谷口監督が原案・クリエイティブ統括を担当されたTVアニメ『エスタブライフ グレイトエスケープ』(2022年)と同じ世界が舞台になっている。でも、『エスタブライフ』を未見の方でも問題なく楽しめる作品に、なんなら本作鑑賞後に『エスタブライフ』を楽しむのも充分アリ! な作りになっていますのでご安心ください!
同じ世界を共有する『エスタブライフ』は全体的に明るいトーンの作品ですが、本作は『マッドマックス』シリーズ(1979年~)や永井豪の漫画「バイオレンスジャック」のような“ビバ! 弱肉強食”精神あふれる近未来バイオレンス映画のデンジャラスな魅力が濃厚に漂うテイスト。ちなみに『エスタブライフ』の主役チームも本作に登場しますが、本作の主人公を務めるのは映画のオリジナルキャラ。なので、彼らのポジションは、『機動警察パトレイバー 2 the Movie』(1993年)や『WXIII 機動警察パトレイバー』(2001年)の泉野明たち特車二課第二小隊隊チックな立ち位置。脇役に回ったからこそ出せるイイ味を醸し出しているので、『エスタブ』ファンも期待していてください。
『BLOODY ESCAPE -地獄の逃走劇-』
人体実験によって改造人間となったキサラギは、ある組織に追われていた。
その組織とは、分断された「東京」の制覇を目論む不死身の吸血鬼集団「不滅騎士団」。
さらに、殺された親分の敵討ちを誓うヤクザたちも追っ手に加わり、全てを巻き込んだ大抗争へと発展していく。
「元から生きる理由は無いが、コイツらに殺される理由もない──」
改造されあらゆる武器を仕込まれた身体と自らの特殊な“血”を駆使して、キサラギの地獄の逃走劇が始まる!!!
監督・脚本・原案:谷口悟朗
共同脚本:永井真吾
アニメーション制作:ポリゴン・ピクチュアズ
企画・プロデュース:スロウカーブ
キャラクターデザイン原案:コザキユースケ
音楽:中川幸太郎
主題歌:アツキタケトモ「匿名奇謀」
声の出演:小野友樹
上田麗奈 斉藤壮馬 内田雄馬 ゆきのさつき
倉田雅世 福山潤 置鮎龍太郎 中谷一博
大橋彩香 高橋李依 長縄まりあ 速水奨
三木眞一郎 日高里菜 山寺宏一
制作年: | 2024 |
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2024年1月5日(金)より全国ロードショー