アカデミー賞脚本賞ノミネート監督、北欧の新たなる鬼才エスキル・フォクトの最新作にして、世界の映画賞を総なめにしたサイキック・スリラー『イノセンツ』が2023年7月28日(金)より全国公開。このたび監督を務めるエスキル・フォクトのインタビューが到着した。
『ミッドサマー』を継承する北欧の新たな鬼才が放つサイキック・スリラー
2021年第74回カンヌ国際映画祭ある視点部門正式出品、2022年ノルウェーのアカデミー賞アマンダ賞で監督・撮影・音響・編集の4部門を受賞。世界の映画祭で16映画賞を受賞し、米批評サイト<RottenTomatoes>では満足度96%を獲得――。ジャンル映画ながら、そのクオリティの高さを世界が認め絶賛した北欧サイキック・スリラーが『イノセンツ』だ。
物語の舞台はノルウェー郊外の住宅団地。夏休みに友達になった4人の子供たちは、親たちの目の届かないところで隠れた力に目覚める。近所の庭や遊び場で新しい力を試す中、無邪気な遊びが影を落とし、奇妙なことが起こりはじめ……。
「童夢」の影響大!? 気鋭監督が『イノセンツ』を語る
近年、『ミッドサマー』や『ハッチングー孵化ー』、『LAMB/ラム』など北欧スリラーが世界中の映画ファンの心を掴んでいる。『イノセンツ』もまた、その唯一無二の美しくも不気味な世界の虜になる観客が続出すること請け合いの作品となっている。
監督を務めたのは、『わたしは最悪。』でアカデミー賞脚本賞にノミネートされたエスキル・フォクト。ヨアキム・トリアー監督の右腕として、『母の残像』、『テルマ』、『わたしは最悪。』の共同脚本を共に手がけてきた才人だ。
本作はフォクト監督の長編二作目で、日本の劇場では初公開の監督作となる。団地を舞台に子どもたちがサイキック・バトルを繰り広げる物語――と言えば、大友克洋の伝説的コミック「童夢」を想起する人も多いかと思うが、まさにフォクト監督は「童夢」からインスピレーションを受けて本作を創り上げたという。
そんなエスキル・フォクト監督に、ホラー・スリラーというジャンルについてどうアプローチしたのか? 北欧におけるジャンル映画の位置づけ、主役の子供たちへの演技指導などについて話を聞いた。