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「日本のどこにでも“表沙汰にできないこと”がある」Jホラーの巨匠・清水崇が最新作『忌怪島』の最恐タブー「イマジョ伝説」を語る

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「日本のどこにでも“表沙汰にできないこと”がある」Jホラーの巨匠・清水崇が最新作『忌怪島』の最恐タブー「イマジョ伝説」を語る
『忌怪島/きかいじま』©2023「忌怪島 きかいじま」製作委員会
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ホラー映画ほど個性が必要とされるジャンルはない。数多存在するホラー映画の中、埋もれることなく人々の目に付くような光を発するには、かなりの努力が必要だ。

その点、『忌怪島/きかいじま』は巧くやっている。本作は、従来からあったアジア映画特有の湿った恐怖観――“『村』シリーズ”にあったような――と、テクノロジーに対する恐怖観が見事に融合しているのだ。

『忌怪島/きかいじま』©2023「忌怪島 きかいじま」製作委員会

“イマジョ”がやってくる

未だシャーマニズム信仰が残る島。そこでは「シンセカイ」と名乗るチームがVR研究に勤しんでいた。しかし、その研究は謎の“赤いバグ”によるシステムエラーで中断してしまう。

研究チームが謎の失踪を遂げる中、島のシャーマンは告げる。

「“イマジョ”がやってくる」

“イマジョ”の影響でメタバースと現実世界が曖昧となり、島は地獄の様相となる。阿鼻叫喚の中、島の恐ろしい歴史や不可解な死を解き明かしていく。

『忌怪島/きかいじま』©2023「忌怪島 きかいじま」製作委員会

日本ムラ社会の“爛れ”にフォーカス

システムに潜むバグが怨霊……悪い冗談なのか? いや、これは意外と的を射ている。システム屋にとってバグは恐怖であり、(修正するまでは)正体不明であり、怨霊のそれと同じだからだ。

それはさておき『忌怪島』では、“イマジョ”と呼ばれる禁忌がメタバースを介して、現実世界を侵食。人間たちを脅かしていく。

『忌怪島/きかいじま』©2023「忌怪島 きかいじま」製作委員会

どことなく鈴木光司の「リング」から続く貞子シリーズ完結編「ループ」(未映像化)を彷彿とさせるプロットだ。だが虚構が一方的に現実を侵食した「ループ」と違い、『忌怪島』はメタバースと現実世界を曖昧にし、キャラクター自身も気がつかない間に両者の間を行き来させる。

“イマジョ”がいたメタバースは“あの世”という扱いなのである。「シンセカイ」のメンバーが島をトレースした結果、眠っていた島の禁忌までもバグという形で具現化してしまうとは、なかなか斬新な設定である。

この新しさに併せて、“イマジョ”誕生の理由として、日本ムラ社会の爛れにフォーカスしている。非常に昭和的な発想なのだが、これがまた『忌怪島』を面白くしているポイントでもある。

『忌怪島/きかいじま』©2023「忌怪島 きかいじま」製作委員会

現実世界とメタバース、日本のムラ社会……新旧合わせて紡がれるホラーストーリーは非常に新しい。また、役者陣もベテランから若手まで魅力にあふれる芝居を見せる。

さて、相当に気合いの入った本作。清水崇監督は、どんな考えで『忌怪島』を作り出したのだろう? お話を伺ってみた。

『忌怪島/きかいじま』清水崇 監督 ©2023「忌怪島 きかいじま」製作委員会

次ページ:「リング」3部作の最終章「ループ」を彷彿?
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『忌怪島/きかいじま 』

とある南の島でVR(バーチャル・リアリティ)を研究するチーム「シンセカイ」。しかし、彼らが開発中のシステムに“赤い女”のバグが突然現れるとともに、不可解な連続死が発生する。現実世界と仮想世界が交ざり始めてしまった…? 彼らは謎を解き明かし、閉ざされた島から抜け出すことができるのだろうか!?

監督:清水崇
脚本:いながききよたか 清水崇

出演:西畑大吾(なにわ男子)
   生駒里奈 平岡祐太 水石亜飛夢 川添野愛
   大場泰正 祷キララ 吉田妙子 大谷凜香 ・ 笹野高史
   當真あみ なだぎ武 伊藤歩 / 山本美月

制作年: 2023