コーディネートのポイントから気になる生理用品事情までリアルに語る!
映画『スケート・キッチン』は、ニューヨークに実在する同名のガールズスケートクルーをフィーチャーした青春群像劇。躍動感いっぱいにスケボーで街を駆け抜ける彼女たちの姿が捉えられているが、ドキュメンタリーではない。
本作が劇場用長編デビューとなるクリスタル・モーゼル監督は、スケート・キッチンの面々に聞いた話をもとに脚本を執筆し、演技経験ほぼゼロの彼女たちがそれぞれ自分に似たキャラクターを演じた。スケートパークやストリートに集まって一緒に遊び、技を磨きながらInstagramやYouTubeで発信を続けている彼女たちは、スケート界からはもちろん、ファッション界からも注目を集める存在だ。
このたび映画の公開にあわせて来日したメンバーの4人、インディゴ役のアジャニ・ラッセル、ルビー役のカブリーナ・アダムズ、イライザ役のジュールス・ロレンゾ、クイン役のブレン・ロレンゾに、撮影の裏側とスケートのある日常について話を聞いた。
参考にしたい! 絶妙なバランス感覚が光る個性的なファッション
―映画の中でも外でも、みなさんそれぞれにおしゃれで素敵ですね。今日のスタイリングのポイントを教えてください。
ジュールス:えーっと、この黒いパンツはすごく気に入っていて、数ヶ月前に手に入れてからどこに行くにもこればっかり穿いてる気がする(笑)。黒が好きなの。トップスも同じファブリック。ベルトはシューレースを結んでる(※金色の靴ヒモ2本使い)。こういうのって身につけると気分があがるでしょ。あとピンクのサングラスで全身黒に差し色。これが私のアウトフィット!
カブリーナ:うーん……私は色あざやかなのが好きなんだけど、同時に黒もどこかに入れときたい。そこにもっとカラー、カラー、カラーって重ねていくスタイル。
―いつもヘッドドレスが素敵ですよね。
カブリーナ:イェー。ビンゴ!
ブレン:いまカラフルなのがいろいろ出回ってて、そのうえ今回は私たち日本に来たでしょ。街じゅうにいろいろな色があって、そこが本当に好き。だから、これ(明るいブルーのシャツとショートパンツ)に足元はネオンイエロー。ソックスはベガスの柄で、ちょっとしたお金の要素を(笑)。でもってバッグはお母さんのおさがり。
アジャニ:私はたまたまそこにあった服を着るだけ。
―ロゴが縦に入ってるソックス、かっこいいですね。
アジャニ:ありがと。これはスケートボードブランドの<BAKER>のやつ。ジュエリーは友達が作ってくれた贈り物で、私たちのフレンドシップ・ブレスレット。バナナとスケートボードのチャームがついてるんだ。
―そういうの最高ですね! 映画でも私服を着ているのでしょうか?
ジュールス:現場にはスタイリストが入っていたけど、私服もいっぱい着てる。「こんなの持ってるんだけど」って、組み合わせて使ったりね。
スケーターたちが全面協力! 共同作業で作り上げたリアルな脚本
―この映画はフィクションですが、会話やディティールがとてもいいなと思いました。脚本はどんなふうに作られたのでしょうか?
ジュールス:まず監督のクリスタルとたくさん話したんです。私たちの経験とかアイデアを彼女が集めて、ストーリーを組み立てて。それで彼女がたくさんのスクリプトを書いてきて、よりリアルに聞こえるように私たちでチェックしたり、そういう共同作業からできあがりました。
カブリーナ:私たちの友達のアレックスっていう子(※アレクサンダー・クーパー。映画にはチャーリー役で出演)がクリスタルに協力して、会話の中のスラングを説明したり、スケーターの男の子たちのノリを彼女やジェイデンが理解できるように手伝いました。
―映画でジェイデン・スミス演じるデヴォンをめぐるラブストーリーの部分はフィクションということですが、他の部分は実際の経験を反映しているのでしょうか?
ジュールス:だいたいは本当に起こったことだけど……。
アジャニ:男の子絡みのところは全部つくられてるよね。
ブレン:ストーリーはフェイクだけど、本当のことに基づいた映画っていうか。
―映画の中で特に好きなシーンはありますか?
カブリーナ:カミーユがミッドタウンで男の子たちとスケートしてるところが好き。
ブレン:あそこいいよね。
カブリーナ:私はいつもカメラを持って撮影風景をうしろから撮影してたんだけど、この時は行けなかったんだ。だからあそこは映画ではじめて観たの。
アジャニ:私はストリートフェアの屋台でコットンキャンディを食べてるシーンが好き。
タンポン派? ナプキン派? アメリカでも人それぞれ!
―みんなで生理用品について話して、カミーユがタンポンを使ってみる場面が印象に残りました。アメリカではタンポンが標準的なのかなと思っていたので……。
一同:そんなことないよ!
ジュールス:人それぞれだよね。友達の中でも使うのを怖がる子もいるし、全然平気な子もいる。私は使うけど。
カブリーナ:私は使ったことないな。
―スケート・キッチンの仲間たちに加えて、カミーユとお母さんとの関係にフォーカスしているところも印象的です。あれは監督のアイデアですか?
ジュールス:そう。あと演じたレイチェル(・ヴィンベルク)と彼女の本当のお母さんとの、これまでの関係も反映されていると思う。クリスタルは私たちにそれぞれのストーリーを聞いて脚本を書いたんだけど、そこには当然、家族の人間関係の話も入ってくるから。ある時点で親とうまくいかなかったり、そのうちうまくいったり。お母さんとお父さんがうまくいかなかったり。そういうのってティーンエイジャーにとって本当によくあることだから、みんな身に覚えのある話として受け止められるんじゃないかな。
『スケート・キッチン』
内気なカミーユはある日、“スケート・キッチン”と呼ばれるガールズスケートクルーと出会い、スケートボードと共に自分探しの旅に出る。
制作年: | 2018 |
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監督: | |
出演: |