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草彅剛×香取慎吾×三谷幸喜が心中明かす!『burst!~危険なふたり~』は“互いの人生が交差する”怒涛の二人芝居

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ライター:#石津文子
草彅剛×香取慎吾×三谷幸喜が心中明かす!『burst!~危険なふたり~』は“互いの人生が交差する”怒涛の二人芝居
草彅剛 三谷幸喜 香取慎吾『burst!~危険なふたり~』

三谷幸喜の作・演出による、草彅剛香取慎吾の二人芝居『burst!~危険なふたり~』。一瞬たりとも目の離せない、まさにburst=炸裂したような舞台が現在上演中だ。開幕前夜に行われた取材会とゲネプロ(公開通し稽古)の模様、そして公演レビューをお届けする。

舞台『burst!~危険なふたり~』は2015年以来、7年ぶりの再演。9月初旬の稽古初日に草彅は香取と記念写真を撮り、千秋楽に香取の顔がどう変わっているか見直すのを楽しみにしているという。そこで、ちょっと気が早いが「1ヶ月にわたる公演後、舞台をやり通した時の気持ちを想像してほしい」と三人に聞いてみた。

草彅剛 三谷幸喜 香取慎吾『burst!~危険なふたり~』

「めっちゃ緊張しますよ!」

草彅:毎回、何かが違うので、終わってしまうのは淋しいかな。なので今日はとてもワクワクしていて、もしかしたら今日が一番楽しいかなって思ったりするんですよね。だから気が早いですけど、再々演をしたいな、って気持ちで終えるんじゃないかな。

三谷:演出家というのは淋しい仕事で、僕が関わる時間は明日(初日)が最後なんですよね。それまでに完璧なものを作っておいて、幕が開いたらあとは千秋楽までおまかせ、というか。僕も毎日劇場に来ることはないですし、あとはもうお二人におまかせするしかないんです。1ヶ月後にどう思うかと言えば、「え、まだやってたの?」って、そんな感じになっているかもしれません(笑)。

香取:1ヶ月後、僕は「やった!終わった!」となると思います。やっぱり緊張するので。緊張を楽しみながらも、それが1ヶ月も続くと思うと、解放感しかないんじゃないかと思います。だからもう(草彅が)再々演って言ってるのがすごい、信じられないですよ(笑)。僕は今のこと、明日のことしか見えてないので、その先のことを言ってるのはビックリです!

香取慎吾 草彅剛『burst!~危険なふたり~』

三谷:今、初めて知ったんですけど、(香取さんは)緊張されてるんですね?

香取:緊張してますよ!

三谷:他の仕事とは全然違いますか?

香取:そうですね。違いますね。

三谷:どういうところが?

香取慎吾『burst!~危険なふたり~』

香取:……ちょっといいですか?(草彅剛に向かって)何でニヤニヤ笑ってるんだよ!

草彅:緊張してるのかぁ、って思って(笑)。

三谷:ねえ? びっくりしましたよね。

草彅:1ミリも感じないよね、緊張してるなんて(笑)。でも香取くんはポーカーフェイスなところがあるので、もしかしたら本当に緊張しているのかもしれない。

香取:まだ(台本を)覚えてないんですもん。そりゃ緊張しますよ。

三谷:それは緊張しますね(笑)。

草彅剛『burst!~危険なふたり~』

―ゲネプロでセリフを確認をしているんですか?

香取:もうちょっとなんです! 8割ぐらいまでは覚えられたので。

草彅:天才ですよね! 明日が初日なのに、8割って。半端じゃないですよね! あと2割をここからどうやって巻き返すんだろう? すごいなぁ。

香取:憶えてないままやろうとしてるんですよ。めっちゃ緊張しますよ! やってやります。

香取慎吾『burst!~危険なふたり~』

「二人の人生が交差して何かが生み出される」

―前回は舞台中に地震が起きたり、草彅さんが一瞬、あるセリフを忘れてお客さんに「なんだ?」と尋ねる場面がありましたね。

草彅:ありました。今回もなにかあるんじゃないですかね。ちょっとハプニングが起きそうなシーンもあるので、ほんとにみんな助けながら、どうにか最後までたどり着けたら。毎日、瞬間瞬間がハラハラする舞台なので、そういった面でも本当に楽しみです。

三谷:助けられながら、ですね。

草彅:もう何が何だか、よくわからないですよ(笑)。とにかくその日をなんとかする。舞台上には二人だけなので、頼れるのはお互いだけ。冷静に考えたらすごい舞台だなと思います。

草彅剛『burst!~危険なふたり~』

―お客様に向けてメッセージをお願いします。

三谷:僕はこのお二人の大ファンで、二人のために作品を作ることができたことをすごく光栄に思っています。この舞台は1時間40分ありますが、こんなに長く生の二人を見ていられるチャンスってあんまり無いと思うんですよね。ずーっと出ていますから。それはすごい機会だと思うので、その機会を存分に味わって楽しんでいただきたいと思っております。

草彅:コロナ禍で課題はある中、このように舞台を行えることを本当に幸せに感じていますし、来ていただくお客さんにはとても感謝しています。この舞台では、慎吾ちゃんとの30年以上の絆だったりとか、お互い自分自身でもわからないようなところで繋がっている気持ちだとか……大げさではなく、二人の人生が交差して何かが生み出される。お互いの人生のすべてを賭けてというか、そんな素敵な舞台になればいいなと思いますし、来ていただける方には幸せを持って帰ってもらいたいと思っています。1ヶ月間よろしくお願いします!

香取:コロナ禍でエンターテインメントというものが形をどんどん変えていく中で、こうしてお客さまに足を運んでもらって、有観客で1時間40分、必ず皆さんの良い思い出になる、それはずっと忘れられない楽しい時間だったり、ハラハラする時間だったり、そんな気分になれる舞台だと思うので、たっぷりその時間を楽しんでいただきたいと思います。僕は、この舞台に人生は賭けていません(笑)。

草彅:うははははは。

香取:ちゃんちゃん、って(笑)。

全員:よろしくお願いします!

草彅剛 三谷幸喜 香取慎吾『burst!~危険なふたり~』

天才と怪物の対決

注:以下、公演の内容に一部触れています。ご注意ください。

三人の息の合ったやり取りに期待が高まる中、ゲネプロが行われた。

『burst!~危険なふたり~』は、栃木県足利市に住む青木の家に、爆弾処理班の根上から電話がかかってくることから始まる。以下、若干ネタバレになるが、草彅と香取は基本電話で会話をしている設定のため、ステージ上には常に二人がいるものの、お互いの顔を見ないで話は続いていく。

『burst!~危険なふたり~』

「二人しか出ていないのに、顔を合わせるのは一度だけ。実は演劇的にかなり高度なことをしているんです」(三谷)というように、非常に難度の高い二人芝居ながら、全く違和感がない。さらに暗転した後は二人が入れ替わっている。7年前のパルコ劇場での初演も観ているが、今回の日本青年館ホールは段違いにステージも客席も広い。だが、この大箱の空気を一瞬にして緊迫させ、笑わせる二人の演技の自由自在さ、そして三谷脚本の構成の妙には唸らされる。いや、実際には現場で大笑いしたのだけれど。

『burst!~危険なふたり~』

さらに面白い仕掛けがいくつか。芝居の後にアフタートークがあり、当日のことを振り返るのだが、香取慎吾はこのゲネプロで初めて台本を持たずに通しで演じたというのが信じられないほど、見事にやってのけた。そして草彅剛の狂気ともいうべき、純度の高い芝居。“天才と怪物の対決”とも言える。どちらが天才で、どちらが怪物なのか。それが入れかわる瞬間もたびたびある。ぜひとも劇場で目撃してほしい。

『burst!~危険なふたり~』

数日後、実際の公演を観に行ったところ、稲垣吾郎の場内アナウンスにも大笑いさせられた。とても台本を読んでいるようには思われないトーク(この自然さは、彼の主演作『窓辺にて』[2022年11月4日公開]でも堪能できる)も、会場のムードを盛り上げる。当日券も若干あるようなので、ぜひ彼らのファン以外の方にも観て欲しい。

取材・文:石津文子
撮影:川野結李歌

『burst!~危険なふたり~』は日本青年館ホールにて2022年10月1日(土)から10月26日(水)まで上演

『burst!~危険なふたり~』

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『burst!~危険なふたり~』

作・演出 三谷幸喜、出演 草彅剛・香取慎吾の3人による競演が実現した奇跡の舞台『burst! ~危険なふたり〜』が7年ぶりに復活!

制作年: 2022