3つの「R」の意味は?
『RRR』はインド発のスーパーアクション・エンターテインメント。あの『バーフバリ』シリーズ(2015年/2017年)のS.S.ラージャマウリ監督が1920年のインドを舞台に、2人の男の友情と激突、そして“笑っちゃうくらいすごいバトル”を描きます。
ちなみに『RRR』は「アール アール アール」と読みますが、意味は特にない。「トリプルX」のように主人公の名前ではないし、「プロジェクトA」みたいな作戦名でもなく、<RRR>という秘密結社が出てくるわけでもありません。
もともと監督と主演2人(NTR Jrとラーム・チャラン)の名前に「R」の文字があったから、この3人が手を組む作品、ということで『RRR』という仮タイトルで製作が進んでいた。けれどそれが定着したので、そのままタイトルとして使われるようになったそうです。ちなみに映画の冒頭で、これは火(FI“R”E)と水(WATE“R”)のように真逆な2人の男が登場する物語(STO“R”Y)ということで『RRR』だ、みたいに説明されます。
熱い友情で結ばれた2人の男が激突!
1920年のインドは英国植民地です。英国軍の圧政にインドの人々は苦しめられていました。ある日、残酷な英国の提督夫婦が、狩りに寄った村でヘナアート(ボディアートの一種)の才能と美しい唄声を持つ少女マッリを気に入り、自分たちの屋敷に連れ帰ってしまいます。ほとんど拉致。マッリの兄で村一番の最強の戦士ビームは、妹を奪還すべく提督を追って首都デリーへ。
一方、そのことを知った提督たちはインド人警官のラーマに、ビームを捕らえるよう命じます。ラーマは優秀かつスゴ腕の警官ですが、インド人であるために不遇な扱いを受けていました。
そして運命のいたずらが2人の男を引き合わせます。ビームは偽名を使っており、そもそも誰も彼の顔を知らないので、ラーマは彼がビームと気づかない。一方、ラーマも警官の立場を隠して捜査しているので、ビームは彼が警官だと思いません。
やがて2人は固い友情で結ばれます。しかし本来は敵同士。ビームがマッリを救出すべく提督の屋敷を攻撃した時、ついに2人は激突します!
水の男と火の男、ケレン味たっぷりの大立ち回り!
宣伝コピーにもあるように、「彼らが選ぶのは友情か? 使命か?」というストーリーのもと、とにかくアクション! アクション! アクション! そして、これぞインド映画! なダンスバトルです。ビームが屋敷を攻撃する際、猛獣たちを敷地内に解き放ち撹乱作戦となります。虎やオオカミと一緒に飛び出すビームの物凄さ! かたやラーマは射撃の名手!『バーフバリ』では剣や弓が主人公の肉体の一部のように描かれていましたが、彼はライフル銃をアクロバチックに使いこなします。
ビームは水、ラーマは火の男でもあり、水しぶきをバックにすごむビーム、炎を背に立ちはだかるラーマの対決は、ケレン味たっぷりでかっこよすぎ!
しかしながらこの映画、このアクションに至るまでにビームとラーマの友情をしっかり描いており、観ているこちらとしては筋がわかっていても「え、この2人が戦っちゃうの!? やめて!」と思ってしまう。だからこそ盛り上がるんですね。
そして、この屋敷での戦いがクライマックスと思いきや(普通のアクション映画だったらここで終わらせても全然OKなのですが)、実はこれが序盤でしかない。上映時間、3時間ありますから(笑)。ここから先は、さらにすごい展開となります。
アメコミ映画も顔負け!?『RRR』とMCUの共通点とは
『RRR』は、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)で『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014年)、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016年)、そして『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018年)と『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年)のルッソ兄弟が絶賛したそうですが、その理由はよくわかります。
とにかくアクションがすごいんですが、MCUのルッソ兄弟作品に通じるものがあるんですね。ビームとラーマは普通の人間、つまりスーパーパワーは持っていないのですが、その身体能力や戦闘スキルは超人級。ランボーやコマンドーというよりも、キャプテン・アメリカやウィンター・ソルジャー、ホークアイ、ブラックパンサー的な強さを持ったキャラです。ビームとラーマともに、アベンジャーズにいてもおかしくない。
おそらくS.S.ラージャマウリ監督はMCUの、特にルッソ兄弟のアクション描写を相当意識したんじゃないかな。さらに<友情と対立>という構成は、『ウィンター・ソルジャー』『シビル・ウォー』に通じるエモーショナルなテーマです。
実在の英雄2人が時代を超えて映画で邂逅!
ビームとラーマの2人は、実在したインド独立運動の英雄なんだそうです。ただし、この2人が実際に出会ったことはない。けれど、この映画では“そんな英雄2人がもし一緒に戦ったら?”的な楽しさがある。こういう夢の共演型アッセンブル感もMCUっぽいですよね。
というわけで『バーフバリ』信者(僕もそうです)、アクション映画ファンはもちろん、アメコミ・ヒーロー映画好きにもぜひ観て欲しい。激しいアクションの連続ながら、必要以上に残酷なシーンはありません。
なお、火を放つと必ず近くに火薬庫があって大爆発したり、主要登場人物がすごい偶然で出会うことで話がいっきに進んだりとご都合主義的なところもありますが、それも王道エンタメならではです。
それと忘れちゃいけないのが、歌と踊り。とくにビームとラーマの活躍シーンには2人を称える歌が流れ、まさにヒーローソング。特撮ドラマの主題歌的な胸アツ効果があります。つまり『RRR(アール アール アール)』は「観ろ! 観ろ! 観ろ!」な傑作です。
文:杉山すぴ豊
『RRR』は2022年10月21日(金)より全国公開
Presented by ツイン
『RRR』
舞台は1920年、英国植民地時代のインド。
英国軍にさらわれた幼い少女を救うため、立ち上がるビーム。大義のため英国政府の警察となるラーマ。
熱い思いを胸に秘めた男たちが運命に導かれて出会い、唯一無二の親友となる。しかし、ある事件をきっかけに究極の選択を迫られることに。
彼らが選ぶのは、友情か?使命か?
監督・脚本:S.S.ラージャマウリ
原案:V.ヴィジャエーンドラ・プラサード
音楽:M.M.キーラヴァーニ
出演:NTR・Jr. ラーム・チャラン
制作年: | 2022 |
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2022年10月21日(金)より全国公開
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