夏の風物詩・ホラー映画の最新作を劇場に観に行こう!! 2022年8・9月劇場公開の粒ぞろいのホラー作品を一挙紹介する。ジョーダン・ピール監督最新作『NOPE/ノープ』や、A24が手がける『LAMB/ラム』、相葉雅紀主演作『“それ”がいる森』など注目作が登場するぞ!!
2022年8・9月劇場公開の注目ホラー作品5選!
“最悪の奇跡”を描く『NOPE/ノープ』2022年8月26日(土)公開
アカデミー賞4部門にノミネートされた『ゲット・アウト』(2017年)や『アス』(2019年)のヒット作で注目を集めるジョーダン・ピール監督の3年ぶりとなる待望の最新作『NOPE/ノープ』。舞台は南カリフォルニア、ロサンゼルス近郊にある牧場。亡き父から、この牧場を受け継いだOJは、半年前の父の事故死をいまだに信じられずにいた。形式上は、飛行機の部品の落下による衝突死とされている。しかし、そんな“最悪の奇跡”が起こり得るのだろうか? 何より、OJはこの事故の際に一瞬目にした飛行物体を忘れられずにいた。牧場の共同経営者である妹エメラルドはこの飛行物体を撮影して、“バズり動画”を世に放つことを思いつく。やがて起こる怪奇現象の連続。それらは真の“最悪の奇跡”の到来の序章に過ぎなかった……。
主人公OJには、アカデミー主演男優賞にノミネートされた『ゲット・アウト』に次いでピールとタッグを組むダニエル・カルーヤ。シンガーとして活躍する一方で、『ハスラーズ』(2019年)などで女優としても高く評価されているキキ・パーマーが、自由奔放で感情的なエメラルド役を演じ、バイタリティにあふれた個性を発揮。さらに『ミナリ』(2020年)でアカデミー主演男優賞にノミネートされたスティーヴン・ユァンが、トラウマ的な過去を持つテーマパーク経営者を演じ、物語のミステリー性を加速させる。
スタッフも腕利きが顔をそろえたが、注目したいのは『TENET テネット』などクリストファー・ノーラン監督作品のカメラマンとして知られ、『ダンケルク』ではアカデミー撮影賞にノミネートされた撮影監督ホイテ・ヴァン・ホイテマの手腕。南カリフォルニアの雄大な自然の描写はもちろん、夜中の場面が多い本作で、ピール監督が追い求めた奥行きのある夜景をカメラに収め、CGIだけではビジュアル化できない世界を作り出した。
現代の闇の果てにピールは、何を見出したのか?! 映画史上かつてない“最悪の奇跡”を見逃すな!
超常エンタメPOV作!!『オカルトの森へようこそ THE MOVIE』2022年8月27日(土)公開
『不能犯』を手がけたホラー界の鬼才・白石晃士が監督・脚本・撮影をつとめるオリジナルPOVホラー『オカルトの森へようこそ THE MOVIE』。異界と繋がる祟りの森を舞台に、次々と迫り来る恐怖から時に逃げ惑い、時に立ち向かうジェットコースター・POV・ホラー・アドベンチャーが爆誕!! 主人公で助監督の市川美保を堀田真由、イケメン金髪霊能者のナナシを飯島寛騎、恐ろしい体験の発端となる精神錯乱気味の三好麻里亜を筧美和子、自称・正義の味方のスーパーボランティア・江野祥平を宇野祥平、映画監督の黒石光司を白石監督が演じる。
ホラー映画監督の黒石光司(白石晃士)は助監督の市川美保(堀田真由)を引き連れ、実録映画の撮影のために山奥の家を訪れる。そこには黒石の映画のファンだという、精神錯乱気味の美女・三好麻里亜(筧美和子)がいた。彼女は「私が体験した出来事は、監督の映画の内容そのものなの」と必死に訴える。そして不気味な麻里亜の家で、黒石のカメラが思いもよらぬ現象を捉え始め、事態はより恐ろしく、不可解で危険な方向へと猛スピードで向かっていく。次々と恐怖が迫りくる中、“スーパーボランティア”の江野祥平(宇野祥平)や、イケメン霊能者・ナナシ(飯島寛騎)も加わり、カメラは絶えず恐ろしい出来事を記録していく。傑作映画を撮るため、撮影隊の冒険が始まる!!
『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』シリーズ(2012年〜)、『ある優しき殺人者の記録』(2014年)などで臨場感あふれるPOV映像を届けてきた白石監督の、超常エンタメPOVの最新型にして現時点の集大成ともいえる作品だ。
恐怖の水中屋敷へようこそ!!『ザ・ディープ・ハウス』2022年9月16日(金)公開
『屋敷女』(2007年)『レザーフェイス-悪魔のいけにえ』(2017年)の鬼才ジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロ監督が贈る衝撃作『ザ・ディープ・ハウス』。動画の登録者アップを狙い、フランスの湖に沈んだ屋敷の撮影に挑むYouTuberの若い2人の男女。屋敷に秘められた秘密とは? 水中で彼らを待ち受けるものとは!? 沈められた屋敷で想像を絶する恐怖が展開する。その怖さは、米国のホラー映画制作会社の名門ブラムハウス・プロダクションズも認めており、水中にセットを組んで撮影されたリアルな描写が怖さを倍増!
製作総指揮は『ワイルド・スピード』シリーズ(2001年〜)最新作『ファスト・X(原題)』の監督に抜擢されたルイ・レテリエ。謎の屋敷に挑む若い男女役を、ミック・ジャガーの息子ジェームズ・ジャガーと世界で活躍するトップモデルのカミーユ・ロウが演じる。
羊から“羊ではない何か”が爆誕!!『LAMB/ラム』2022年9月23日(金・祝)公開
『ミッドサマー』(2019年)『ヘレディタリー/継承』(2018年)を手がけ、話題作を次々と世に送り出す「A24」が北米配給権を獲得した衝撃の話題作『LAMB/ラム』。アイスランドの山間に暮らす羊飼いの夫婦イングヴァルとマリア。ある日、羊の出産に立ち会うと、羊から“羊ではない何か”が産まれてくる。動揺しながらも、二人はその存在を“アダ”と名付け、育てることに決めるが……。衝撃的な設定で、観客を騒然とさせた禁断のネイチャー・スリラー。
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016年)で特殊効果をつとめたヴァルディマル・ヨハンソンの長編監督デビュー作。『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(2000年)の歌劇脚本、ロバート・エガース監督最新作『ザ・ノースマン(原題)』で脚本を手がけ、アイスランドの作家・詩人としても知られるショーンがヨハンソンと共同で脚本を執筆するなど、新進気鋭の作家たちにより制作された。
『ミレニアム』シリーズ(2009年)で知られるノオミ・ラパスが主演・製作総指揮をつとめる。衝撃的な設定の中にもリアリティーを持った世界観を構築したことで世界から称賛を浴び、第74回カンヌ国際映画祭のある視点部門でPrize of Originalityを受賞、アカデミー賞国際長編部門でアイスランド代表作品にも選出されるなど、批評家からも高い評価を受けた。
“それ”の正体とは!? 『“それ”がいる森』2022年9月30日(金)公開
『リング』シリーズ(1998年〜1999年)『スマホを落としただけなのに』シリーズ(2018年〜2020年)などを手がけたジャパニーズ・ホラーの巨匠・中田秀夫監督最新作、相葉雅紀主演のホラーエンターテインメント『“それ”がいる森』。不可解な怪奇現象が多発するという実在の森を舞台に、実際に数々の“それ”を見たという目撃情報をベースに物語は描かれる。
田舎町でひとり農家を営む田中淳一(相葉雅紀)は、元妻・爽子(江口のりこ)と東京で暮らす小学生の息子の一也(上原剣心)が、突然ひとりで訪ねて来たのをきっかけに、しばらく一緒に暮らすことになる。ちょうどその頃から、近くの森では不可解な怪奇現象が立て続けに発生し、淳一が住む町でも、住民の不審死や失踪事件が相次いでいた。そんな矢先、淳一と一也も偶然得体の知れない“それ”を目撃してしまう。淳一は一也の担任教師の絵里(松本穂香)とともに、怪奇現象に巻き込まれていくが、それは未知なる恐怖の始まりにすぎなかった──。
“それ”を目撃したと証言する目撃者・児玉勉役を小日向文世、森で多発する不可解な事件を捜査する警部・綾波武史役を眞島秀和、一也の通う小学校の教頭・湯川大輔役を野間口徹、淳一の農業仲間・長尾良平役を宇野祥平、町長・岩村義男役を酒向芳、町の駐在員・中村良一役を松浦祐也、強盗犯役をパンサーの尾形貴弘が演じる。
背筋が凍るようなホラー最新作をチェックして、アツい真夏を乗り切ろう!!