ガチ怖ドキュメンタリー
どうも、アニです。
Netflixのオリジナルドキュメンタリー『究極のペテン師:人を操る天才たちの実像』を観ました。“ペテン師”という言葉から、ちょっとユーモアもあるような作品かと思って観始めたら、ガチで怖いやつでした。舞台は英国です。
人の心を操り洗脳して、自分の言うことを聞かせて、操られている人の人生を台無しにていく男を追ったドキュメンタリーなんですが、中には未解決の案件もあって、その男に洗脳された母親が家族を捨てて出て行ってしまった、という家族もいます。母親が帰ってくるのを待っているその家族(=現在)と、90年代初頭に騙された人々の話(=過去)を行ったり来たりする構成になっていて、当時その男に騙された人たちのエピソードもなんかスゴい話でした。
テロの不安につけ込んだ手口
その頃の英国はアイルランド共和軍が宣戦布告して、頻繁に爆弾テロが起こっているような状態だったらしいのですが、その辺のことは全くと言っていいほど知らなかったです。とにかく英国とアイルランド共和軍が揉めていて、詐欺被害者たちが通っていた大学にも大勢のアイルランド人が通っているので、当局にマークされていたそうです、学生がアイルランド共和軍に武器を密売してたりして。
そんな中、英国情報保安部、通称MI5の捜査官を名乗る男が大学内で協力者を探している、と言って近づいてきます。アイルランド共和軍の共犯者を捜すという名目だったので、すっかり騙されてしまうんですね、テロリストを排除する為だと思い込んでしまって。そして訓練を受けて無事に協力者として合格するんだけど、ルームメイトが共犯者だと言われ、まんまと騙されて操られていきます。
やがて、テロの協力者の近くで暮らすのは危険だという理由で、ペテン師と協力者、その彼女と彼女の友達を巻き込んで英国中を旅することになります。その旅の途中で協力者の彼女に疑われると、預金残高や持っている土地の数など、普通では分からないような個人情報を伝えて信用させるんです。
捕まっても口八丁で自由の身に……
そして「アイルランド共和軍が自分たちを追っている」と言って、国中を行ったり来たりを繰り返すことで、正常な判断ができないようにして、言うことを聞く人間にしていく。そんな生活が10年も続くのですが、いなくなった娘を必死に探す父親からもまんまと逃げ、その間にも複数の人々を同じ手口で騙していきます。
巻き込まれていた人たちはペテン師が逮捕されると、そこでやっと自分が騙されていたことに気付きます。ペテン師は誘拐、盗難、詐欺の容疑で終身刑を言い渡され、めでたしめでたし……と思いきや、「誘拐はしていない」「逃げる自由はあった」と主張して、終身刑が取り消されることに。
釈放されたペテン師は、また似たような手口で人を騙していきます。そして現在、そのペテン師に母親を奪われた家族は毎日毎日、母親が帰ってくるのを待っている。――という、最初にタイトルを見た時に想像した内容とは全く違う、とても怖いドキュメンタリーでした。ぜひご覧ください。
それでは、またまた。
文:ANI(スチャダラパー)
『究極のペテン師:人を操る天才たちの実像』はNetflixで独占配信中
『究極のペテン師:人を操る天才たちの実像』
英国スパイになりすまし、標的にした人々を巧みに操り金品を奪い取る冷酷な詐欺師。被害者とその家族の人生を狂わせ続け、究極のペテン師と呼ばれた男に迫る。