新世代の”恐るべき子ども”と呼ばれたカラックスも還暦。けれど今も鋭い美学で斬新なミュージカルに挑む!
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カンヌが発見し育て上げた監督の1人レオス・カラックス。8年ぶりの新作『アネット(原題)』が今年のコンペティションオープニング作品として上映され、一夜明けて会見が行われた。
スタンダップコメディアンのヘンリー(アダム・ドライバー)とオペラ歌手アン(マリオン・コティヤール)のカップル。娘アネットが産まれるが、アンは亡くなってしまう。ヘンリーは悲しみにくれるが幼い娘の歌声を聞き、天使の歌声として売り出す。やがて世界はアネットに熱狂していくのだが…。
🎥Leos Carax returns to the Festival de Cannes with Annette, presented as an opening last night: a shady musical drama propelled by Sparks baroque pop, with Marion Cotillard and Adam Driver. In French cinemas. #Cannes2021
— Festival de Cannes (@Festival_Cannes) July 7, 2021
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アネットをパペットが演ずるというトリッキーな仕掛けがあるのだが、それがカラックスらしいファンタジックさを醸し出す。各国でパペット作家を探し、若手のフランス人作家に依頼して新生児から幼女まで数体のパペットを製作し使用している。リアルなのだが、妖精のような妖しい可愛らしさがあるパペットだ。
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— Festival de Cannes (@Festival_Cannes) July 6, 2021
愛しあうセレブ夫妻を演ずるのはアダム・ドライバーとマリオン・コティヤール。残念ながら帰国のためアダム・ドライバーは会見を欠席した。
『アネット(原題)』会見にザ・スパークス、マリオン・コティヤール、レオス・カラックス
『アネット(原題)』はミュージカルとして作られ、音楽を担当するのはザ・スパークスの兄弟。
死に行く女を描くオペラを得意とする設定のアンのソプラノはプロの歌にマリオンがリップシンクであわせている。『エディット・ピアフ ~愛の讃歌~』(2007年)で自前の歌声を聴かせたマリオンだが、さすがにオペラは難しかったようである。
「ミュージカルということは、ライブで演技をしながら歌うシーンがあるということ。オペラシーンはリップシンクだけれど、それ以外のミュージカル・シーンで歌いながら動くためのトレーニングはかなりしました。動きによって声は変るのでそこが大変でしたね。歌いながら走ったり、飛んだり転がったり、泣いたりする。でも歌は途切れてはいけないのです。
オペラには親しみがあったわけではありません。15歳の頃には『カルメン』の映画を見てとても気に入り、繰り返し聞いたりしていましたっけ。本格的なオペラを聞いたのは実は今回の役がきっかけです。最初にオペラ歌手の声を聴いたときは心が震えました。なんというかエモーショナルな声で、スペシャルな、パワフルにとランスフォームしていく…あぁ、なんと言ったらいいかしら」と悩むマリオン。ピュア、だなぁ。
カラックス作品には元々音楽へのこだわりがあるが既成の音楽を使うだけではフラストレーションが溜まっていたのだとカラックスは言う。
「映画にとって音や音楽は非常に大きな意味を持つと思う、わたしは作曲できないので誰かに頼むのだけれどなかなか難しくて。今回ザ・スパークスに依頼してわたしの描いていたイメージがやっと実現可能になった。インストルメンタルと声を組み合わせ、カメラとセット、演技と合わせてビジョンどおりのエネルギーにあふれた作品にしあげられたと思う」
ブロードウェイやハリウッドのミュージカルとは一線を画した、カラックス・ミュージカルの誕生、である。
アネット(原題)
スタンダップコメディアンのヘンリー(アダム・ドライバー)とオペラ歌手アン(マリオン・コティヤール)のカップル。娘アネットが産まれるが、アンは亡くなってしまう。ヘンリーは悲しみにくれるが幼い娘の歌声を聞き、天使の歌声として売り出す。やがて世界はアネットに熱狂していくのだが…。
制作年: | 2021 |
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監督: | |
出演: |