滅亡寸前の人類、神々に果たし状
「月刊コミックゼノン」にて連載中、累計発行部数500万部突破(現在も更新中)の人気漫画「終末のワルキューレ」が、Netflixオリジナルシリーズとしてアニメ化された。すでに漫画/アニメファンの間では話題沸騰中の『終末のワルキューレ』だが、本作はNetflix配信ということで、より多くのユーザーがアニメに触れるきっかけにもなるであろう、そしてサク観にも最適なハイテンションシリーズに仕上がっている。
無粋ながらあらすじを超ざっくり説明しておくと、横暴の限りを尽くす人類にブチ切れた神々が、「あいつら、とりま滅ぼしといたほうがよくね?」と人類の殲滅を決定。これに対し、半神半人の戦乙女“ワルキューレ”の一人であるブリュンヒルデが異を唱え、人類700万年の歴史を途絶えさせまいと、まさかの「神vs人類の最終闘争」、通称「ラグナロク」を提案する。全世界の神々と、歴史上の全人類から選ばれた代表者たちによる、一対一のタイマン勝負の結果はいかに!? ……という感じのお話だ。
超豪華! 反則モノの参戦メンバー
とにかく原作コミックの評価が高い作品なので、アニメ化には様々な意見があるだろう。しかし本作の最大の魅力はズバリ「神々vs人類のタイマン」であり、両サイドの(反則ギリギリ、限りなくアウトに近い)代表者チョイスと、その破茶滅茶な戦いぶりがカタルシスのすべて。その攻めっぷりは第1戦のカードからも明白で、初見の皆さんにおもいっきり苦笑していただきたいので参戦メンバーの詳細は伏せるが、あの北欧神話の雷神・トールvs三国志最強の武将・呂布奉先という、もはや発明に近いブッ飛んだ組み合わせである。
さらに、某超有名人期漫画(複数)からの影響はもちろん、往年のバラエティ番組やTVドラマ~音楽などのポップカルチャー全般、それもアラフォー以上でないと知らないような小ネタが劇中の随所に盛り込まれているから恐れ入る。耽美系からオラオラ系、ボクっ子、擬人化などなど、演出や台詞の端々に仕込まれた、(多方面から怒られそうな)神々をポップに落とし込む行為は本作の大きな魅力の一つだ。
神vs人類、勝つのはどっちだ!?
しかも、神と人が互角の勝負を見せてくれるものだから(人類側の強さの理論は甚だ不明だが)盛り上がらないわけがなく、確かにこれは前代未聞の内容。とはいえ、強化人間(キャプテン・アメリカ)と雷神(マイティ・ソー)とアライグマ(ロケット・ラクーン)、コスプレ億万長者(バットマン)と海神(アクアマン)と宇宙人(スーパーマン)がワイワイやっているアメコミ界隈を考えれば、まったく無理筋ではないだろう(?)。
前代未聞の内容だけに、神と人類のどちらが勝つのか、まったく読めないところも人気の秘密と思われる。アニメ版では漫画版の微グロ描写はマイルドになっているが、宗教ネタに踏み込んでいるだけあって意外と深い考察を与えてくれるシーンもあったり、語り口の古臭ささゆえにとっつきにくい神話や信仰の歴史の勉強に……ならなくもない。
1話1戦かと思いきや、2~3話たっぷり使ってこってり描くだけあって、当然シーズン1ではぜんぜん終わらない本作。ぜひ試しにサクッと鑑賞してみてはいかがだろうか。
『終末のワルキューレ』はNetflixで独占配信中
『終末のワルキューレ』
1000年に一度、全世界の神々が一堂に介し、天界で開催される「人類存亡会議」。人類が冒してきた愚かな行いにより、全会一致で「終末」の判決が下される直前、半神半人の戦乙女<ワルキューレ>の一人、ブリュンヒルデが異議を唱える。
「ただ滅ぼすのでは芸がない。人類を試してみては?」
彼女が提案したのは、神 vs 人類最終闘争、通称「ラグナロク」。全世界の神々と、歴史上の全人類から選ばれた代表者たちが一対一のタイマン勝負をする。全13番勝負、先に7勝した方が勝利となる。しかし、人類が神に勝つことなど絶対不可能。神々が嘲笑する中、ブリュンヒルデはなおも挑発する。
「もしかして、ビビってるんですかァ?」
その言葉は神の逆鱗に触れ、怒りのままに、神々はラグナロクを承諾。かくして、ブリュンヒルデたちは、700万年の人類史から最強の13人を選びラグナロクへと挑む。果たして人類は神を超え、終末を阻止できるのか?
超絶怒涛の真剣勝負<ガチンコ>バトル、開幕!
制作年: | 2021 |
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監督: | |
声の出演: |
Netflixで独占配信中