メリル・ストリープ×アン・ハサウェイ主演作『プラダを着た悪魔』(2006年)が公開15周年を迎え、キャストがオンラインで大集結!今だから話せる同作の撮影秘話や思い出話が明かされた。多くの業界人がアナ・ウィンターにビビって出演拒否した話や、アンドレア役をゲットするためにハサウェイが仕掛けた熱烈アプローチ、さらには『プラダを着た悪魔』TVシリーズの可能性について米Entertainment Weeklyの企画で語っているぞ!
同作は、悪魔のように厳しい一流ファッション誌「VOGUE」のカリスマ編集長ミランダ(メリル・ストリープ)のアシスタントとして働くことになったアンドレア(アン・ハサウェイ)が、恋に仕事に成長を遂げていく物語を描いた。女性から共感を呼び、公開から15年経つ今でも絶大な人気を集める。『レ・ミゼラブル』(2012年)で体当たりの演技が高く評価され、第85回アカデミー助演女優賞を受賞したハサウェイの出世作としても知られる。
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この度行われたオンライン同窓会では、ストリープとハサウェイをはじめ、エミリー・ブラント、スタンリー・トゥッチ、エイドリアン・グレニアー、監督をつとめたデヴィッド・フランケル、原作者のローレン・ワイズバーガーらが集まった。
メリルはミランダ役の候補にさえも挙がっていなかった⁉︎
今でこそ、あのミランダを演じられるのはメリルしかいない!とファンも納得の配役だったといえるが、なんと元々のミランダ役の候補には、『バットマン リターンズ』(1992年)のミシェル・ファイファーや、『101』(1996年)でクルエラを演じたグレン・クローズ、『オーシャンズ12』(2004年)のキャサリン・ゼタ=ジョーンズの名前が挙げられていたという。ストリープは、最初の候補にさえも挙がっていなかったというが、米ソニー・ピクチャーズのトム・ロスマンからの電話で出演が決まったそうだ。
「私はアナ(・ウィンター)の伝記映画ではなく、彼女の会社での立場に興味があったの。彼女が背負わなければならないプレッシャーや、毎日素敵な格好をしなければならないということを引き受けてみたかったのよ。」とストリープは語った。
「ミランダは、私たちの多くが憧れるようなキャラクターだったの。妥協せず、タフで、現実的で、正直で、要領も良い。誰も傷つけたり怒らせたりせずに、自分の言いたいことを伝えるために体をくねらせたり踊ったりする必要がないの。男性であればずっと簡単にできることよね。」とブラントは付け加えた。
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ファッション界の人々はアナ・ウィンターを恐れて出演拒否‼︎
本作は、ファッション誌で働く女性をテーマにした映画だけに、本物のファッションデザイナーやモデルが登場してもおかしくなかったはずだが、本作に登場したのは、世界的スーパーモデル、ジゼル・ブンチェンがちょい役で出演したのみ。脚本を手がけたアライン・ブロッシュ・マッケンナによると、ファッション業界の人たちに声を掛けるも、ファッション界の重鎮のアナとVOGUEを恐れているという理由で、本作への出演を拒否されたという。
「ファッション業界で、私と話をしてくれる人を探すのにとても苦労したよ。というのも、人々はアナとVOGUEを恐れていた。でも、一人だけ話しかけてくれた人がいた。名前は明かせないが、その人は脚本を読んで、『この映画に出てくる人たちはいい人過ぎるよ。あの世界にはいい人過ぎる人はいない。彼らはそうである必要はないし、そうであるための時間もないのだから』と言ったんだ。その後、私は登場する人々をもう少し忙しく、意地悪にさせたんだ。」と明かした。
「ハリウッドで働いている人の中には、彼女に忠誠心を持っている人もいて、私たちが彼女に不利益や侮辱を与えるようなことをしていると感じていたみたいです。」と、映画製作会社フォックス2000ピクチャーズで長年トップをつとめたエリザベス・ガブラーは話した。
レイチェル・マクアダムスはアンドレア役を3回も断った‼︎
実は、ハサウェイはアンドレア役の9番目の候補だった。ほかの候補者には、スカーレット・ヨハンソン、ナタリー・ポートマン、ケイト・ハドソン、キルスティン・ダンストなど名前が挙げられていたという。錚々たる顔ぶれの中、制作会社が選んだのは、レイチェル・マクアダムスだったと監督のフランケルが明かしている。
「レイチェル・マクアダムスには、3回オファーしたよ。制作会社も彼女を起用することを決定したが、彼女は断ったんだ。」とフランケルは話した。
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メリルがアンをアンドレア役に起用するよう制作会社に持ちかけた‼︎
ハサウェイはその当時、アンドレア役をゲットするために、制作会社に熱烈なアプローチを仕掛けていたことが明かされた。その後、ストリープが、制作会社に電話をかけて、ハサウェイをアンドレア役に起用するように持ちかけたという裏話が明かされた。
「アンが私のオフィスのソファに座って、なぜこの役をやりたいのか、なぜこの役を演じなければならないのかを説明し、第3幕の脚本の注意点を教えてくれたのを覚えているわ。振り返ってみると、彼女の感性は最終的にやったことと完全に一致していた。アンは決して諦めず、宣伝活動を続け、電話をかけ続けた。そして、製作総指揮のカーラ・ハッケンのオフィスにやって来て、禅の庭に『私を雇って』と書いたのよ。」と、ガブラーは話した。
それでも、制作会社側はハサウェイの起用を決めかねていたという。ちょうどその頃、ストリープは『ブロークバック・マウンテン』(2005年)を鑑賞し、ジェイク・ギレンホール演じるジャック・ツイストの妻ルリーンを演じていたハサウェイとなら「一緒にうまくやれると思う」と制作会社に持ちかけたという。
「メリルは制作を心待ちにしていて、『彼女に会わせて欲しい』と言ってきた。ちょうど『ブロークバック・マウンテン』が公開されるところだったよ。アンはその中で素晴らしい、小さな役を演じていた。メリルは映画でのシーンを見て、彼女と会うことにした。そして、トム・ロスマンに電話して『この子は素晴らしい、一緒にうまくやれると思うよ』と話したんだ。」と、フランケルは明かした。
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メリル、意地悪な上司ミランダを演じて「落ち込んだ」と語る!
ストリープは、ブラントやハサウェイとの撮影以外でのやりとりでも、ミランダを演じ続けていたという。ブラントは「地獄のように楽しかった!」と話したが、ストリープにとっては「最低な気分」だったそうだ。
「最低だったわ!私はトレーラーの中で、惨めに過ごしていたの。みんなの笑っている声が聞こえていたわ。私はとても落ち込んでしまった。私は『ボスであるがゆえの代償ね!』と言ったの。」とストリープは話した。
「メリルはとても陽気で楽しい人だから、ある意味、自分を捨てなければならないのは、彼女にとって最も楽しいことではなかったのよ。」とブラントは付け加えた。
「私はいつも大切にされていると感じていたわ。メリルがその恐怖感を生み出すために何をしていたとしても、私のことを気にかけてくれていることをわかっていたから。」とハサウェイは話した。
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『プラダを着た悪魔』TVシリーズの可能性は…⁉︎
高い人気を集めた本作、ついに2021年夏よりシカゴでミュージカルが上演される。今後、同作のTVシリーズや、さらには続編が制作されるのか、監督のフランケルはその可能性について語った。
「制作会社は、続編を作ろうとはしなかった。私たちは“続編があったら何ができるだろう?”と話し合ったよ。ばかげているかもしれないが、私たちは『もうこの話はもう語り尽くされている』と感じた。原作者のローレン・ワイズバーガーは結局、15年後に別の本を書いている。私たちは同じ結論に達し、キャラクターを追うだけでは同じようにはならないと思った。」とフランケルは語った。
「この件については多くの議論がなされていて、可能性がないとは言い切れない。」と、ワイズバーガーは付け加えた。
いつか『プラダを着た悪魔』TVシリーズが制作されることに期待したい!
『プラダを着た悪魔』
大学を卒業し、ジャーナリストをめざしてNYにやってきたアンディ。オシャレに興味のない彼女が、世界中の女性たちが死ぬほど憧れる仕事を手にしてしまった! それは一流ファッション誌“RUNWAY”のカリスマ編集長ミランダ・プリーストリーのアシスタント。しかし、それは今まで何人もの犠牲者を出してきた恐怖のポストだった! ミランダの要求は、悪魔的にハイレベル。朝から晩まで鳴り続けるケイタイと横暴な命令の数々、その上「センス、ゼロ!!」と酷評され、アンディはこの業界が努力とやる気だけでは闘えないことを思い知らされる。キャリアのためとはいえ、私生活はめちゃめちゃ。カレの誕生日は祝えないし、友達にも愛想をつかされる。この会社で、このままでいいの? 私って、本当は何をしたいんだっけ?
制作年: | 2006 |
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監督: | |
出演: |