グリロ×ウィリス、それだけで観ておく価値アリ!
フランク・グリロと聞いて出演作品を複数挙げられるアナタは、おそらくアクション映画ツウだろう。日本で長らく公開がスルーされていた『ウォーリアー』(2011年)の献身的なトレーナー役で注目を集め、その後『THE GREY 凍える太陽』(2012年)や『ディス/コネクト』、『エンド・オブ・ウォッチ』、『ゼロ・ダーク・サーティ』(2012年)など渋い注目作に立て続けに出演。そして『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016年)で不気味なマスク姿のタフなヴィラン、クロスボーンズを演じ、脇役ながらもしっかりと爪痕を残してきた。
ここ最近では『パージ:アナーキー』(2014年)『スカイライン-奪還-』(2017年)で主演を務めるなど、アクション俳優としての地位を確立しつつあるグリロの最新主演作が『デス・ショット』(2018年)。しかも共演は、アクション映画界の大先輩であるブルース・ウィリスときた! アクション映画好きならば、この組み合わせだけで「一応観ておこうかな……」と思わせるニクいキャスティングと言えるだろう。
だめんずグリロかわいい! ウィリスの省エネ演技はスルーで!
物語の方はいたってシンプルで、なんだか家計が不安らしい冴えない銀行員ジェイコブ(グリロ)の勤め先で強盗事件が発生し、事件への関与を疑われてしまう。なんとか嫌疑を晴らしたいジェイコブはお隣さんの元警官ジェームスにヘルプを要請し事件を捜査し始めるが、持病を抱える娘と妻が誘拐されてしまい……というもの。こんなムキムキでイケオジな銀行員がいるか! とツッコみたくなるところだが、首が太いせいかワイシャツの第一ボタンを開けっ放しのグリロがとてもエロいので問題なしだ。
ウィリス出演の近作『デス・ウィッシュ』(2018年)にあやかったタイトルや、明らかな違法行為なのにそれほど葛藤するでもなく二人で事件に首を突っ込みまくったり、大きなサスペンス展開になりそうな部分をサラッと流していたりと、気になる点は少なくない。それでも、とにかく終始脂汗をかいてがっくりと肩を落としているグリロは母性本能をくすぐるかわいさだし、メインストーリーの裏でさっさと事態を回収する頼もしいウィリスも楽しめるので、たまにはこういう作品を見て頭の中をスッキリさせるのもアクション映画ファンの務めと言えるだろう。
現在公開中の『ミスター・ガラス』(2018年)と比べると明らかに省エネ演技なウィリス。当分は後輩にバトンを渡す気もなさそうだが、やはり彼が登場すると画面がキリッと締まる。グリロと並んだ時の絵面も意外と良くて、十数年後には彼がこのポジションにいるのかな……と考えると胸熱な競演だった。
『デス・ショット』は2019年2月9日(土)より、シネマート新宿・心斎橋ほか全国順次ロードショー
https://www.youtube.com/watch?v=mXeMplvlBYA
『デス・ショット』
銀行襲撃事件が発生。周到な計画によるプロの犯行で、犯人は警備員を射殺、大金を奪って逃走した。FBIは銀行内部に共犯者がいると推定し、銀行員のジェイコブにその容疑がかけられる。疑いを晴らすため、ジェイコブは隣家に住む元警官のジェームスに協力を求め、独自の捜査を開始。2人は犯人のアジトを突き止め、現金輸送車襲撃の阻止に成功する。だが逃走した犯人は報復のため、ジェイコブの身許を割り出し、妻と娘を誘拐。娘のソフィアは糖尿病で、薬が切れると生命が危ない。タイムリミットが迫る中、ジェイコブとジェームスは犯人との最後の戦いに挑むが……。
制作年: | 2018 |
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監督: | |
脚本: | |
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