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どうなる米大統領選2020!?『ロバート・ケネディを大統領に』は“世界を変えたかもしれない男”の全記録

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ライター:#BANGER!!! 編集部
どうなる米大統領選2020!?『ロバート・ケネディを大統領に』は“世界を変えたかもしれない男”の全記録
Netflixオリジナルドキュメンタリー『ロバート・ケネディを大統領に』独占配信中

パンデミック禍の大統領選、結果はいかに? 全く予想できない前代未聞の対決

2020年11月3日に迫った米大統領選投開票日。トランプ現大統領のコロナウイルス感染というサプライズ(aka自業自得)や共和党による露骨な選挙妨害などがこれまでにも大きな話題となったが、前代未聞の状況だけにまだまだ何が起こるかわからない。少なくとも低俗なリアリティーショーのような世紀の悪政に対して、民主党の大統領候補ジョー・バイデン氏と副大統領候補カマラ・ハリス氏が勝利できるのか? という点が世論の関心の大半ではあるだろう。

https://www.instagram.com/p/CGAQZobgozP/

しかもバイデン氏が高齢のため、ハリス氏は2024年の大統領候補でもある。もし彼女が大統領となれば史上二人目の黒人かつ初の女性大統領が誕生するのだから、支持者たちの期待もひとしおだ(副大統領候補の時点でW初の快挙)。しかし、そんな特異な状況だけあってハリス氏には大勢の護衛がついていて、開票日を前に異様な緊張感も漂っている。なにしろ2020年10月に入ってから、反トランプで知られるミシガン州知事の誘拐を企てた武装組織十数名が、またバイデン氏殺害を企てた疑いのある男が逮捕されるという事件があっただけに、ハリス氏が“最悪の事態”に備えるのも当然だ。

https://www.instagram.com/p/CGEKfHTo9us/

最悪の事態とは物理的な“攻撃”を受けるということであり、歴代のアメリカ大統領も常に命の危険にさらされてきた。1800年代にはエイブラハム・リンカーンとジェームズ・ガーフィールド、1901年にはウィリアム・マッキンリーが暗殺され、1981年にはロナルド・レーガン暗殺未遂事件が起こっている。そして、もっとも有名なのが1963年11月22日に起こった第35代アメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディ暗殺だ。

ケネディ暗殺については映画化作品も無数にあり、2017年から暗殺に関する極秘資料が徐々に公開され始めたものの、膨大な資料が解析され真実が明らかになる頃には我々は老人になっているかもしれない。ということで今回は、彼の実弟を追ったNetflixのドキュメンタリー『ロバート・ケネディを大統領に』を紹介したい。

ロバートに関してもTV映画『RFK/もうひとりのケネディ』(2002年)や、暗殺事件を題材に市井の人々の姿を描いた『ボビー』(2006年)など関連作品はあるものの、字幕付きで観られるドキュメンタリーシリーズは今のところ本作だけだろう。

ロバート・ケネディの学びと戦い、そして死の真実を追った全記録

言わずもがなロバートは兄ジョンの任期中に司法長官を務め、『アイリッシュマン』(2019年)などで恨めしげに描かれていたように、組織犯罪の撲滅に尽力した人(ジミー・ホッファを問い詰める実際の映像も観られる)。本作はそんなロバートの人となりと政界での活躍、死の瞬間から殺害に関する陰謀までを追ったドキュメンタリーだが、実はジョン以上に興味深い要素が盛りだくさんな人物だったことが分かる、何かと発見の多い内容に仕上がっている。

https://www.instagram.com/p/BgZTIjRD-Ie/

第1章では兄ジョンの大統領選を通して、未熟だったロバートの“正義”の理念が確立されていく様子、そして大統領を陰ながら支えるべく司法長官として奮闘する姿が描かれる。第2章では兄亡きあと、しばらくはその影を追いスピーチも頼りなかったロバートが、次第に逞しくなっていく様子が豊富な映像資料や当時の彼を知る人々の証言によって綴られていく。そして大きな期待を受けてニューヨーク州知事に就任すると、ベトナム反戦や公民権運動推進、貧困問題への取り組みなどで存在感を発揮し、アメリカでもっとも影響力を持つ人物へと成長していった。

しかし、ニューヨーク州知事を足がかりに民主党の大統領候補指名選に出馬するも、そのキャンペーン中にサーハン・ベシャラ・サーハンという男が放った凶弾に倒れることになる。シリーズ全4章のなかでもっとも胸を打つのは、当時ケネディ陣営で働いていた故ジョン・ルイス下院議員が、公民権運動の同志マーティン・ルーサー・キング牧師暗殺からわずか2ヶ月後にロバートまでも失った悲しみと絶望感を吐露し、こらえきれず泣き出してしまう姿だ。

Netflixオリジナルドキュメンタリー『ロバート・ケネディを大統領に』独占配信中

――「王室」と称される華やかな一家の三男坊として生まれ、大統領になる宿命を背負いながらも悲劇的な運命によって人生を絶たれたロバート・F・ケネディ。このドキュメンタリーから気付かされるのは、ロバートが掲げた反戦・反差別・脱貧困などの諸問題と、我々が現在も戦い続けていることである。もし、ジョンやロバートが大統領として人々を牽引していたら……予期せぬパンデミックによって分断待ったなしの世界を見ていると、思わずそんな夢想を抱いてしまう。

「ケネディ家の呪い」は本当か? 近年も事故や噂が絶えない一族の闇

一族から続けざまに2人も暗殺されたという事実には戦慄するしかないが、もちろんその裏には糸を引いた黒幕が存在し、遺族や関係者たちは現在も事件の再捜査を求めて戦っている。とはいえ後年、ケネディ・ジュニアとロバートの息子2人が事故死し、さらに2020年にはロバートの孫娘メイヴと幼い息子もボート事故で亡くなった。本作を観れば彼らのパワーの源のひとつが“家族”であったことが分かるが、特殊な家庭環境だったとはいえあまりにも不幸が多いものだから、“ケネディ家の呪い”などと噂されるのも理解はできる。

Netflixオリジナルドキュメンタリー『ロバート・ケネディを大統領に』独占配信中

ちなみにロバート氏関連の最新情報としては、氏の実子であり反ワクチン運動家として知られる弁護士のロバート・ケネディ・ジュニア氏が、2020年9月にドイツ・ベルリンで開催された“反コロナ”デモに参加したというニュースもあった。彼はビル・ゲイツ氏らが今回のパンデミックに関与しているという陰謀論を拡散している著名人の一人でもあるのだが、出自を考えると“皮肉”の一言では片付けられない闇の深さを示してもいる。

そんな都市伝説や陰謀論を巧みに利用して支持者を煽るトランプ氏と、体力的にはやや頼りないながらも世論への誠実な姿勢を貫き、支持率で一歩リードしているバイデン氏。かつてない時勢のなか、かつ現職がぶっ飛びすぎているだけにどんな展開になるのか全く予想できないが、2020年の大統領選の動向は(FOXニュース以外で)注視しておくべきだろう。

https://www.instagram.com/p/CGqqm27AyaK/

『ロバート・ケネディを大統領に』はNetflixで独占配信中

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『ロバート・ケネディを大統領に』

1960年代の歴史的瞬間を捉えた映像や当時を知る者の証言とともに、この時代を席巻した“ロバート旋風”を検証し、米国に変化をもたらした男の偉業に迫る。

制作年: 2018
出演: