玉ちゃんのオールタイム・ベスト『マッドマックス』シリーズ地上波一挙放送!
『マッドマックス』シリーズ(1979~1985年、2015年)が地上波で一気に放送される! しかし、ネットやらで手軽に観れる時代に「地上波放送」っていうのがまた、懐かしい響きになってきちゃったねぇ。
シリーズ1~3までは深夜の放送だけども『マッドマックス 怒りのデス・ロード』はフジテレビのゴールデンタイムの地上波に乗るんだ。地上波映画の定番「金曜ロードショー」の「また、やってんのか!」の宮崎駿作品に慣れきって、ぬるま湯に浸かり過ぎの日本のお茶の間にイモータン・ジョーが登場するんだからね!
昔、アントニオ猪木がスキャンダルで叩かれ、叩いた相手に対しバキュームカーを用意して糞尿を撒き散らそうとしたことがあったそうだが、それに近いインパクト! お茶の間に突然ウォー・タンクが突っ込んでくるような『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の地上波放送だよ。
『マッドマックス』に初めて出会った1979年の12歳から53歳になる現在まで、本当に『マッドマックス』(全シリーズ)について考えなかった日は一日たりともないんだ(余談だけど、先程登場したアントニオ猪木のことについて考えなかった日も一日たりともないんだけどね)。
改めて『マッドマックス』シリーズの説明などいらないと思うけども、優秀な編集部の皆様、4作品一挙よろしく!
『マッドマックス』シリーズあらすじ
荒廃した近未来、暴走族に家族を殺された警官マックス・ロカタンスキーは600馬力を誇るV8エンジン搭載のインターセプターを駆り、街のゴミどもを私刑に処す。(『マッドマックス』)
地球上の大半が砂漠と化した核戦争後の世界を舞台に、貴重な石油や水を巡る戦いに巻き込まれたマックスが、個性でも凶悪さでも前作を上回る大規模な暴走族と対峙する。(『マッドマックス2』)
荒廃した世界で女王アウンティ(演:ティナ・ターナー)が支配する“スーパータウン”に流れ着いたマックスは、金網デスマッチ“サンダードーム”で命をかけた戦いに挑む。(『マッドマックス/サンダードーム』)
旅の途中で賊に襲われたマックスは、教祖イモータン・ジョーが独裁する街へと連行される。そこでジョーの一部隊を統率するフュリオサ大隊長と出会い、彼女の故郷であり安心して暮らせる楽園だという<緑の地>への逃亡計画に協力することになる。(『マッドマックス怒りのデス・ロード』)
「ナイトライダーだ、あいつの名前はナイトライダーだ。夜空を見上げたらあいつを思い出すんだ!」
小学生の頃に一作目を観て夢中になって、中学生になって毛の生えだした1981年に『マッドマックス2』が公開されて打ちのめされた。中学の同級生に、やっぱり同じ熱にうなされている友達ができた。『マッドマックス』とモータースポーツが大好きだった山口くんだ。昔は、レンタルビデオも料金が高くて、店舗もさほどなかった(あっても歌舞伎町の裏ビデオレンタル屋だった)から、雑誌<ぴあ>で『マッドマックス』と『マッドマックス2』がかかっている名画座を、同級生の『マッドマックス』仲間・山口くんと追跡し続けたオレ。まぁ犯人追跡のインターセプターだわな。
「中学卒業してバイクの免許とったらすぐバイク買うんだ」と、トーカッターやクンダリーニやウェズに憧れている山口くん。
「でもさぁ、アイツラは悪いんだから免許なんて持ってねぇし、どっかでバイクかっぱらってさ、それを暴走族みたいに乗ってりゃいいじゃん」
「日本の暴走族なんてカッコ悪いからイヤだよ」
悪い子なんだかいい子なんだか、どっちか分からない当時の会話だ。
中学を卒業すると山口くんとは違う高校に通うことになり、疎遠になってしまった。でもオレは高校で部活にも入らず、帰宅部で過ごす。それも個人的に『マッドマックス』を名画座で追いかけるためだった。たとえ学校は違っても、山口くんも絶対に『マッドマックス』を追いかけ続けていただろう……。
そして1985年、第3作『マッドマックス/サンダードーム』が公開された。もちろん初日に劇場に繰り出した。友達も一緒にだ。“サンダードーム”やらワクワクするところがあったが、子供がたくさん出てくるところ辺りから「?」になった。期待値が高すぎていてガッカリ……。
監督ジョージ・ミラーと共にシリーズを作り上げてきたプロデューサーのバイロン・ケネディが亡くなっていて、最後に「バイロンに捧ぐ」のテロップが流れる。オレもポッケに入れていた1枚の写真を取り出し「山口くん、ちょっと期待はずれだったけど一緒に観れたよ!『マッドマックス/サンダードーム』!」と、心の中で天国の山口くんに語りかけ捧げた。
そう、山口くんは中学時代の夢を実現して高校入学と同時にバイクの免許を取得して、カワサキのバイクは買えなかったけどヤマハのバイクに乗ってアルバイトに向かう途中に事故を起こし、17歳の若さで死んでしまっていた。だから、あの頃のようにふたりで『マッドマックス』を観ようと彼の写真を持っての鑑賞となったのだ。
そして時が経ち『マッドマックス 怒りのデスロード』が公開。公開を記念して来日したジョージ・ミラー監督、そして出演者たち。そのイベントの司会の依頼が来たときのオレは、天にも昇る気分だった。しかも地元・新宿の映画館。イベント前にナイトライダーやマックスの奥さんのジェシーやらクンダリーニやらジョニー・ザ・ボーイやらウェズやらと記念撮影し、サインを頂いた。そして監督ジョージ・ミラーさんにも会えて、感情マッドマックス!!
当日のオレは『マッドマックス2』の革ジャン衣装、ポケットには、もちろん山口くんの写真をしのばせていた。
「山口くんだ、あいつの名前は山口くんだ。夜空を見上げたらあいつを思い出すんだ!」
以上、マッドマックスのことを一日たりとも考えなかった日はないオレの理由なのでした。祝!『マッドマックス 怒りのデスロード』地上波爆音大放送!! V8V8V8!!
文:玉袋筋太郎
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は2020年9月12日(土)21時から土曜プレミアム(フジテレビ系)で地上波初放送
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
石油も、そして水も尽きかけた世界。主人公は、愛する家族を奪われ、本能だけで生きながらえている元・警官マックス。資源を独占し、恐怖と暴力で民衆を支配するジョーの軍団に捕われたマックスは、反逆を企てるジョーの右腕フュリオサ、配下の全身白塗りの男ニュークスと共に、奴隷として捕われた美女たちを引き連れ、自由への逃走を開始する。
制作年: | 2015 |
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監督: | |
出演: |
2020年9月12日(土)21時から土曜プレミアム(フジテレビ系)で地上波初放送