あなたの“窓”はどこにある? ショートフィルムを通して窓文化を創る
窓を考える会社<YKK AP>と、次世代を担う若手クリエイターが創るプロジェクト「CREATORS WORKS」が2017年より始動している。本企画は「窓」をテーマに、クリエイターが織りなす世界観をショートフィルムで表現するというもの。私たちの生活に不可欠な「窓」から生まれるさまざまな物語を通じて、窓が持つ本質や新たな魅力に気づかせてくれるプロジェクトだ。
部屋と屋外の境界線のような存在である窓は、風を通し日差しを届けるだけでなく、昼間は情報の入り口に、夜間は自分の姿を映し出す鏡にと、常に人間の営みと密接な関係にあり、その“暮らし”や“文化”を反映してきた。
「CREATORS WORKS」では、映画祭で注目を浴びた新鋭監督や話題のクリエイターが、窓からインスピレーションを受けた短編作品を製作。実写ドラマだけでなくドキュメンタリーやアニメーション、ストップモーション・アニメーションなど、それぞれの個性がにじみ出るバラエティに富んだ3分前後の14作品(2020年4月15日現在)が、YKK AP公式YouTubeチャンネルで無料公開中だ。ということで、2019年~2020年に公開された作品の中から最新の3作品をご紹介したい。
https://www.youtube.com/watch?v=vwitS8iF9vU
『ヒーローになりたい』
監督:外山文治
毎日の通学路なのだろうか、スーパーヒーローに憧れる少年が、窓辺に佇む女性に向かって“ヒーローの決めポーズ”を披露する。思春期初期特有の年上の女性に対する漠然とした憧れを、最小限の展開で少年の成長物語につなげる演出が見事。
本作を手掛けた外山監督は、村上虹郎と芋生悠のW主演作『ソワレ』が2020年晩夏に公開を控える注目の映画作家。同作は、外山監督が豊原功補や小泉今日子らと共に立ち上げた映画製作会社<新世界合同会社>プロデュース作品の第1弾となる。
https://www.youtube.com/watch?v=FlrRZWg5s0U
『窓をあける』
監督:中川駿
幼い姉妹と母のやり取りを軸に、幼少期のキラキラした記憶や、誰もが幼い頃に感じたことのある葛藤を描く。言葉にできない漠然とした不安を漂わせながらも、文字通り親子の交流の“窓”となるミニチュアハウスを巧みに使った箱庭的な演出にほっこりさせられる。
中川駿監督は2017年、LGBT映画の祭典「第26回レインボー・リール東京」のグランプを受賞した短編映画『カランコエの花』で注目を浴びた新鋭監督。
『my favorite view』
監督:山下アキ
窓越しに見える大きな木とそこに集まる人々を、日本の四季の移ろいと動植物の営みとともに描いた1分強のアニメーション作品。シンプルなラインとポップなカラーリングが、優しい温かみを醸し出している。
山下アキ監督は、イラストレーターとして活躍中。2017年よりANA機内誌『翼の王国』で全国の宿をめぐり絵と文で紹介する『宿と一日』を季刊連載中だ。
YKK APでは、窓に関するさまざまなコンテンツを日々更新中。YKK AP公式YouTubeチャンネルや「CREATORS WORKS」特設サイトで、これまでに公開された作品もチェックしてみよう。