毎年5月にフランス南部カンヌで開催されるカンヌ映画祭は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、2020年3月に発表した6月への延期案が実現不可能になったことを4月15日に発表した。フランスのマクロン大統領による13日の「少なくとも7月中旬まで大規模なイベント開催は認められない」という声明を受けた形。
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「今年のカンヌ映画祭は本来の形のまま開催される可能性は考えにくい」と声明で明かし、「フランス国内外の専門家と多くの議論を始めました。カンヌ映画祭は映画産業にとって不可欠な存在であるため、今年度の開催実現に向けてサポートをしあらゆる可能性を探ることに同意しました。」と述べ、従来とは異なる開催方法も模索中であることを示唆した。
サウス・バイ・サウスウエスト映画祭やトライベッカ映画祭などの春先に予定されていた映画祭が開催を延期していたように、カンヌ映画祭も中止する方向ではなく延期を試みることで一貫した対応をしてきた。また、サウス・バイ・サウスウエスト映画祭とトライベッカ映画祭は、オンラインでの開催を協議している。
カンヌ映画祭は過去、1968年の五月革命時にゴダール監督らによって映画祭中止に追い込まれたことがある。
「(新型コロナウイルス感染拡大による)健康危機が過ぎ去った時、私たちは映画の重要性と、その作品、芸術家、専門家、映画館、そしてその観客が私たちの生活の中で果たす役割を再確認し、証明しなければなりません。(中略)国際的な社会情勢がまだ不確実ということは、誰もがわかっていることです。今年度のカンヌ映画祭がどのような形になるのか、早急にお伝えしたいと思います。」とコメントしている。