2020年3月11日、ニューヨークの裁判所は、映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインに対して性的暴行の罪で禁錮23年の実刑判決を言い渡した。
ハーヴェイ・ワインスタインは米ミラマックス社の創業者で、同国の大物映画プロデューサー。毎年多数の作品をアカデミー賞にノミネートさせ、自身も『恋におちたシェイクスピア』(1998年)でプロデューサーとして第71回アカデミー作品賞を受賞している。
また、長年映画業界に君臨し続けた権力者としても知られており、作品の法外な価格での買い付け手法や、「シザーハンズ」と揶揄されるほどに独自の再編集、再撮影を加えるなどその傲慢さを示すエピソードには枚挙のいとまがない。
2017年10月5日にニューヨーク・タイムズがワインスタインの数十年にわたるセクシャル・ハラスメントおよび性的暴行を告発。同10日にはセクハラの被害にあった数十名が実名でワインスタインを告発、政界まで巻き込んだ大騒動に発展した。また、米映画業界人たちによって結成されている映画芸術科学アカデミーは、ワインスタインの追放を決定。一連の騒動は、その後SNSで展開されたセクハラ・性的被害を告発する「#MeToo」運動の発端となった。
Breaking News: Harvey Weinstein was sentenced to 23 years in prison for sex crimes, a stunning downfall for a Hollywood mogul whose abuse of women ignited #MeToo https://t.co/HXi0EyQiMi
— The New York Times (@nytimes) March 11, 2020
ワインスタインの弁護団は禁錮5年を求めていたが、ジェームス・バーク裁判官は禁錮23年の判決を言い渡した。ワインスタインは現在67歳だ。