ウォルト・ディズニー・アーカイブス設立50周年記念「ウォルト・ディズニー・アーカイブス コンサート」が2020年1月16日(木)、舞浜アンフィシアターで開幕。コンサートに先立ち、ナビゲーター(案内人)の稲垣吾郎が初日満員を祝し、ワールド・プレミアセレモニーに出席した。
吾郎ちゃん感激!「ウォルト・ディズニーの夢は永遠に語り継がれる」
稲垣吾郎(以下:稲垣):今まで何回もリハーサルを重ねてきたんですが、改めてウォルト・ディズニーさんの偉大さというか、キング・オブ・エンターテイナーの方ということを実感いたしました。実は会場に来て、こんなに広いと思っていなかったのでドキドキしていますけど、楽しみにしています。今回、アーカイブス・コンサートということなので、今まで皆さんが見ることのできなかった秘蔵映像があったり、ウォルト・ディズニーさんご本人の軌跡をたどっているので、大人の方にも楽しんでいただける内容になっていると思います。
ここで、特別ゲストとしてウォルト・ディズニー・アーカイブスのディレクター、ベッキー・クラインさんが呼び込まれたのだが、進行がうまく伝わっていなかったようで、なかなか登場せず。そこで、吾郎さんが機転をきかせて、本公演の司会者との楽しいトークで場をつなぐ。
稲垣:(ベッキーさんは)偉い人なんですよね? やあ、本当に会場がこんなに広いのでね、アーカイブス・コンサートですから。僕もこういう広い会場は久々なので緊張するんですけれども。
司会:絶対に見逃せないところは?
稲垣:どうやって歴史に残る、永遠に語り継がれる作品が生まれていったのかっていう部分。意外に手作り感に溢れていると言えます。あと、(音楽監督・ピアノ演奏の)島健さん率いるアーカイブス・バンドの皆さんの演奏が本当に素晴らしくて、僕は一番の特等席で鑑賞することができるので、こんな贅沢なことはないと思うんですけどね。(ベッキーさんが登場しないことに関して)何か僕、間違いました?(笑)。“キング・オブ・エンターテイナー”っていうところを僕、噛んじゃったので……そこはうまく皆さん、編集してくださるでしょうけど。
司会:じゃあそれまで、稲垣吾郎のオンステージ、ワンマンショーを。
稲垣:いえいえ、いえいえ。でも本当に皆さん、ここまで来ていただいて、ありがとうございます。
司会:吾郎さんはどのくらい登場するんですか?
稲垣:僕、結構(ステージに)いますよ。歌っちゃうかもしれないよ!? あ、ベッキーさんがいらっしゃいましたね。
ここでようやくベッキー・クラインさんが登壇。
稲垣:皆さん、拍手を。僕への倍くらいお願いします。
ベッキー・クライン(以下:クライン):本日はお越しいただきありがとうございます。今日初めて、ウォルト・ディズニー・アーカイブスと共に、ディズニーの素晴らしい音楽をお届けできることに、とても興奮しています。約2年ほど、このために準備をしてきました。日本でお披露目できることになり、喜んでいます。
そしてベッキー・クラインさんから、吾郎さんへ素晴らしいプレゼントが贈られた。
クライン:吾郎さんがこのコンサートに貢献してくださることへの感謝として、1930年に出版されたオリジナル楽譜をプレゼントしたいと思います。ウォルト・ディズニー本人が作詞をした、ミッキー・マウスのテーマの楽譜です。
稲垣:これはブログにアップしても大丈夫なやつですか?(笑)。インスタも始めたので、世界に発信して、世界に自慢します! ありがとうございます。とても光栄です!
そんな貴重な楽譜を手に、ベッキーさんとの写真撮影の後、最後に吾郎さんからこのコンサートへの想いが語られた。
稲垣:今日はお忙しい中、舞浜まで皆さんどうもありがとうございます。今回、アーカイブス・コンサートの案内人としてウォルト・ディズニーさんのことを学ばせていただいて、ウォルトさんはその当時の人々だけではなく、未来に生きる我々にもエンターテインメントを伝えていこうとしていた、ということをすごく感じました。ウォルトさんが亡くなってもその夢が決して終わることはなく、ディズニーの皆さんに引き継がれ、永遠に語り継がれる。今日はその一人に僕もなれて、とても光栄なことだと思っております。今日、この広い会場で、お客様と共に楽しくて夢のようなひとときを作りたいと思います。今日はどうもありがとうございました。
あの名作アニメを彩る名曲たちを2部構成でたっぷり堪能!
同コンサートは2部構成で、ディズニー・アーカイブスに残るウォルト・ディズニーの名言をまとめた本「THE QUOTAZBLE WALT DISNEY」からの言葉を引用しながら、稲垣吾郎の洒脱な案内で、ウォルトの軌跡と哲学、そして夢が、映像や名曲の数々と共に綴られていく。
第一部は、「インスピレーション」「チャレンジ」がキーワード。挫折の後にミッキー・マウスを生み出したウォルトがアニメーションに革命を起こしていく姿を、「いつか王子様が」(『白雪姫』1937年)をはじめ、「星に願いを」(『ピノキオ』1940年)、「私の赤ちゃん」(『ダンボ』1941年)、「レット・イット・ゴー」(『アナと雪の女王』2013年)などの曲や映像で追いかける。映画を作る前に、アーティストの自由な発想で絵を描いてもらうコンセプト・アートやビジュアル・デベロップメントという、今では当たり前になった手法もディズニーが取り入れたもので、『ふしぎの国のアリス』(1951年)も、我々が知るアリストはちょっと違う姿も公開された。
『三匹の子ぶた』(1933年)の名曲「狼なんかこわくない」では、ウォルト・ディズニー本人が曲作りに参加して、歌う場面も。こういったメイキングの貴重な資料も散逸させず、美しい状態で保存してあるところが、ディズニー・アーカイブスの素晴らしいところだ。
第二部のキーワードは、「イマジネーション」「好奇心」「アドベンチャー」「信念」、そして「未来」。『メリー・ポピンズ』(1964年)では実写の世界へ挑み、父親の目線でディズニーランドを建設、さらに未来都市エプコットを夢見ながら旅立ったウォルト。その夢の続きが体感できる構成となっている。『リトル・マーメイド』(1989年)や『ふしぎの国のアリス』(1951年)では、アニメの動きをリアルにするため、まず実写(ライブ・アクション)を撮影していく手法が「お誕生日じゃない日の歌」などの曲と共に紹介され、完成版との比較も見せてくれる。これはとても見応えがあった。
吾郎さんの登場シーンは想像以上に多く、意外(?)にもどこまでがアドリブかわからないほど、軽妙な進行ぶり。かなり茶目っ気を見せてお客さんに声をかけたり、ウォルトの微妙なリズム感に突っ込みを入れたり、「チムチムチェリー」ではステップを踏むなど、見事なエンターテイナーぶりを発揮していた。
歌は英語の歌唱のため、やや大人向きかもしれないが、ディズニーの夢を耳で目で感じられる素晴らしいコンサートなので、ぜひ家族でも体感してほしい。
ウォルト・ディズニー・アーカイブス設立50周年記念「ウォルト・ディズニー・アーカイブス コンサート」は2020年1月21日(火)・22日(水)に兵庫県立芸術文化センターで、1月28日(火)に愛知県芸術劇場大ホールにて開催。
ウォルト・ディズニー・アーカイブス設立50周年記念「ウォルト・ディズニー・アーカイブス コンサート」
2020年1月21日(火)・22日(水)に兵庫県立芸術文化センターで、1月28日(火)に愛知県芸術劇場大ホールにて開催。