ファンは「お寿司食べましたか?」みたいな質問は望んでいない(笑)
今年も「東京コミコン」が開催されました。2019年11月22日(金)~24日(日)の3日間で7万人弱のファンが訪れ、参加したスター俳優も8人という豪華なもので、世界でも類をみないコミコンになったと思います。「東京コミコン」については多くのメディアがとりあげてくれているので、ここではそのレポートというより、僕がバックステージで見たスターの方々についての印象をご報告したいと思います。
来日したスターたちは撮影会・サイン会とは別に、メイン・ステージでファンの方々に挨拶するというのがならわしになっています。今回、そのステージMCのいくつかを担当させていただきました。クリス・ヘムズワースさんは僕1人、マーク・ラファロさんのステージはアメコミリーグの皆さんと、イアン・サマーホルダーさん、ジュード・ロウさん、オーランド・ブルームさん、ザッカリー・リーヴァイさん、ルパート・グリントさんの登壇ステージは、「東京コミコン2019」の広報部長兼メインMCである宇垣美里さんと務めさせていただきました。
ライターである僕が(つまりMCが本業ではない僕が)、なぜMCないしサブMCでステージに立つかというと、「東京コミコン」のステージはスターのスケジュールによって、誰がどの時間に登壇するかギリギリまでわからない。だから、『ハリー・ポッター』関連のスターが登場すると思っていたら、マーベル映画の主人公が急遽そのタイミングで登壇、ということもあります。となると一応、全部のジャンルについてそれなりのことが分かっている人間をスタンバイさせておく必要がある。
また「東京コミコン」のステージに来ているファンの皆さんは「お寿司は食べましたか?」「京都に行きたいですか?」みたいな質問は望んでいません(笑)。もっと作品の内容とか、これからのことを聞きたがっています。こういう質問はオタク系ライターでないと、なかなか切り出せないのです。
今年も貴重な情報が飛び出した! 超豪華ゲストステージを一挙に振り返り
というわけで今回、思い出に残るステージを振り返ってみましょう。
クリス・ヘムズワースさんですが、これはもう彼から「『マイティ・ソー/ラブ&サンダー』(原題『Thor: Love and Thunder』※2021年公開予定)の脚本はまだ出来ていないけれど、撮影は来年の半ばごろから始まります」という言葉を引き出せたことが自分的には金星でした。『ラブ&サンダー』の具体的な撮影について公的に発言されたのは、これが初めてでしょう。また、彼にムジョルニア(僕の私物)を渡してソーのポーズの実演をしてくれたことも。
楽屋裏で「ソーのコスプレーヤーの方のためにお手本を見せて欲しい」とリクエストしたら、「スパイダーマンのクモの巣発射ポーズほどマネしやすくないんでどうかな」と笑っていたんですが、しっかりやってくれました。
ステージの後、「あのクリスが触ったムジョルニアを触らせて欲しい」と多くの方に言われました(笑)。
マーク・ラファロさんは本当に優しいオーラが出ていて、ブルース・バナーそのもの。ステージに立つ前に何千人ものファンとサイン会・撮影会をしていたわけですごく疲れているハズなのですが、終始にこやかでした。
アメコミリーグの皆さんが「これからのMCUにハルクをどう登場させるか、ケヴィン・ファイギ(MCUのプロデューサーにしてマーベル・スタジオの社長)と話をする予定です」という大スクープを聞き出し、僕が「ハルクVSウルヴァリン(注:原作コミックではX-MENのウルヴァリンはハルクのコミックでデビュー)って、どうでしょう?」と提案すると、マークさんに「いいね!」と言ってもらえたのがヒットでした。
先のクリスさんのソーの撮影時期についての言及も含め、こうしたやりとりは海外のメディアにも取り上げられたので、東京コミコン発のスクープになったと思います。
ジュード・ロウさんのステージでは、宇垣さんが「『ファンタスティック・ビースト』シリーズで、またダンブルドアを演じます」という話を聞き出せました。
オーランド・ブルームさんのステージでも、宇垣さんが「レゴラスの弓の技をどうトレーニングをしたのか」という興味深い話を聞き出し、僕が「オーランドさんがMCUに出るとしたら演じたい役は?」と聞いて「キャプテン・ブリテン」というアメコミ好きを熱狂させるコメントをもらえました。
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ルパート・グリントさんは『ハリー・ポッター』シリーズのコスプレイヤーと共演。ちゃんとヴォルデモートのコスプレーヤーの前で“演技”してくれました。
ザッカリー・リーヴァイさんの登壇も忘れ難い。これもDCコスプレーヤーとの共演ステージだったのですが、ザッカリーさんの意向で会場から質問を受け付けることに。
そして、ファンの方の「ザッカリーさんは歌がとてもお上手です。歌っていただけませんか」というすごいリクエストに応え、本当に歌ってくれたのです!(注: ザッカリー・リーヴァイさんは『塔の上のラプンツェル』のフリン・ライダー役で劇中歌「輝く未来(I See the Light)」を歌い、アカデミー賞歌曲部門にノミネート)。これはまさに神対応のステージでした。
ファンの「好きだ!」という想いが熱気になり、最高のステージを作り上げる
そして個人的に一番印象的だったのは、イアン・サマーホルダーさん。実は今回のゲストの中で、僕が“一番詳しくないゲスト”が彼だったんです(『ヴァンパイア・ダイアリーズ』は見ていたんですが、アメコミ好きの自分としては『ヤング・スーパーマン』のアダム・ナイトの印象が強い)。
だから逆にいろいろ予習して、相当なイアン・ファンになっていたのと、宇垣さんが海外ドラマのファンで『ヴァンパイア・ダイアリーズ』も好きだったということもあり、結果、イアンさんとのステージはより熱いものになりました。
また、会場にはイアンさんの熱狂的なファンも駆けつけており、ファン・ミーティング色が一番強いステージになりました。
これに対し、イアンさんのファンに対する配慮・サービス精神も素晴らしかった。実はこのステージの後、イアンさんのサイン会・撮影会の当日チケットが急伸したそうで、皆ファンになったのですね。
https://www.instagram.com/p/B5J19GCpJMo/
「東京コミコン」のステージは記者会見の場ではありません。スターとファンが一つになる場であり、それを実現できてよかったです。最後に、この場を借りてアメコミリーグの皆さん(マーク・ラファロさんのステージが盛り上がったのは皆さんの力が大きい)、宇垣美里さんに感謝です。宇垣さんは、このジャンルおよびこのジャンルに登場するスター、そしてこのジャンルを愛するファンへのリスペクトがあり、本当に素晴らしい広報部長にしてMCでした。
そしてなによりも、ステージに集まってくださったファンの皆さんに感謝です! 皆さんの「好きだ!」という思いが熱気になり、オーラになり、今年も最高のステージになりました。本当にありがとうございます! 来年も皆さんと一緒に盛り上げていきたいです!!
文:杉山すぴ豊
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