ワケアリ柔道師範のマブリーが魅せる子煩悩ぶりに激萌え!
我らがマブリーことマ・ドンソクの主演映画『ザ・ソウルメイト』が、2019年11月15日(金)よりシネマート新宿・シネマート心斎橋にて開催中の劇場発信型映画祭「のむらコレクション」(通称:のむコレ)にて公開中。“ソウルメイト”というタイトルからして男同士のアツい友情物語ですか? と期待に大胸筋が膨らんだが、どっこい予想の斜め上を行く展開の熱盛ヒューマン・ドラマであった。
ここ最近のマブリーといえば、ワケアリの腕相撲ファイターやチンピラに恐れられる暴力刑事、ゾンビと戦う愛妻家の夫、暗い過去を持つ魚屋、女子校教師、神様(!)などなど、振り返ってみればバラエティに富んだ役柄を演じている。そして本作でマブリーが演じるのは、男手ひとつで幼い娘を育てながら小さな柔道場を営む男、ジャンスだ。
なぜか幽体が見えちゃうマブリーのコミカルな演技に爆笑!
そのガチムチな見た目とは裏腹に、街中で起こるトラブルにシカトを決め込む腰抜けっぷりを見せつけるジャンス。しかし、ジャンスの娘は心臓移植が必要な重病を患っていて、彼はなんとか娘を救ってくれと医者に頭を下げ、道場を売り払ってでも手術費用を工面しようとする。良き父であることに疑いはないジャンスだが、徹底的にトラブルを避けようとする態度にも、実は哀しい理由があった……。
一方、ジャンスの人相の悪さから度々職質をする警官テジン(キム・ヨングァン)は、人身売買に関わる危険な取引の現場を押さえようと単独で動き、ヤクザ者に半殺しにされてしまう。しかも、植物状態になったテジンは幽体離脱してしまい、霊体として現世を彷徨いながら恋人ヒョンジが悲しむ姿に胸を痛めていた。
犬猿の仲だった2人がなぜ絡むことになるのかというと、なぜかジャンスにだけはテジンの霊体が見えてしまうから。自分が残した犯罪の証拠を知ってしまったヒョンジを犯人たちの魔の手から救いたいテジンが頼るのは、彼の姿が見えるジャンスしかいないというわけだ。当然、面倒ごとは勘弁と突っぱねるジャンスだったが、ある条件と引き換えに彼の依頼を受けることになる。
実力派女優イ・ユヨンの役柄との奇跡のシンクロぶりに号泣……!
正直やや先の読めるご都合的なお話ではあるが、マンガ的でポップな設定は日本人にも馴染み深いし、マブリーはしっかり暴れてくれるし、特に文句を言いたくなるような欠点は無い。しかも、主演の2人以外にも『哭声/コクソン』(2016年)や『タクシー運転手 ~約束は海を越えて~』(2017年)でイイ味を醸し出していたチェ・グィファが脇を固めていて、『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016年)『犯罪都市』(2017年)でもマブリーと共演しているグィファだけに安心して観ていられる。
しかも、ヒョンジを演じるイ・ユヨンは『アトリエの春、昼下がりの裸婦』(2014年)『背徳の王宮』(2015年)『マリオネット 私が殺された日』(2017年)などで見せた体当たりの演技で評価が高い若手筆頭の演技派だが、実は彼女、2017年に事故死した俳優キム・ジュヒョクの恋人だったのだ。本作の撮影があの悲劇よりも後だったのかどうかは不明だが、結婚目前だったという部分まで役柄とシンクロしていて愕然。この事実を知ってから本作を観ると、イ・ユヨンの真に迫る演技と相まって100倍くらい泣けてしまうことだろう。
大切な人への想いは、伝えられるときに伝えておこう。そんな予想外の余韻に浸ってしまう、かなり切なくてハートフルでスリリング、そしてマブリーの腕力全開な映画だった。
『ザ・ソウルメイト』は2019年11月15日(金)よりシネマート新宿&シネマート心斎橋で開催中の「のむコレ」にて2019年11月18日(金)より上映
『ザ・ソウルメイト』
柔道館の館長ジャンスは、病気の娘の手術費を稼ぐため仕事をかけ持ちする日々。若き熱血警官テジンから、まるで容疑者のように職務質問されて以来、二人は犬猿の仲だった。そんな折、テジンが謎の男たちに襲われ、ジャンスも巻き込まれて負傷。昏睡状態に陥ったテジンは幽体離脱して現世をさまよい、その姿が見えるのはジャンスだけという事態に...。暗殺者に執拗に追われた二人は、人間とゴーストによる前代未聞のバディとして合同捜査に乗り出すことになった──!!
制作年: | 2018 |
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監督: | |
出演: |
2019年11月15日(金)よりシネマート新宿&シネマート心斎橋で開催中の「のむコレ」にて2019年11月18日(金)より上映