『アクアマン』のことがよく分かる! 情報盛りだくさんの予告編をじっくり解説
2019年のアメコミ・ヒーロー映画シーンはこの男から始まる!『アクアマン』です! アメリカではクリスマス映画の目玉、日本では2月8日のバレンタイン映画の本命です!
アメリカではロッテントマトを始めレビューサイトでも高スコアをゲット! 前売券も多くの販売サイトで売り上げ記録更新! さらに先行公開された中国では、ワーナー映画史上最大のオープニング記録(3日間で9400万ドル弱=100億円近い興収)を達成! と大ブレイク作になりそうです。
本作はバットマン、スーパーマン、ワンダーウーマンのDCコミックのヒーローで、海底王国アトランティスの王家の血をひく男がアクアマン(水の男)、海を守るヒーローとして活躍します。映画ではすでに『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)でその存在が示唆され、『ジャスティス・リーグ』(2017)で大暴れしていましたが、本作はアクアマンのオリジン(誕生秘話)にスポットをあてた作品となります!
日本公開まで待ちきれない方のために、最新予告編(米国版)を徹底解説です。
5秒:この赤ちゃんが後のアクアマンです。アクアマンの母親を演じているのがニコール・キッドマン! 後でわかりますが、彼女は海底王国アトランティスの姫・アトランナであり、ある事情から地上人(つまり僕ら)の灯台守と結ばれ子どもを授かるわけです。従ってアクアマンは海底人と地上人のハーフなのです。実はコミックの設定では、アクアマンは海底人でたまたま地上人である男に育てたられた、つまり父親は育ての親であって実の父ではない、という設定もあったのですが、この映画ではちゃんと“海底人と地上人のハーフ”です。
10秒:フォークですが、実はこれが後で重大なアイテムとなるお宝=三つ又の槍(トライデント)を示しており、アクアマンの物語がトライデント探しであることを予告しています。
16秒:海底王国アトランティスが、かつて地上にあったことがわかります。映画『ジャスティス・リーグ』をご覧になった方はお分かりになるかと思いますが、ワンダーウーマンのアマゾン族とアトランティス軍、そして地上人は手を結び、かつて宇宙からやってきたステッペンウルフと戦ったという伝説があります。
20秒:おお! 大人になったアクアマン(演じるのはジェイソン・モモア)と海底人のメラ(演じるのはアンバー・ハード)です。2人とも素敵ですが、僕はこのメラ、本当に美しいと思う。ワンダーウーマン、ハーレイ・クインと並び、コスプレイヤーが一気に増えそうな人気キャラになる予感!
22秒:少年時代のアクアマンの師匠となるヴァルコ。演じるのはかつて『スパイダーマン』(2002)で登場したグリーン・ゴブリンことウィレム・デフォー。コミックでは科学者ですが、この映画ではアクアマンの武術師匠としても活躍。
27秒:この映画の水中・海底シーンの特長ですが、今までこの手の映画の海の中のシーンは水泡をいれたり、また動きをスローモーションで撮ったりしますが、本作はそういうことをしていません。つまり地上人にとって地上が“普通の空間”であるように、海底人にとって海底は“普通の空間”なのですから。さすが『ワイルド・スピード SKY MISSION』(2015)のジェームズ・ワン、スピーディなアクションがすごい!
36秒:原作コミックでアクアマンはイルカとともに育ったという設定もあり、イルカとの共演もちゃんと入っています。
47秒:潜水艦と絡んだアクションです。スーパーマンは空を飛ぶから飛行機救出みたいな見せ場がありますが、やっぱりアクアマンは海のヒーロー! 潜水艦を助けます!
54秒:ワーナー→DCのロゴですが、今までのDC映画が特にバットマンにひきずられた暗いトーンに対し、なんと明るい。新たなDCヒーロー映画時代を象徴する色かも。
55秒:この映画がすごいと思うのは、アクアマン=水のヒーローなのに砂漠でのアクションがあるということなのです。アクアマンというヒーローは、どんなアクション映画でも可能ということを言い切っている感じです。
1分12秒:今回のアクアマンのライバル。アクアマンとは異父弟にあたるオーム・マリウスです。バーフバリ、マイティ・ソー、ブラックパンサーもそうですが、こういう“王国”を背負ったヒーロー物は兄弟の王位争い(義兄弟や従弟などですが)というのが鉄板ですね。演じるのはパトリック・ウィルソンですが、すごくかっこいい!『ウォッチメン』(2009)のちょっと太った2代目ナイトオウルの印象が強かったのですが、なんと美形! あと、この予告で話をしている海の王様らしき人物はドルフ・ラングレン! 物語的にはメラの父です。
1分14秒:海底人たちは海の動物、怪物たちにまたがるのです(これは『ジュラシック・ワールド/炎の王国』(2018)にも出てきた、海の恐竜っぽいですね)。なおこの予告では出てきませんが、海底人たちが巨大なタツノオトシゴにまたがっているのです。タツノオトシゴは英語でシーホース、つまり”馬”なのですね。
1分17秒:このあたりから、本作がトライデントを探す冒険ものということがわかります。先の砂漠のシーンもその一環。本作を“スーパーヒーロー物であり、インディ・ジョーンズの楽しさ”と評するコメントが多いのも頷けます。
1分26秒:この映画はとにかく海底王国のシーンが素晴らしい。異世界へと僕らをいざなってくれます。『ブラックパンサー』(2018)のワカンダ、『アバター』(2009)のパンドラ級の世界です。この後、何度か海底王国のシーンが出てきますが、本作はヒーロー物でありながらヒロイック・ファンタジーでもあるのです。
1分33秒:この映画のヴィラン、ブラックマンタです。オームはライバルですが、ブラックマンタは本当にアクアマンを憎んでいて邪悪です。正直、僕はこのキャラをコミックで見たときは、そんなにかっこいいと思わなかったのですが、この映画版のブラックマンタはCOOL! 問答無用の動く殺りく兵器感がすごいですね。これはフィギュア欲しい!
1分42秒:ニコール・キッドマンの美しさにひれ伏せって感じです!(笑)。彼女はDC映画としては『バットマン フォーエヴァー』(1995)に出演しています。
1分48秒:メラは水を自由に操れる力を持っているのです。
1分54秒:海底王国を舞台にした大バトル! スター・ウォーズの宇宙空間でのドッグ・ファイト的ケレン味がありますね! 先ほど書いたとおり、こういうシーンに水泡やスローモーな演出がないのがわかるでしょう?
2分8秒:怪獣映画好きとしては海の怪獣いっぱい出てくるんです!
2分14秒:これです! これです! この姿!原作コミックのアクアマンはオレンジと緑のコスチュームが基本! ついにその姿になりました!『ジャスティス・リーグ』では、この姿のお披露目はないのです。この予告にかかるテーマ曲(本編でも使われます)も、王/ヒーローの覚醒を歌い上げ、エモーショナル!
いかがだったでしょうか? この『アクアマン』がヒーロー物を超えて、あらゆる冒険アクション・エンタテインメント映画の面白さを詰め込んだ作品であることがわかります!
アメコミ映画ファンにとって、2019年がこの作品でスタートすることは、なんと素晴らしいことでしょうか!
文:杉山すぴ豊
アクアマン
人間として育てられた、海底国アトランティスの末裔。海の生物すべてを意のままに操り戦う男・アクアマン。故郷アトランティスが痴情侵略を始めたとき、彼が守るのは人類か、海底か?!
制作年: | 2018 |
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監督: | |
出演: |
映画専門チャンネル ムービープラスで2021年7~8月放送