誰もがチビりながらプレイした伝説の最恐ゲーム「バイオハザード」
映画『バイオハザード』(2002年~)といえば、言わずもがな超人気ゲームを実写映画化した長寿シリーズ。2016年に公開された『バイオハザード: ザ・ファイナル』で文字通りシリーズ完結となったが、今も多くのクリエイターに大きな影響を与え続けている、もはやクラシックと言っても過言ではない名シリーズだ。
映画化を含むあらゆる関連コンテンツの起点となったのは、1996年にリリースされたガンシューティングアクションゲーム「バイオハザード」。アラフォー世代の皆さんにとっては懐かしのレトロゲーム枠ということになるかもしれないが、同時に世界的なゾンビブームの火付け役としてエンタメ業界における貢献度もすこぶる高い名作である。
女性キャラ大活躍! ゲームの世界感を大胆な脚色で見事なアクション映画へと昇華
慣れない客観視点でキャラクターを操作し、なんとか部屋に入ったら人間を貪り食っているゾンビがゆっくりこっちを振り向いて……という、今見ても怖すぎるムービーシーンで失禁したキッズが世界中に何万人いただろうか。そんな歴史的傑作ゲームの映画化企画にGOが出たのは自然な流れだが、大きなファン母体を持つアニメやゲームの映画化は常にリスクと隣り合わせである。しかも1作目は予算も限られており、キャストやスタッフたちの手弁当によって制作された部分も大きかったという。
それでも映画『バイオハザード』(2002年)が大ヒットしたのは、ひとえに主人公アリスを演じたミラ・ジョヴォヴィッチの頑張りと、後に彼女の夫となるポール・W・S・アンダーソン監督ら制作陣のゲームへの敬意と愛ゆえだろう。基本設定はそのままに映画オリジナルの世界感を混ぜ込み、そこにファンにはお馴染みのモンスターたちを投入。さらに、強さと繊細さを兼ね備えたアリスが魅せる肉体アクション要素を盛り込むことで、映画としてのエンタメ性をしっかり確保する……。
作品の方向性をしっかり理解した俳優、そして原作へのリスペクトと映画作りのセオリーが高水準でハマれば、限られた予算でもファンが納得する映画を作れるという見本のような作品だ。
バイオの映画化は絶好調で、1作目の直後にウイルスが街に蔓延してしまった! という忙しい設定の続編『バイオハザードII アポカリプス』(2004年)が、そしてウイルスが地球上に拡がりマッドマックスみたいな世界になってしまった『バイオハザード III』(2007年)が公開。
1作目の主要女性キャラは、アリスと同じく映画オリジナルキャラクターのレイン(ミシェル・ロドリゲス)だけだったが、2~3作目にはゲームの人気キャラクター、ジル・バレンタイン(シエンナ・ギロリー)やクレア・レッドフィールド(アリ・ラーター)などが参戦。ゲーム版を意識しまくったキャラクターや衣装で大活躍し、ファンの心をガッチリ掴んだ。
通りすがりのおっさんの喉元をガブリ! 中島美嘉がゾンビ役で出演
シリーズ4作目は、ズバリ『バイオハザードIV アフターライフ』(2010年)。「アポカリプス(終末世界)」からの一つ飛ばして「アフターライフ(死後)」という非常に縁起の悪いタイトルだが、1作目のポール・W・S・アンダーソン監督がカムバックし、初の3D作品として公開された。
また、物語の起点として東京が大フィーチャーされており、渋谷のスクランブル交差点で中島美嘉がゾンビ化するシーンにブチ上がったファンも多かっただろう。まあ東京はすぐに核爆発に巻き込まれて消滅するのだが。
ミラのアクションシーンはますますアクロバティックに進化していて、いわゆるマトリックス的なウルトラC級アクションも披露。撮影時は30代半ばということもあり、まさに脂の乗り切ったミラの体さばきは見ていて惚れ惚れしてしまう。
前作の重要な要素だったクローン云々は序盤でさっさと切り上げてしまうものの、制作当時の最新ゲームタイトル「バイオハザード5」から拝借している設定やシーンも多く、コアなファンが観ると「おお、ゲームまんまだ!」と感動するはずだ(それが褒め言葉かどうかはさておき)。
なおドラマ『プリズン・ブレイク』シリーズ(2005年~)で知名度を上げたウェントワース・ミラーが出演していて、同ドラマへのオマージュかのようなセリフもあるのでお見逃しなく(※見逃しても特に支障はないです)。
敵の部隊との共闘に燃える! まるで戦争映画のようなエモいシーンも満載
続く5作目『バイオハザードV:リトリビューション』は“報復”というサブタイトルだけあって、諸悪の根源<アンブレラ社>への募りに募った恨みを晴らすべく……と思いきや、前作のラストシーンの続きから始まり、さらに主人公アリスが1作目からの流れをざっと説明する。
記憶の混濁により“普通の主婦”として幸せな日常を送るミラが登場するシーンは猛烈にムズ痒いが、シリーズの特徴となったスローモーションを多用したアクションはミラの体技を堪能するのにピッタリ。モンスター化した怖い中島美嘉とのバトルは手に汗握る迫力だ。
前作の強敵が救出チームを送り込んで主人公と共闘するという展開も燃えるし、ソ連兵コスプレのゾンビ部隊や凍てつく海中ゾンビなどの小ネタは目にも楽しい。また、複数のゲームシリーズに登場した人気女性キャラ、エイダ・ウォン(リー・ビンビン)が新たに参戦し、アリスを先導する重要な役割を担っている。
とりあえず壮大な計画とビジュアルを用意しておいて、最後にそれをドカンと爆破して振り出しに戻せばOK! みたいな強引展開は相変わらずだが、実際こちらもスッキリとリセットできるので結果オーライである。
他の注目のキャストは、めでたく復帰したミシェル・ロドリゲス姉御(最高の死にっぷりを披露)と、ギレルモ・デル・トロ監督が手掛けるドラマシリーズ『ストレイン』(2014年~)のケヴィン・デュランド(最高の見せ場あり!)だろうか。もちろん、ゲームまんまの衣装や再現シーンを盛り込んだりと、ファンへの目配せはバッチリだ。
タイムリミットは48時間! 恐ろしい“ゾンビ絨毯”に埋め尽くされた地球を救え!!
5作目は「人類の生き残りをかけた戦いが始まった!」みたいにブチ上げて終わったが、この『バイオハザード:ザ・ファイナル』で本当の本当にシリーズ終了! ミラのアリスともお別れかと思うと寂しいが、SF版『ウォーキング・デッド』みたいな世界感は過去シリーズ中で最もゴージャスだ(世紀末的な意味で)。
ということで、アリスの出生の秘密や、さんざん苦しめられてきたウイルスの謎も明かされ、最後だから総ネタバラシ大会にしちゃおう! という制作陣の気前の良さにあふれた本作。愛ゆえに苦言を呈してきたコアなファンの皆さんも、14年続いたシリーズの総決算を、目を細めて見届けたことだろう。
もちろんストーリーのほうは容赦なく、シリーズ後半の強敵AI<レッドクイーン>(演じているのはミラ・ジョヴォヴィッチとポール・W・S・アンダーソン監督との娘さんとのこと)に「あと48時間で◯◯を手に入れないと人類は滅びる」と条件付きで非情な宣告をされてしまう。
優秀なAIが「人類滅亡」と豪語するだけあって、本作のゾンビ描写はゾンビ史に残るであろう凄まじさ。これまでゾンビ集団ダッシュやゾンビ雪崩など数々のゾンビ演出が生み出されてきたが、本作のゾンビを例えるならば、まるで絨毯。そう、地球は“ゾンビ絨毯”に包み込まれて最後を迎えようとしているのだ!!
そんな滅亡ギリギリを強調したディストピア描写(とりあえずマッドマックス風にしておけばOK)はグッとくるし、原爆ドームさながらのホワイトハウスに籠城している人類という設定もなかなか乙である。クレア以外にお馴染みのキャラは出てこないものの、後に『ジョン・ウィック:チャプター2』(2017年)で一躍人気者となるタトゥーだらけ女優、ルビー・ローズがアリスの仲間アビゲイルとして出演しているので要注目だ(ただし死に様は本当にヒドい)。
ちなみに公開時にはタレントのローラがちゃんとセリフのある役で出演していることも話題になったが、アンダーソン監督の日本への律儀さには本当に頭が下がる思いだ。今まで本当にありがとうございました!
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全6作で完結した『バイオハザード』シリーズだが、基本的にどこから観てもそれほど支障のない作りになっている(褒めてます)ので、シリーズ途中でも気にせずポップコーンを用意して鑑賞してほしい。
『バイオハザードIV アフターライフ』『バイオハザードV:リトリビューション』『バイオハザード:ザ・ファイナル』はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2019年9~10月放送。
ムービープラス\開局30周年記念/
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2週目『バイオハザード:ザ・ファイナル』
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B賞 PlayStation®4用ソフト「バイオハザード RE:2」(CERO:D版)・・・5名様
C賞 「バイオハザード」シリーズ非売品グッズセット・・・10名様
D賞 「バイオハザード ブルーレイ アルティメット・コンプリート・ボックス」(10枚組)・・・3名様
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【放送日時】9/14(土)20:55 ┃ 9/15(日)17:00 ┃ 9/17(火)21:00 ※3回放送
【応募期間】9/14(土)~9/18(水)23:59