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『ジョン・ウィック』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の映画音楽家で、マリリン・マンソンのツアーにも参加したタイラー・ベイツって?

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ライター:#森本康治
『ジョン・ウィック』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の映画音楽家で、マリリン・マンソンのツアーにも参加したタイラー・ベイツって?
『JOHN WICK』オリジナル・サウンドトラック
音楽:タイラー・ベイツ&ジョエル・J・リチャード
発売・販売元:Rambling RECORDS Inc.
品番:RBCP-2894

 

伝説の殺し屋の凄絶な復讐を描いたノンストップ・キリング・アクション『ジョン・ウィック』(2014年)。映画の大ヒットによってキアヌ・リーヴスは完全復活を果たし、チャド・スタエルスキとデヴィッド・リーチという2人のスタントマン出身監督は、アクション映画界に新風を吹き込んだ。そして劇中でアグレッシブな音楽を聴かせたタイラー・ベイツも、本作で大ブレイクを果たしている。

最新作『ジョン・ウィック:パラベラム』が2019年10月4日(金)より公開、サウンドトラックアルバムが2019年10月9日(水)に発売となるので、今回は知る人ぞ知る映画音楽家、タイラー・ベイツのキャリアを簡単にご紹介させて頂きたいと思う。

Tyler Bates (Photo by Piero F Giunti)

ロック出身のタイラー・ベイツ、意外な作品で映画音楽の面白さを知る

ロックミュージシャンとしてキャリアをスタートさせたベイツは、バンド活動の傍ら、90年代から低予算映画の作曲の仕事を行うようになる。当時の彼にとって、映画音楽の仕事は主に家賃の支払いのためのものだったという。しかし、「スティーヴン・ケイ監督作『死にたいほどの夜』(1997年)の音楽を担当して、映画音楽の作曲に面白さを感じるようになった」と、以前筆者がインタビューを行った際に語っていた(※1)。

その言葉を裏付けるように、ベイツは『追撃者』(2000年)、『ウェイステッド 私たちの最悪な一年』(2002年)、『デッドマン・コーリング』(2004年)でもケイ監督と組んで、音楽を担当している。

ゾンビ映画『ドーン・オブ・ザ・デッド』の音楽で注目を集める

低予算映画で経験を積んできたベイツが最初に注目を集めたのが、ザック・スナイダー監督作『ドーン・オブ・ザ・デッド』(2004年)だった。

両者はその後『300 <スリーハンドレッド>』(2007年)、『ウォッチメン』(2009年)、『エンジェル ウォーズ』(2011年)でもコラボ。『エンジェル ウォーズ』ではマリウス・デ・ヴリース(『ラ・ラ・ランド』のエグゼクティブ音楽プロデューサーでもある)と共に挿入歌のプロデュースも手掛けており、ベイツの音楽プロデューサーとしての手腕が発揮された作品となっている。

これらの映画の印象があまりにも強かったため、ベイツはロブ・ゾンビ監督の諸作や『ドゥームズデイ』(2008年)、『コナン・ザ・バーバリアン』(2011年)など、ホラーやバイオレンス度高めなアクション映画の作曲家として広く知られるようになる。

一方、『ドーン・オブ・ザ・デッド』で脚本を担当したジェームズ・ガンとも親交を深めた彼は、ガンの監督作『スリザー』(2006年)、『スーパー!』(2010年)、『ムービー43』(2013年)内の一編「Ned ネッド」の音楽を担当し、これがのちの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズ(2014年~)への参加に繋がっていくのだった。

マリリン・マンソンのアルバムをプロデュース! ライブでギターも弾きました

近年のベイツは、マリリン・マンソンのアルバム『ザ・ペイル・エンペラー』(2015年リリース)と『ヘヴン・アップサイド・ダウン』(2017年リリース)のプロデュースでも話題となり、ギタリストとしてマンソンのツアーにも参加。

本人は「映画やTVドラマの作曲の仕事も大好きだけど、ロックバンドの一員として、熱狂的な観客の前で演奏するのも最高なんだ。キャリアの初期にバンドをやっていたし、ギタリストであることは僕という人間の一部なんだよ」と語っていたが(※2)、顔にゴスメイクを施して爆音ギターを弾きまくる姿は、映画音楽家とは思えない強烈なインパクトがあった。

『ジョン・ウィック』や『アトミック・ブロンド』『リミット・オブ・アサシン』(2017年)の劇中でマンソンの曲が使えたのは、両者のコラボによるところが大きい。

『リミット・オブ・アサシン』オリジナル・サウンドトラック
音楽:タイラー・ベイツ
発売・販売元:Rambling RECORDS Inc.
品番:RBCP-3283

気心の知れた監督たちの作品で痛快な音楽を作曲

『ジョン・ウィック』シリーズや『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』(2019年)ではエレクトリックギターを前面に出したロック・スコア、『アトミック・ブロンド』ではシンセ・スコアを作曲し、『デッドプール2』(2018年)ではスーパーヒーロー映画らしいフルオケ・スコアを作曲……したかと思えば、混声合唱団にキワドい歌詞を歌わせるというチャレンジ精神を発揮。いかにもデップー映画らしいブッ飛んだ発想だが、これは気心の知れたデヴィッド・リーチ監督とのコラボだからこそ実現した試みと言えるだろう。

シリーズ第3作『ジョン・ウィック:パラベラム』では、『ジョン・ウィック:チャプター2』(2017年)から更なる進化を遂げたベイツの音楽が“キアヌ無双”を盛り上げているので、映画の公開とサウンドトラックアルバムの発売を楽しみにして頂きたいと思う。業界屈指の“ロックな映画音楽家”タイラー・ベイツの今後の活躍にも是非ご注目を。

※1:『地球が静止する日』オリジナル・サウンドトラック ライナーノーツ内インタビューより引用
※2:『JOHN WICK』オリジナル・サウンドトラック ライナーノーツ内インタビューより抜粋

『ジョン・ウィック:パラベラム』オリジナル・サウンドトラック
音楽:タイラー・ベイツ&ジョエル・J・リチャード
発売・販売元:Rambling RECORDS Inc.
品番:RBCP-7410

文:森本康治

『ジョン・ウィック:パラベラム』は2019年10月4日(金)より公開

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『ジョン・ウィック:パラベラム』

思い出の我が家を燃やされ、伝説の殺し屋は復讐の果てに逃亡者となる!

制作年: 2019
監督:
音楽:
出演: