パートナーが浮気したら、どうする?
唐突な話で恐縮だが、「パートナーの浮気が発覚」したとき、どんな行動を取るのか? 実際のアンケート調査などから見えてきた傾向として、まず多くの人が“証拠集め”をすることが多いようだ。例えば、スマホの履歴やメッセージ、クレジットカードの明細などを確認する等々……。これは浮気の事実を確認するために必要なステップであり、離婚や慰謝料請求を視野に入れたクレバーな対応と言えるだろう。
とはいえ人間だもの、もちろん感情的な反応もある。怒りや悲しみ、混乱といった感情が一気に押し寄せ、パートナーとの直接対決やドロ沼の話し合いにつながることも。被害者側に冷静な対応ばかりを求めるのは酷だし、性別によって変わってくる部分もあるはずだ。

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しかし映画の世界では、ある程度ドラマチックな展開が求められる。浮気を知った後の行動として「離婚一直線」なドタバタ劇となるか、関係修復を試みるヒューマンな展開となるか……。前者の場合は弁護士への相談や慰謝料請求といったリアルな要素も出てくるだろうし、後者の場合は当事者同士の話し合いだけでなくカウンセラーが登場したりもする。
浮気夫に反撃! ジュリア・ロバーツ主演『愛に迷った時』
1995年の映画『愛に迷った時』はジュリア・ロバーツ主演の“浮気発覚”ドタバタコメディ。『ギルバート・グレイプ』(1993年)や『サイダーハウス・ルール』(1999年)で知られるラッセ・ハルストレム監督の初期作で、デニス・クエイドやロバート・デュヴァル、ジーナ・ローランズらキャストも豪華だ。
ロバーツ演じるグレースは、夫エディと一人娘キャロラインの世話、父親の牧場の手伝いに主婦サークルと多忙な毎日を過ごしている。しかしある昼下がり、エディの浮気現場を目撃! それを問い詰めたことから互いに日頃の不満が爆発し、町中で大喧嘩を繰り広げた結果、実家に帰らせていただくグレース。そして、夫に対抗して自分も浮気をしようとするのだが……。
襟足長めでマッチョなデニス・クエイドが時代を感じさせるが、かたやジュリア・ロバーツはそのへんを超越した普遍の美しさ。そんなロバーツ演じるグレースは夫エディの浮気に憤慨した勢いで周囲の浮気事情まで暴露し、料理に謎のスパイスを入れてエディを入院させるなど大ハッスル。あくまでコメディなのだが浮気現場を目撃したグレースの狼狽えぶりはさすがの名演で、胸がキュッと痛くなる。
パートナーの浮気に傷つき悩みながらも、新しい愛の形を模索するヒロインの姿を描く本作。大いに笑えてじんわり泣けて、最後はほっこり――家族や大切な誰かと一緒に観たいヒューマンドラマだ。
『愛に迷った時』はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2025年4月放送