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どうしてそうなった!? 太古の怪獣“テング”は怪奇クリーチャー!『ゴジラ』対抗馬?『ロード・オブ・モンスターズ』はアサイラムらしからぬ快作だ!!

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ライター:#知的風ハット
どうしてそうなった!? 太古の怪獣“テング”は怪奇クリーチャー!『ゴジラ』対抗馬?『ロード・オブ・モンスターズ』はアサイラムらしからぬ快作だ!!
『ロード・オブ・モンスターズ』© 2019, The Global Asylum, Inc.

 

アサイラムが『ゴ◯ラ』公開のタイミングにぶつけてきた自信作!?

先日、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』という新作映画が公開された。未見の皆様に配慮して、詳しい内容は語らないが、初見の観客が十中八九「あっラドン、てめーっ」と思うであろう本作は、“単純明快”で“迫力満点”な怪獣映画の傑作である。

それはさておき、もはや今回で5回目の文章構成だが、米国の製作会社・アサイラムも『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』と近い時期に怪獣映画を公開している。タイトルは『ロード・オブ・モンスターズ』。ちなみに原題は『MONSTER ISLAND』である。

『ロード・オブ・モンスターズ』© 2019, The Global Asylum, Inc.

一般的な単語の並んだ原題が、なぜ話題作の瀬戸際を攻めた邦題に変わっているのか見当もつかないが、おそらく“MONSTER ISLAND”が現地の言葉で『ゴ◯ラ』とか『◯ング・オ◯・モン◯ターズ』を意味する神秘的な名詞なのだろう。

というわけで早速、アサイラム作品の常連であるマーク・アトキンス監督が贈る『ロード・オブ・モンスターズ』について語っていこう。

目には目を、怪獣には怪獣を! シンプルかつ燃える展開

約二万年前の地球では、怪獣と呼ばれる極めて巨大な生物が闊歩していた……。時は流れて現在。企業利益を追求する億万長者のフォードと、その優秀な部下として働くシェリーズやライリーは、ロボットを使ったケルマディック海溝の深海採掘を行っていた。だが、突如として海底から正体不明の“巨大な触手”が出現。遠隔操作で動いていたロボットを破壊する。

破損したロボットを回収するために、国際海底機構の監視員・サラを連れて直接潜水艦で現地に向かったフォード。だが、そこで待っていたのは、固い皮膚と溶岩の血を持つ太古の怪獣“テング”であった。

海軍の支援を得て“テング”の襲撃を切り抜けると、保有する機材を活用した作戦で一度は怪獣を倒したフォード。とはいえ、人類の常識では計り知れない脅威である“テング”は、体内から無数の幼体を撒き散らすと人類を滅亡の危機に追いやる。絶体絶命の世界を救うには、“怪獣キラー”の異名を持つ怪獣であり“テング”の天敵、その名も“生きた山”を探して現世に蘇生するしかない……。

果たしてフォードは数多の困難を潜り抜けて、“生きた山”の復活を成し遂げられるのか。また、“生きた山”は本当にテングを倒す力量を秘めているのか。種族の存亡を懸けた、壮大な生存競争が始まる……。

というのが、本作の概要である。

これまで紹介してきたアサイラム作品の中では……別格の出来!

ストーリーを見る限り、相も変わらず便乗している今回の『ロード・オブ・モンスターズ』だが、映像作品としての出来自体は普通に……というより、普段より気合が入っている。

例えば、上述の怪獣“テング”だ。デザインとしては巨大なヒトデだが、“全身から子どもを射出”する生体器官や、“口から翼を展開”して空中を舞う飛行形態など、変わったギミックを用意してあるのが新鮮で面白い。

対する“生きた山”を例えるなら、あだ名のイメージに忠実なゴーレムという具合のデザインである。単純だが、異形の怪物を倒す味方の巨人としては素直に良い造形だ。ちなみに公式の説明によると、“テング”という名詞は現地の言葉で“破壊者”を指す単語とのことである。一体どこの現地か知らないが、日本でないことを祈ろう。

補足:“テング”のデザインを担当した、“怪獣絵師”マット・フランク氏のツイッターアカウントには、漢字で“天狗”と書かれた“テング”のイラストが上がっていた。

そして肝心の内容は、通常のアサイラム作品の水準から考えると格段に良い、B級モンスター・パニック映画である。“生きた山”の出番はクライマックスに集中していて少ないが、“テング”の活躍は相応に多い。展開に起伏が増えていて、冗長な場面は減っている。断じて「名作だ」「傑作だ」という言葉で褒め称えるわけではないが、スナック感覚でつまんで鑑賞するにはちょうどよい1本だ。少なくとも、私が記事として、5回に渡って紹介してきたアサイラム作品の中では、別格の出来だと主張しておきたい。

ほんとだよ?

https://www.youtube.com/watch?v=hCeFXfCSQDE

文:知的風ハット

『ロード・オブ・モンスターズ』はCS映画専門チャンネル ムービープラス「アサイラム祭り」にて2019年7月放送

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『ロード・オブ・モンスターズ』

南太平洋の海溝で深海採掘ロボットが消息を絶った。海洋開発会社社長のフォードと、国際海底機構のサラは、調査のため海底に向かうが、そこに海底火山の活動で覚醒した伝説の巨大怪獣が現れる。人類滅亡を阻止する唯一の方法、それはもう1頭の大怪獣を蘇らせ、2体を戦わせることだった・・・。

制作年: 2019
監督:
出演: