2024年に没した名優たち
そろそろ年末の足音が近づいてきたが、2024年はエンタメ界も様々なニュースがあった。音楽界では伝説的プロデューサーのクインシー・ジョーンズや、ジャクソン・ファミリーの次男ティト・ジャクソン(マイケルの兄)、カントリー歌手クリス・クリストファーソンやグレイトフル・デッドのベーシストであるフィル・レッシュ、そして元ワン・ダイレクションのリアム・ペインなどが次々と亡くなり、多くのファンを悲しませた。
そして映画界でも大御所の訃報が届けられた。『ロッキー』シリーズ(1976年~)のアポロや近年では『マンダロリアン』(2019年~)でも活躍したカール・ウェザース、人気ドラマ『ビバリーヒルズ高校白書』(1990年~)で知られるシャナン・ドハーティー、『スター・ウォーズ』シリーズのダース・ベイダー(声優)や『星の王子 ニューヨークへ行く』(1988年)のジェームズ・アール・ジョーンズなど、70~90年代に活躍したセレブリティーが亡くなっている。
映画ファンとしては、かれらの出演作を鑑賞し改めて記憶に刻み込むことで弔いたいところ。ということで、今年逝去した名優たちの代表作がCS放送されるので、そのキャリアとともに作品を紹介しよう。
シェリー・デュヴァル:2024年7月11日没(享年75)
1949年うまれのシェリー・デュヴァルは、地元テキサスで名監督ロバート・アルトマンと出会ったことで俳優としてのキャリアがスタートした。アルトマン作品に次々と起用されて名が知られるようになると、ウディ・アレンの『アニー・ホール』(1977年)などに続いてスタンリー・キューブリック監督作に出演。ご存知『シャイニング』(1980年)である。
同作では夫役のジャック・ニコルソンの怪演が有名だが、相手役がシェリーでなければ劇中のバランスが崩壊していたかもしれない。今では許されないであろうキューブリックの圧迫演出に耐えたシェリーの存在感はしかし、永遠の輝きを宿すことになる。90年代以降は目立った出演作はないが、歌手活動やドラマへのゲスト出演などで顔を見せている。
『シャイニング』(1980年)
小説家志望のジャックは、ロッキー山上のリゾートホテルの冬季管理人として妻子と共に住み込むことになった。そこは「前任の管理人が家族を斧で惨殺し、自殺した」といういわく付きの物件。猛吹雪で外界と隔離されたホテルで、一家3人だけの生活が始まるが……。
監督:スタンリー・キューブリック
出演:ジャック・ニコルソン シェリー・デュヴァル ダニー・ロイド