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「佐藤健は“座長”として引っ張っていく力がある人」大内貴仁アクション監督が明かす『はたらく細胞』制作秘話!

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「佐藤健は“座長”として引っ張っていく力がある人」大内貴仁アクション監督が明かす『はたらく細胞』制作秘話!
©清水茜/講談社 ©原田重光・初嘉屋一生・清水茜/講談社 ©2024映画「はたらく細胞」製作委員会
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人間の体内で働く細胞たちを擬人化した人気漫画『はたらく細胞』が、永野芽郁さん&佐藤健さんのダブル主演で実写映画化! 12月13日(金)より全国公開中だ。

©清水茜/講談社 ©原田重光・初嘉屋一生・清水茜/講談社 ©2024映画「はたらく細胞」製作委員会

本作では、原作のコメディ要素や、細胞の活躍を学べる魅力はそのままに、実写ならではのアクション面が大幅強化されている。「細胞たちの超絶アクション」という前代未聞の難題に挑戦したのが、本作のアクション監督を務める大内貴仁さんだ。

大内さんは、『るろうに剣心』(2012年)、『るろうに剣心 京都大火編 / 伝説の最期編』(2014年)にスタントコーディネーターとして携わり、アクション監督・谷垣健治さんのもとで佐藤健さんと新時代の時代劇アクションを作り上げた。そして今作では、そんな佐藤健さんの「『るろ剣』以上のものを」という想いがあり、大内さんがアクション監督に就任。

ある意味では、体内で働く細胞たちも、それぞれが外敵から体を守る「ヒーロー」たちだ。そんなヒーローたちそれぞれの個性を、アクションでどう表現したのか?『はたらく細胞』アクションの、制作秘話に迫る!

メイキングカット ©清水茜/講談社 ©原田重光・初嘉屋一生・清水茜/講談社 ©2024映画「はたらく細胞」製作委員会

「佐藤健は主役として、座長として引っ張っていく力がある人」

―『はたらく細胞』のアクションの方向性は、どのように構想したのでしょうか?

大内貴仁(以下、大内):原作を読んで、体の中でこんなことが起こっているんだって、自然に学べた部分があったんですよね。それがすごく面白いなって思ったのと、同時にすごくエンタメ的だなって印象も持ったんです。

この作品のアクションをやるなら、できるだけ「地に足がつきすぎたアクションにしない」というか、しっかりとエンタメ性やファンタジー性を持たせよう、というところは意識しましたね。

©清水茜/講談社 ©原田重光・初嘉屋一生・清水茜/講談社 ©2024映画「はたらく細胞」製作委員会

―原作ではアクション要素の比重がそこまで大きくないと思うのですが、そういった作品でアクションを演出する際に意識する点は?

大内:原作の中で戦いの描写があまり描かれていないということは、逆に言えば、どういう方向性でもいけるということじゃないですか。僕は漫画原作の作品を結構やっているんですが、漫画では「そのシーンの描写はされているけれど、戦い自体はしっかり見せていない」ということは多いんですよ。だから、そこはもう「こういう戦いにしたら面白いな」と自分の中でイメージしてやるわけですが、その時に一番大事なのは「キャラクターを知る」ということです。たとえば白血球(好中球)だったら、明らかに「るろうに剣心」の剣心とは違う魅力があるわけで、そういったキャラクターごとの魅力をまず意識しますね。

©清水茜/講談社 ©原田重光・初嘉屋一生・清水茜/講談社 ©2024映画「はたらく細胞」製作委員会

―佐藤健さん演じる白血球(好中球)が使用する武器はナイフですが、 リーチの短い刃物を使ったアクションはいかがでしたか?

大内:ナイフアクションと刀(ソード)アクションは似ているように感じるんですが、全然ちがうものなんです。ちょっとマニアックな話になりますが、ナイフはスナップをきかせて斬るので、振り方も刀と全然ちがいます。一番のちがいは、距離です。刀や剣というのは、ひと振りひと振りが大きいので、見栄えがしやすいんですね。

ナイフアクションが難しいのは、振った時に人の体に隠れたりして、画の中で見えなくなってしまうことです。ナイフのアクションを見せるためにカメラがどんどん中に入っていくんです、そうすると長回しのショットが撮りづらくなったりといった難しさがあります。だから、刀に比べてフィジカルの動きをもっと見せたり、ナイフの大きさや見た目にもこだわったり、そういった部分は突き詰めましたね。

©清水茜/講談社 ©原田重光・初嘉屋一生・清水茜/講談社 ©2024映画「はたらく細胞」製作委員会

―今回、佐藤健さんからのご指名もあったとのことですが、『るろうに剣心』シリーズでもご一緒している佐藤さんとのお仕事はいかがでしたか?

大内:佐藤健くんとは、『るろうに剣心』『るろうに剣心 京都大火編 / 伝説の最期編』と、その後に『亜人』(2017年)もやっていますが、毎回何か新しいことをやりたい、今までよりもっとすごいものを作り上げたいという想いが、接するたびに伝わるんです。

僕は一番最初に、彼がやりたいイメージを聞くんですが、作品を愛していて、お客さんに“こう届けたいんだ”という想いが強いんです。だから、シンプルにすごい役者さんであること以上に、主役として、座長として引っ張っていく力がある人。もちろんアクションも表現力も素晴らしいんですが、作り手としての目線で客観視もできる、そういったところがすごいなと思います。

―すごく広い視野で作品を見ている部分があるんですね。

大内:そうですね。でも、そうなっちゃうと、役者の練習とか“ちょっとしんどいな”ってなるじゃないですか。でも彼は、演じる時はしっかりとレッスンを重ねて作り上げている。アクションがすごい苦労をして作られているということを彼は理解しているので、その部分で自分の努力も怠らないところがすごいですね。

©清水茜/講談社 ©原田重光・初嘉屋一生・清水茜/講談社 ©2024映画「はたらく細胞」製作委員会

次ページ:大内氏が明かす「キャラ別 演出秘話」に大興奮!
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『はたらく細胞』

人間の体内の細胞、その数なんと37兆個。
酸素を運ぶ赤血球、細菌と戦う白血球、そのほか無数の細胞たちが、
あなたの健康と命を守るために日夜全力ではたらいているのだ。
高校生・漆崎日胡うるしざきにこ(芦田愛菜)は、父親の茂しげる(阿部サダヲ)と二人暮らし。
まじめな性格で健康的な生活習慣の日胡の体内の細胞たちは、いつも楽しくはたらいている。
一方、不規則不摂生に日々を過ごす茂の体内では、ブラックな労働環境に疲れ果てた細胞たちがいつも文句を言っている。
親子でも体の中はえらい違いだった。仲良し親子のにぎやかな日常。
しかし、その体内への侵入を狙う病原体たちが動き始める…。
漆崎親子の未来をかけた、細胞たちの「体内史上最大の戦い」が幕を開ける!?

原作:清水茜『はたらく細胞』(講談社「月刊少年シリウス」所載)
   原田重光・初嘉屋一生・清水茜『はたらく細胞BLACK』(講談社「モーニング」所載)

監督:武内英樹
脚本:徳永友一
音楽:Face 2 fAKE

出演:永野芽郁 佐藤健 / 芦田愛菜 山本耕史 仲里依紗 松本若菜 染谷将太 板垣李光人 加藤諒 加藤清史郎 マイカピュ
   深田恭子 / 片岡愛之助 / 新納慎也 小沢真珠 鶴見辰吾 光石研 Fukase (SEKAI NO OWARI) / 阿部サダヲ

制作年: 2024