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監督は「韓国バイオレンス」の立役者!マ・ドンソクと闘う殺人ボクサーは誰?『犯罪都市 PUNISHMENT』製作秘話【後編】

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ライター:#ギンティ小林
監督は「韓国バイオレンス」の立役者!マ・ドンソクと闘う殺人ボクサーは誰?『犯罪都市 PUNISHMENT』製作秘話【後編】
『犯罪都市 PUNISHMENT』© 2024 ABO Entertainment Co.,Ltd. & BIGPUNCH PICTURES & HONG FILM & B.A.ENTERTAINMENT CORPORATION, ALL RIGHTS RESERVED.
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現代韓国映画の「バイオレンス」を作り上げた偉大な監督

【前編】韓国で実際に起こった〈奴隷プログラマー〉殺人事件をマ・ドンソクが制裁!『犯罪都市 PUNISHMENT』製作秘話

9月27日(金)より全国公開となる韓国の人気アクションシリーズ最新作『犯罪都市 PUNISHMENT』。ついに4作目に到達した同シリーズの魅力のひとつといえば、企画原案からプロデューサーまで務めた主演、マ・ドンソクによる監督選びもある。

マ・ドンソク 近影
『犯罪都市 PUNISHMENT』© 2024 ABO Entertainment Co.,Ltd. & BIGPUNCH PICTURES & HONG FILM & B.A.ENTERTAINMENT CORPORATION, ALL RIGHTS RESERVED.

1作目『犯罪都市』(2017年)は、ドンソクが売れない時代を支え合った監督志望の朋友カン・ユンソンとともに企画を何年もかけて育て続けて、彼に監督デビューをさせた作品だった。本作で才能を認められたカン・ユンソンは、その後、『英雄都市』(2019年)やチェ・ミンシク主演の『カジノ』(2022年/ディズニープラス独占配信)の監督に。そして2作目『犯罪都市 THE ROUNDUP』(2022年)では、1作目の撮影を支えた助監督イ・サンヨンを監督デビューさせて、続く3作目『犯罪都市 NO WAY OUT』(2023年)も担当するシリーズのレギュラー監督となった。

この4作目『犯罪都市 PUNISHMENT』は3作目と同時期にプリプロダクション作業が行われ、連続で撮影された。そのためイ・サンヨン監督は4作目に関わる時間がないことが判明。つまり、新たな監督を探さなければならない……しかし、ドンソクは本作の監督にふさわしい人物をすでに知っていた。それは『犯罪都市』シリーズで格闘シーンやバイオレンス・シーンの設計を担当する武術監督(アクション監督)を務めてきたホ・ミョンヘンだ。

ホ・ミョンヘン監督 マ・ドンソク 『犯罪都市 PUNISHMENT』© 2024 ABO Entertainment Co.,Ltd. & BIGPUNCH PICTURES & HONG FILM & B.A.ENTERTAINMENT CORPORATION, ALL RIGHTS RESERVED.

個人的に『犯罪都市』シリーズの格闘アクションの魅力のひとつだと思うのが、マ・ソクト刑事のハードなパンチを喰らった直後に、やられ役が披露するリアクション。余裕をかましてマ刑事に挑んだ犯罪者が、マ刑事の重い鉄拳を喰らった後、気持ち的には「まったく効いてないぜ!」と再び挑もうとするが、もう戦闘不可能なダメージを受けている身体がふらっと崩れていく、あのリアクションはシリーズの大事な隠し味だと思っている。

その格闘アクションを作り出したのがホ・ミョンヘン! 彼は『犯罪都市』シリーズだけでなく、『グッド・バッド・ウィアード』(2008年)、『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016年)、『ファイティン!』(2018年)、『無双の鉄拳』(2018年)などのマ・ドンソク出演作の武術監督を務めてきた、ドンソク・アクションの魅力を知り尽くした男

さらに彼は、『イコライザー』シリーズのアントワーン・フークア監督や『モンキーマン』の監督・脚本・主演デヴ・パテルのフェイバリットだという『甘い人生』(2005年)や『悪魔を見た』(2010年)、『新しき世界』(2012年)、『泣く男』(2014年)、『アシュラ』(2016年)といった作品で、刺身包丁や手斧、ナイフといった凶器で野獣のように殺し合う、韓国バイオレンス映画の凄みを見せつけた暴力シーンを担当した偉大な人である。

アシュラ(字幕版)

PrimeVideo『アシュラ(字幕版)』©2016 CJ E&M CORPORATION, ALL RIGHTS RESERVED

ホ・ミョンヘン監督「ドンソク兄貴は真の努力家

「武術監督だった彼の演出力を信じていた」とホ・ミョンヘンの才能に注目していたドンソクは、何年も前から彼を監督デビューさせるために画策していた。そして2024年、ドンソクが主演するNetflixの近未来バイオレンス映画『バッドランド・ハンターズ』(2024年)でホ・ミョンヘンを監督デビューさせている。

『バッドランド・ハンターズ』を撮影している間、ドンソク兄貴から「『犯罪都市 NO WAY OUT』を撮影して、すぐに『犯罪都市4』の撮影に入らなければならないので、監督を引き受けて欲しい」と言われた。『バッドランド・ハンターズ』を一緒に撮って、監督として認められたようです(笑)。

 

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そう語るホ・ミョンヘンは、「ドンソク兄貴との出会いは、オムニバス映画『人類滅亡計画書』(2012年)で私が武術監督、ドンソク兄貴が出演した「素晴らしい新世界」です。ドンソク兄貴は真の努力家で、若い頃から、『犯罪都市』シリーズなどの構想を絶えず話してくれていました」と、ドンソクとの関係を振り返っている。

僕が思うに、マ・ドンソクがホ・ミョンヘンを本作の監督に抜擢した理由はもう一つある。それは『犯罪都市』シリーズの重要な魅力である、“存在感のある悪役”を演出することだ。

『犯罪都市 PUNISHMENT』© 2024 ABO Entertainment Co.,Ltd. & BIGPUNCH PICTURES & HONG FILM & B.A.ENTERTAINMENT CORPORATION, ALL RIGHTS RESERVED.

次ページ:ファン待望の「あの人気キャラ」が復活&大活躍!
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『犯罪都市 PUNISHMENT』

新種合成麻薬事件から3年後の2018年。
ヤクザも恐れる怪物刑事マ・ソクト(マ・ドンソク)とソウル広域捜査隊は、デリバリーアプリを悪用した麻薬密売事件を捜査していた。

マ刑事は捜査を進めるうちに、手配中のアプリ開発者が謎の死を遂げた事件の背後に、フィリピンに拠点を置く国際IT犯罪組織の存在を突き止める。

組織のリーダーは、拉致、監禁、暴行、殺人をいとわず、韓国の違法オンラインカジノ市場を掌握した特殊部隊出身の“元傭兵”ペク・チャンギ(キム・ムヨル)。

一方、組織オーナーで“ITの天才”CEOチャン・ドンチョル(イ・ドンフィ)は、韓国でさらに大きな犯罪計画を練っていた。

マ刑事は、史上最大規模のIT犯罪計画を殲滅するため、オンラインカジノ事業の経験を持つチャン・イス(パク・ジファン)に捜査協力を依頼し、広域捜査隊、サイバー捜査隊と新たなチームを結成し捜査を始めるのだが……。

監督:ホ・ミョンヘン
出演:マ・ドンソク、キム・ムヨル、イ・ドンフィ、パク・ジファン

制作年: 2024