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隠れた名作SF『A.I.』から23年、人工知能は「どう進化した」のか?巨匠スピルバーグが投げかける愛の普遍性

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ライター:#BANGER!!! 編集部
隠れた名作SF『A.I.』から23年、人工知能は「どう進化した」のか?巨匠スピルバーグが投げかける愛の普遍性
『A.I.』TM & © 2024 DREAMWORKS LLC AND WARNER BROS. ALL RIGHTS RESERVED.
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スティーヴン・スピルバーグ、御年77。「意外と若い」という印象を受けるかもしれないが、23歳でプロの映像技術者としてデビュー、25歳にして傑作『激突!』を撮った才人であり、半世紀以上のキャリアをほこる職人でもある。

そんなスピルバーグが『プライベート・ライアン』(1998年)と『マイノリティ・リポート』(2002年)の間に作った映画が、近未来版「母を訪ねて~」とでも言うべきSF大作『A.I.』(2001年)。巨匠の代表作として挙げる人はいないかもしれないが根強いファンは多く、若い世代からの再評価も進んでいる名作だ。作品ロゴのデザインの良さからか、当時もののTシャツ等はビンテージ市場で高値で取引されている。

A. I. (字幕版)

PrimeVideo『A. I. (字幕版)』No Rating (C) 2001 Warner Bros. Entertainment Inc. and Dreamworks LLC. All rights reserved.

「愛」をインプットされた少年ロボット

ときは近未来――ついに”愛”をインプットされた少年型ロボット、デイビットが誕生する。彼を試験的に養子に迎えたスウィントン夫妻は、愛情深いデイビットをいつしか本当の子供のように思い始める。しかし、不治の病に冒されていた実子が奇跡的に回復したことで、デイビットは居場所を失ってしまう。母モニカに愛されたいデイビットは、人間になる方法を求めて旅に出るが……。

『A.I.』TM & © 2024 DREAMWORKS LLC AND WARNER BROS. ALL RIGHTS RESERVED.

映画『A.I.』は監督・製作・脚本をスピルバーグ自身が手掛けた肝いりの作品ではあるが、原作はブライアン・オールディスの「スーパートイズ」(竹書房文庫)で、元々はスタンリー・キューブリックが映画化を進めていたという。その時点でスピルバーグも一部参加していたため、キューブリックの死後あらためて彼が制作を引き継いだということになる。

第74回アカデミー賞では視覚効果賞、作曲賞にノミネートされたが受賞はならず。同年のオスカーはロン・ハワード監督の『ビューティフル・マインド』が作品賞と監督賞を獲得し、撮影賞や作曲賞、視覚効果賞は『ロード・オブ・ザ・リング』という強敵が全てかっさらった。なお主演賞は『トレーニング・デイ』のデンゼル・ワシントンと『チョコレート』のハル・ベリーと、こちらも記念碑的な受賞となっている。

『A.I.』TM & © 2024 DREAMWORKS LLC AND WARNER BROS. ALL RIGHTS RESERVED.

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