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ネコ派必見のネコ映画
「ネコ派かイヌ派か」で性格がわかるらしい<犬猫診断>なんてものが存在するほど、人間に身近な存在であるにゃんこ&わんこ。神話の時代からヒトの生活と密接な関わりがある2大動物だけに、これまで様々な創作のテーマにもなってきた。
その多くは動物と人間の絆を描いた実話ベースの感動ものが多い印象だが、中には文字通りネコ/イヌに人生を“捧げた”人もいて、その代表的な作品の一つがベネディクト・カンバーバッチ主演、19世紀末から20世紀のイギリスで活躍したネコ画家の半生を描く伝記映画『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』(2021年)である。
異才ネコ画家、その愛の物語
イギリスの上流階級に生まれ、父亡きあと一家を支えるためにイラストレーターとして活躍するルイス。妹の家庭教師エミリーと恋におちた彼は、大反対する周囲の声を押し切り結婚するが、まもなくエミリーは末期ガンを宣告される。
庭に迷い込んだ子猫にピーターと名付け、エミリーのために彼の絵を描き始めるルイス。深い絆で結ばれた“3人”は、残された一日一日を慈しむように大切に過ごしてゆくが、ついにエミリーがこの世を去る日が訪れる。
以来、ピーターを心の友とし、ネコの絵を猛然と描き続け大成功を手にしたルイス。しかし、彼は次第に精神的に不安定となり、奇行が目立つようになる。やがて「どんなに悲しくても描き続けて」というエミリーの言葉の本当の意味を知るのだった――。
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