今夏秋は必見の社会派エンタメ映画が続々公開
知られざる児童人身売買の闇に真っ向から挑み、全米で公開初日興収第1位を記録した話題作『サウンド・オブ・フリーダム』が、9月27日(金)より日本公開を迎える。
大規模犯罪の犠牲となった少年少女を救い出すため過酷なミッションに挑んだ、実在の人物の闘いを基に描かれるサスペンスフルな本作。今回は、全国公開が目前に迫る本作を筆頭に、今年の夏~秋に公開の<現代社会を映し出す>必見映画を5作、紹介したい。
「映画は時代を映す鏡」という言葉があるとおり、映画はその時代の世相を色濃く反映してきた。しかし、ただ現実を映すのではなく、エンタメ要素を加えて練り上げ、万人に楽しめる作品として世に放つことが映画人の腕の見せどころ。映画として楽しみつつ、「見たら明日の世界の見え方が変わる」かもしれない、良質な社会派エンタメ映画たちをぜひチェックしよう。
小児性愛者を捕まえろ!『サウンド・オブ・フリーダム』
世界中で年々増加していく、児童誘拐、人身売買、性的虐待といった国際的性犯罪の数々。犯罪の犠牲となった少年少女を救い出すために過酷なミッションに挑んだ、実在の捜査官の闘いを基にした衝撃の物語。
米国土安全保障省の捜査官ティムは、性犯罪組織に誘拐された少年少女を追跡捜査していた。上司から特別に捜査許可をもらった彼は事件の温床となっている南米コロンビアに単身潜入し、ワケアリの前科者、資金提供を申し出た資産家、さらに地元警察と手を組み、大規模なおとり作戦を計画する。やがてティムは一人の人間として尊い命を救うため、自らの命をかけた壮絶な闘いに挑んでいく――。
難しいテーマを扱いながらもエンターテインメント性の高い見せ場も確保し、万人に楽しめる映画として世界中で高い評価を受けた本作。全世界の累計興収は2億5千万ドルを突破し、2023年の<全米映画興収トップ10>に堂々のランクインを果たした。
主演は『シン・レッド・ライン』(1998年)や『パッション』(2004年)、大ヒットドラマ『PERSON of INTEREST 犯罪予知ユニット』(2011~2016年)で知られるジム・カヴィーゼル。本作の主人公を演じるにあたって実際に捜査官の職務に同行して役作りに励み、さらに徹底した肉体的トレーニングによって完璧な格闘アクションを披露している。
本作は、思わず目を背けたくなってしまう児童人身売買の底知れぬ非道さに真正面から斬り込み、子どもたちを救うためには「まずは知ることが大事」と、犯罪撲滅への大きな一歩となる重要なメッセージを投げかける。それでいて見事にエンタメ社会派映画へと昇華させており、間口を広めて世界中の観客に届けることに成功した、幾重にも観る価値のある作品だ。
『サウンド・オブ・フリーダム』は2024年9月27日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開