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「子供を救って」母親の魂の訴え “人間が選択すべき正しいこと”とは何なのかを問いかける『ぼくの家族と祖国の戦争』本編シーン

「子供を救って」母親の魂の訴え “人間が選択すべき正しいこと”とは何なのかを問いかける『ぼくの家族と祖国の戦争』本編シーン
『ぼくの家族と祖国の戦争』© 2023 NORDISK FILM PRODUCTION A/S​

デンマークのアカデミー賞(ロバート賞)に5部門ノミネートされた『ぼくの家族と祖国の戦争』が、8月16日(金)より公開が決定される。このたび、初の本編映像と新場面写真が解禁となった。さらに、著名人からコメントが到着した。

いま一度考えたい「命の大切さ」

本作は、戦時下の極限状況のなか、目の前の命を救うべきか、見殺しにするのか。かけがえのない信念を貫こうとした家族の感動の物語。一家の長男である12歳の少年セアンのピュアな眼差しを通して、人間が選択すべき“正しいこと”とは何なのかを問いかける。そこにこめられた根源的なテーマとメッセージは、我々の心を、熱く、激しく揺さぶり、「命の大切さ」をいま一度考えさせてくれる。

1945年デンマーク。市民大学の学長ヤコブは、ドイツによる占領末期に500人以上のドイツ人難民を受け入れるよう命じられ、妻のリスとともに耐え難いジレンマに直面する。もし一家が難民を助ければ裏切り者の烙印を押され、何もかも失う危険がある。しかしヤコブとリスが助けなければ、多くの難民が死に至る。そんな中、12歳の息子もドイツ難民の女の子と交流を持ちつつあったが彼女は感染病にかかってしまう。友達を救うべきか、祖国に従うべきか、家族は決断を迫られる。

デンマークに逃れたドイツ難民、息子は高熱、食糧は届かず、ドイツ軍には見捨てられ…

本編映像では、父・ヤコブ(ピルー・アスベック)が学長を務めるデンマークの市民大学に、敗北目前のドイツからの難民を受け入れる本作の冒頭シーン。

体育館に詰め込まれた難民たちの間では飢えと感染症が蔓延しており、幼い子供を抱くドイツ難民の女性は「息子が病気なんです。医者を呼んでください」とヤコブに必死に懇願する。しかし「ドイツ国防軍の管轄です」と、どうすることもできないヤコブ。それでも母は「ドイツ兵は1人もいません。食料も届きません」と訴えるが…。

人の命は平等なはずなのに、ドイツ難民というだけで助けられず、次々と命を落としていく子供たち。難民を助けることが祖国デンマークへの裏切りと取られかねない緊迫した状況で、ヤコブ一家はさらなる苦難と決断を迫られることとなる。

『ぼくの家族と祖国の戦争』© 2023 NORDISK FILM PRODUCTION A/S​

『ぼくの家族と祖国の戦争』© 2023 NORDISK FILM PRODUCTION A/S​

辛い現実を生き抜く家族に共感、「今観るべき」との声が到着

第二次世界大戦下の知られざる実話にインスパイアされ、 デンマークの市井の人々の視点から戦争の愚かさを描いた本作。一般試写では「埋もれていた戦争の影を突く比類なき傑作」「境界線、抑圧、支配、時代は違えど、現代の私達が直面している問題が色濃く浮き上がる。いま観ておくべき1本」と共感と感動の声が続出。

さらに、今回届いた著名人からのコメントでは、ドイツ映画研究者の渋谷哲也さんは戦時下で必死にもがいた家族を「主人公たちの果敢な行動はけっして美談ではなく命がけの選択なのだ」とコメント。憲法学者の木村草太さんは「そんな世界を繰り返さないために、私たちは何ができるだろう?何をすべきだろう?」と私たちに問いかける。

<コメント全文>

加藤登紀子(歌手)
「もしこの世に正義があるとしたら、唯一それは目の前の命を助けることだ」と言った中村哲さんの言葉を思い出します。でも普通にその正義をつらぬこうとすることが、こんなにも危険なことになってしまうのか?戦争というものの恐ろしさに心が震えました。私自身が日本の敗戦後、大陸で難民として生き延びたことがそのままこの映画と重なります。戦争は人が人らしく生きることを不可能にしてしまう!その悲しい事実を、まざまざと突きつける素晴らしい映画でした。

木村草太(憲法学者)
ただ、人道的であろうとしただけ。そんな当たり前が、こんなにも困難になってしまう世界に、息もできなくなる。そんな世界を繰り返さないために、私たちは何ができるだろう?何をすべきだろう?

渋谷哲也(ドイツ映画研究/日本大学教授)
戦争末期。目の前にいるのは憎い「敵」なのか、居場所のない「避難民」なのか。問題はそのどちらでもあること。本来敵味方はないはずの人道支援を社会状況が許さない。主人公たちの果敢な行動はけっして美談ではなく命がけの選択なのだ。

『ぼくの家族と祖国の戦争』© 2023 NORDISK FILM PRODUCTION A/S​

『ぼくの家族と祖国の戦争』は8月16日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開

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